引っ越しを一度もしたことが無い人が、一番心配するのは、
引越しが初めてだけど無事終わるのだろうか?ということと、もし最悪終わらなかったら、どうなるのだろう?ということだと思います。
そんな今回は、もし「引っ越し準備が終わらないとどうなるの?」という最悪の事態と、その対応策を知っておくことで、少しでも気持ちが楽になれるように(多少は気持ちを引き締めてもらうためにも)と思い、書きました。
また、中には実際今そういう状況で、どうしたらよいか分からず慌てて情報を探しに来た方もいるかもしれません。
話は急を要するので、早速どうぞ。
引っ越し当日になったけど、まだ準備が終わっていない。こんな場合はどうなるのか?
引っ越しの準備がまだ終わっていない。けれども、引っ越し当日になり、もう引っ越し業者が来てしまった。
こんな時はどうなるのでしょうか?
引っ越し業者との対応
①あとちょっとで終わる(目安として30分程度?)場合
この場合は、全く問題ありません。引越業者のほうで搬出作業をしてもらっているうちに残りの梱包作業を済ませてしまいましょう。
また、引っ越し業者の方でも、ある程度はサービスで手伝ってくれると思います。
問題は以下の2つの場合です。
②すぐには終わりそうにない(軽く1時間~2時間以上掛かりそうな)場合
最大限、引っ越し業者の方でも手伝ってくれ、なんとか引っ越しの搬出作業を終わらせようと、頑張ってくれると思います。
しかし、この場合は、そもそも当初の契約にないので、追加料金を取られるかどうかは、残り作業の量と引越し業者の判断により異なります。
基本的には、あなたは
という選択肢を取ることが出来ます。(以降に出てくる約款の中にも書かれています。)
③半日~1日以上掛かりそうで、今日の引っ越しは到底無理と判断されてしまう場合
この場合は、
ことになってしまうかもしれません。
引っ越し業者の方でも、繁忙期には、午後にもう一軒の引っ越しが入っている場合もあるでしょう。そんな場合は、次の引越しに影響が出てしまうので、
最悪の事態としては、「引っ越し作業自体を拒否」されてしまい、当初予定していた新居への引っ越しが出来なくなります。
しかし、こうなってしまうのはきちんとした理由があります。
それは、あなたが引っ越し業者と契約を交わすときに、「標準引越運送約款(やっかん)」に基づき、契約を結んでいるからに他なりません。
「標準引越運送約款(やっかん)」によると、
(荷造り)
第七条 荷送人は、荷物の性質、重量、容積、運送距離等に応じて、運送に適するように荷造りをしなければなりません。
2 当店は、荷物の荷造りが運送に適さないときは、荷送人に対し必要な荷造りを要求し、又は荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
3 前二項の規定にかかわらず、当店は荷送人からの申込みに応じて、荷送人の負担により必要な荷造りを行います。
ここで重要なのは、
「荷送人は、・・・運送に適するように荷造りをしなければなりません。」の部分です。
すなわち、そのままでは運送が出来ない状態であると、契約違反となってしまい、最悪拒否されてもあなたは文句は言えないのです。
但し、2項以下に書かれている通り、あなたが追加費用を負担することで、引っ越し業者の方に、梱包作業を手伝ってもらうことは可能です。
また、引っ越し業者も商売ですから、めったなことでは最終手段の拒否まではせず、最善を尽くしてくれるとは思いますが、『どう見ても今日終わらないだろうというような状況では、拒否も選択肢としてはある』ということを覚えておいてください。
この引っ越し作業を拒否されてしまった場合は、当日のキャンセル料を取られるだけでなく、日程変更をした次回の引っ越し作業の料金は、また別途ということになってしまうので、金銭的には、大きな損失となってしまいます。だったら、最初から「お任せサービス」などの「荷造り代行サービス」を利用して、最悪の事態を避けるようにして下さい。
④残りの荷物があなた自身で運べる場合
このような場合には、引っ越し業者と相談して、どこまで引っ越し業者に運んでもらうかの線引きをきちっとするようにしましょう。
引っ越し業者には、冷蔵庫や大型の家具など大きな荷物をメインに運んでもらい、
梱包が終わっていない小物などは、後でマイカーやレンタカーなどを使って自分で運ぶか、宅急便などを利用して発送することで、荷物を旧居に残さず退去を完了させることが出来ます。
でもこういう事態にならない為にも、出来るだけ早い段階で、無理なら無理と、手を挙げ他に助けを求めることが重要です。
不動産業者との対応
引っ越し業者とではなく、解決する方法がもう一つあります。

geralt / Pixabay
通常、あなたが退去した後は、クリーニング業者を入れたりして、次の入居者が入居できるように準備をします。
よって、あなたが退去した翌日から次の入居者がすぐ入るということは、ほとんどありません。
また、次の入居者がまだ決まっていない場合もあるかもしれません。
これならば、退去日を変更してもらえるように交渉してみる価値があると思いませんか?
但し、賃貸借契約(書類上)に基づくと、契約終了日(退去日)までに明け渡しが完了しなかった場合、ペナルティが定められており、
一般的には、超過1日ごとに、「日割り家賃の何倍か」の損害金を支払うことが明記されているので、損害金を支払わなければならない可能性はあります。
あなた側に過失があるので、あくまで「お願いベース」にはなってしまいますが、事情を説明して、何とか頼んでみてください。状況によっては、退去日の変更に応じてもらえるかもしれません。
但し、延長分については、日割り家賃もしくは「日割り家賃の何倍か」の損害金が発生することになるとは思いますが、どうしても退去が間に合わないのであればそれも仕方がありません。
ダメもとでも、きちんと事情を話し、まずは相談することが大事です。
なお、私の場合は、引っ越しの準備期間が2週間と少なかったこともあり、最初から意図的に新居への入居日と、旧居の退去日を1週間ずらして(ラップ期間を設けて)おきました。
そして、残りの荷物は次の週末に、自家用ワンボックスカーを使い運び終えるというやり方を選択しました。(但し、近県への引っ越しだったから可能だったのですが...)
参考までに、月額家賃8万円の場合は、日割り家賃は、約2,700円/日程度にしかなりません。1週間ずらしても、約18,900円です。
また、こうすることで、精神的プレッシャーを少なくすることが出来、さらに部屋の掃除を隅々まできれいにすることで、敷金の戻りを最大化することにも成功しました。
私の場合の例:(敷金は家賃7万円×2か月分)ー(クリーニング代2万円)=12万円(敷金返却分)
場合によっては、敷金の戻りが多い分で、日割り家賃と相殺出来てしまうかもしれません。
引っ越し前日だけど、準備が全く終わる気がしない場合
そんな場合にできることは、次のことです。
①緊急だけど、友人、家族などに応援を頼む。
②先ほど紹介した約款(やっかん)にも書かれていた通り、引っ越し業者に運んでもらえるか否かのポイントは、
「運送に適するように荷造り」がされているかという点に尽きます。
これは簡単に言ってしまうと、本やCDなど小物がこまごまとした状態では非常に運びづらいですよね。ですから、ダンボールやケースなど(極端な話ゴミ袋でも)に入って、コンポーネント化されていれば、OKなんです。
だったらやるべきことは一つです。
物は分類するのに非常に時間が掛かります。考えずにマシーンと化して、黙々と進めてください。
そうすれば、大概終わらせることが出来ると思います。
あと時間が掛かるのは、食器類の包装だと思います。
食器類は壊れ易いので、1個1個緩衝材や新聞紙で包んで梱包していると、非常に時間が掛かります。
そんな場合は、個別に包装することはあきらめて、その代わりに、
と、比較的早く食器類の梱包を終わらせることが出来ます。
引っ越しまで3日以上ある場合
引っ越し業者に変更の相談をする
引っ越し当日まで3日以上残っている場合には、まず引っ越しの日時を変更できないか、あなた自身で検討し、OKならば、引っ越し業者に変更する旨を連絡しましょう。
ほとんど、どこの引っ越し会社でも同じようですが、引っ越し予定日の3日前までであれば、キャンセル料無料で、日程の変更もしくはキャンセルが可能です。
分かりやすく図解すると、
このようになります。
これは先に出た「約款(やっかん)」の中でも「解約手数料又は延期手数料等」として記載されている事項です。
ほとんどの引っ越し業者は、
「標準引越運送約款(やっかん)」に基づいて引っ越しを行う(契約を行う)ので、問題ありません。
しかし、一部の引っ越し業者によっては、その業者独自の認可された約款を提示してくる場合もあります。その場合には、「標準引越運送約款」による条件と異なることは無いか、見積書(契約書)の中身は必ず確認するようにしましょう。
ここで、「標準引越運送約款」の話が出たついでに、
この中で定められている項目で、引っ越しの当事者(あなた)にとって特に重要だと思われる項目について、要約したものを記載しておきます。
・見積もりの際に、内金、手付金等を請求しません。
・見積もり時に、申込者に対して、この約款を提示します。
・引っ越し業者は、見積書に記載した「荷物受取日(引っ越し予定日)」の3日前までに、申込者に対し、見積書の記載内容の変更の有無について確認を行う。⇒荷物の増減、梱包の手助けは必要ないか、当日の日程に変更ないか等。
・キャンセル料は、引っ越し予定日の3日前までは発生しない。
・荷物の破損や紛失があった場合は、荷物を引き渡した日から3か月以内に通知しないと権利が消滅してしまう。
引っ越しの荷造り代行サービスに連絡する
通常、引っ越し業者に荷造りの手伝いをお願いする方法もありますが、これは、「荷造り」に特化した専門業者にお願いする方法です。
荷造り代行サービスの一例
ファミリーロマンス:全国いつでも24時間受付
暮らしのサポートipunyイプニー
荷造りサービスコンポ:サービス対応地域が一部地域に限られるのが難点。
最後に
ここまで見てきて分かる通り、
仕事でもそうですが、土壇場で切羽詰まってからでは、出来ることに限りが出てきてしまいます。
常に進捗を確認しながら、早め早めに打つべき対応策を打っていくようにしましょう。
また、何が何でも、自分で全部をやらなくては思うと、プレッシャーも半端ないものとなってしまいます。
引っ越しの準備作業を始める前に、作業量から予想される工数(掛かる時間)を見積もりし、その合計時間が、準備日数(時間)内で作業に当てられる時間を軽くオーバーしてしまうようならば、それはそもそも無理な計画なのです。
その場合は、引っ越し準備作業の初期段階から、引っ越し業者の荷造りサービス(お任せサービス)などを利用し、人数を増やして対応するしかありません。
そうならない為にも、必ず引っ越し準備作業を始める前に「作業計画」を作って自己管理するようにしてください。
引っ越し全体の流れ、各段階での必要な作業については、
を読んで引っ越しの全体像とやるべきことをまずは把握してください。
そして、それに基づいて引っ越し準備作業の「作業計画」を作成し、進捗を管理していけば、今回説明したように、「準備が終わらない」という最悪の事態を防げるはずです。

geralt / Pixabay
今回の記事を読むことで、引っ越し準備が終わらず不安で、先の見えなかったあなたの視界に、一筋の希望の光を届けることはできたでしょうか。
そうであれば幸いです。
次回は、
についてお伝えします。
梱包作業をどこから始めたらいいのか。また、作業を始める前に、ちょっとした下準備をしておくだけで、その後の作業効率も大きく変わってきます。
その辺のコツを次回はご紹介します。