以前からお伝えしている、引っ越しをお得にするための、各引越業者が提供する様々なプラン。
あなたに合った他の引っ越しプランについては、それぞれ以下の記事でご確認ください。
一般的なプランは『引っ越しする時、午前便、午後便、フリー便どれを選べば安いのか?』
チャレンジャーなあなたは『引越業者の様々な引っ越しプラン、積み切りプラン編』
最も安く引っ越ししたいあなたは『引越業者の様々な引っ越しプラン、帰り便編』
荷物が少なくリーズナブルに引っ越したいあなたは『引越業者の様々な引っ越しプラン、混載便編』
超高速で引っ越ししたいあなたは『引越業者の様々な引っ越しプラン、航空貨物便編』
もしくは、当サイト最上部のグローバルナビメニューの「費用と見積もり」又は「状況別」から、プルダウンしても選べます。
今回の第4回目は、「引越業者の様々な引っ越しプラン、コンテナ便編」と題して、「コンテナ便」についてお伝えします。
コンテナ便を利用すると、どのぐらいまで引っ越し料金を安く出来るのでしょうか?
コンテナ便とは、どういったものなのか?
さて、コンテナ便とは、どういったものなのでしょうか?
前回は、「混載便」を紹介しました。この混載便は、1台のトラックに「同じ引っ越し方面」の、「複数のお客さん」の引っ越し荷物を載せて運搬することによって、運送コストを割り勘することで、引っ越し料金を安くするというものでした。
今回紹介する「コンテナ便」は、このトラックで行う「混載便」の規模をもう少し大きくして、JRの貨物列車で輸送する、これも広い意味では「混載便の一種」と言えるかもしれません。
コンテナ便を利用するのは、どんな人が向いているのか?
コンテナ便では、引っ越し荷物の積載量が「厳密」に決まっている

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コンテナ便では、その名の通り、定型サイズのコンテナに入る量=積める荷物量です。
JR貨物のコンテナ1個のサイズは、
コンテナ内寸で、横幅227㎝×長さ364㎝×高さ225㎝、容積は約18.6㎥となっていて、ここには「4畳半の部屋一杯」程度の荷物が入ります。
通称「5トンコンテナ」とか「12フィート(=長さ364㎝)コンテナ」と呼ばれています。
コンテナ内部の高さも2m以上あるので、大型の冷蔵庫でも(容量500Lを超えるものでも高さは2mまで無いため)問題なく入ります。
但し、2mを超えるような背の高い食器棚や本棚などは、輸送前に高さを測って把握しておかないと、入らない場合がありますので十分注意してください。
この容積の荷物量が当てはまる人はというと、それほど家財の多くない2人家族で、
引っ越し荷物としては、
・冷蔵庫
・ドラム式洗濯機
・本棚
・セミダブルベッド
・ふとん一式
・42インチ以下の液晶テレビ
・電子レンジ及びレンジ台
・テーブル
・3段タイプのカラーボックス
・ハンガーボックス10個
・衣装ケース10個
・ダンボール10個
が入る分ぐらいになります。
よって、
参考、JR貨物の鉄道運賃

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JR貨物を利用する場合の「鉄道運賃」は、年間通して固定で金額が決まっていて、
東京貨物ターミナル⇔名古屋貨物ターミナル(約380㎞)で27,500円
東京貨物ターミナル⇔大阪貨物ターミナル(約600㎞)で38,500円
東京貨物ターミナル⇔広島貨物ターミナル(約890㎞)で52,500円
東京貨物ターミナル⇔福岡貨物ターミナル(約1200㎞)で66,000円
東京貨物ターミナル⇔札幌貨物ターミナル(約1250㎞)で70,500円
注:引越しのコンテナ便で使用する、12ftコンテナを運送した時の純粋な鉄道運賃のみ、その他の積み替え作業料金などは別途となっています。上記料金は2018年3月ダイア改正に基づく。
この「鉄道運賃」は、JR貨物の時刻表に、貨物列車の時刻表と共に、距離ごとの料金も併記されているので、誰でも確認することが出来ます。
詳細は:日本貨物鉄道株式会社「エリア別サービス案内-各エリアのコンテナ時刻表PDF」を参照
ちなみに、この時刻表を見ると、福岡を真夜中の1時過ぎに出発した貨物列車が、東京に到着するのは夜の19時半頃となり、移動だけで18時間ほどかかることも分かります。便によっては運航ダイアの関係で、24時間近くかかる場合もあります。それは、各貨物駅でのコンテナの積み下ろしが有るからです。
その為、荷物を集荷してから配送までは、東京⇔福岡間の場合で最低3~4日程度は掛かります。
あなたが支払うことになる総額の引っ越し料金は、メインの輸送費用となるこの「鉄道運賃」に、コンテナ積み替え時の作業料金や、引越し業者側の運搬料金などが合算されたものになります。
コンテナ便では、荷物の輸送に非常に時間が掛かる
先に紹介した時刻表のところでも触れましたが、東京⇔福岡間(約1200㎞)の貨物列車の移動には、18時間~24時間もかかる事が分かります。
またコンテナ便は、前回の混載便同様、他の引っ越し以外の利用者(ユーザー)の荷物が集まるまで待たなければならず、荷物の集荷してからのタイムロスも多いことは分かると思います。
さらには、途中で、引越業者のトラックからコンテナへの積み替え、また新居に向かう時にはその逆の作業が発生するために、運送中の「工程が多い」のが「コンテナ便」の特徴です。
但し、一方では、トラックで長距離を輸送する際には、休日、観光シーズンなどの渋滞の影響を受けやすいのに比べ、鉄道であれば、ほぼ時刻表通り(時間通り)に運搬できます。
コンテナ便を利用した場合、トラック便を利用する場合と比べてプラス1~2日余計にかかると思っておけばいいでしょう。
コンテナ便では、特に荷物破損のリスクが高くなる

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通常の引っ越しプランとは違い、何度も荷物の積み替えが行われます。
また、貨物列車へのコンテナ積み下ろしは、大型のフォークリフトなど重機を使って作業を行います。
その為、荷物がコンテナ内で大きく揺れたりしてぶつかり破損する可能性は、他の引っ越し方法に比べて、高くなります。
しかし、この事は引っ越し業者も心得たもので、コンテナ便専用に、何重にも緩衝材を巻いた入念な梱包をしてくれるので、過剰に心配する必要はありません。
「コンテナ便」を扱っている引っ越し業者は限られている
この「コンテナ便」の場合は、大手引っ越し業者・中小引っ越し業者関係なく、JR貨物と提携していないと取り扱っていません。
よって、コンテナ便を取り扱っている引っ越し業者は、ある程度限られています。
「コンテナ便」を利用する場合、契約方法は2通り
コンテナ便は、鉄道の貨物駅から私たち利用者の新居もしくは旧居間の道路運送を担当するのは、引越業者や運送業者です。
しかし、輸送のメインとなっているのは、鉄道の線路で輸送するJRの貨物列車です。
このように、「引越業者」と「JR貨物」の2者がいて初めて成り立つサービスなのです。
そのため、契約方法にも2通り存在します。
一つ目は、JR貨物の「引越しサービス」に直接依頼する方法
この方法で依頼すると、JR貨物と「提携している引越業者」が、引っ越しの事前見積もり、旧居から最寄りの貨物駅まで及び新居最寄りの貨物駅から新居までの道路輸送を担当してくれます。
この場合、通常と違うのは、JR貨物のコンテナを最初から積んだ状態のトラックが自宅に到着、そのままコンテナに引っ越し荷物を詰め込んでいくという方法を取るので、ちょっと驚くかもしれません。
【JR貨物で申込する方法】
申込み方法:JR貨物のホームページの申込みフォームもしくは電話で申し込みをします。
引越しのオプションサービス:無し
二つ目は、JR貨物と提携している「引越し業者」に依頼する方法
JR貨物と提携している引っ越し業者や運送業者には、日本通運、アリさんマークの引越社、カルガモ引越センターなどがあります。
このように、引っ越し業者や運送業者から「コンテナ便」での引っ越しを依頼すると、普通に引っ越し業者のトラックが来て、引っ越し荷物の搬出を行い帰っていくので、普通の引っ越しの様子と何ら変わりません。
ただ、この方法だと、想像の通り、引越し荷物の輸送をするのに、
引越業者のトラック→コンテナ→線路輸送→コンテナ→引越業者のトラック
と荷物の積み替え作業が発生します。
すると、積み替え作業の回数分、荷物の移動が起こるので、荷物紛失や荷物破損のリスクは回数分だけ高くなります。
【引っ越し業者で申込する方法】
申込み方法:各引越業者または運送業者のホームページもしくは電話で申し込みをします。
引越しのオプションサービス:各社によりサービスは様々で、荷造りサービスやエアコンなどの着脱なども行ってくれます。
コンテナ便の利用でどれだけ安くなるのか?
コンテナ便を利用する場合の費用内訳は、次の通りとなります。
さて、ここでコンテナ便の特徴を一度おさらいしておくと、どういう場合に料金が安くなるのか、理解しやすいと思います。
以上の特徴から、
中距離(300㎞程度)=大体東京⇔名古屋間ぐらいでは、コンテナ便のメリットが出るほどそこまで極端に安くはならないでしょう。(差額1~2万円程度)
東京⇔福岡の場合では、差額は5万円以上になることも。
JR貨物は一社独占で、かつ年間通して固定料金なので、この鉄道運賃分を値下げさせることは出来ません。しかし、逆の言い方をすると、引っ越しの繁忙期である2月末~4月初にかけても料金は高騰しません。
よって、
しかし、一方で、引っ越し閑散期では、引越業者各社は大幅な値引きをしていますが、JR貨物のコンテナ便では料金は変わりません。
コンテナ便の効果的な利用法

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1.コンテナ便を利用すると、トラック輸送に比べ相対的に安くなるのは、基本的に引っ越し繁忙期。それ以外の通常期や閑散期の引っ越しでは、引っ越し業者のトラックを利用した方が安くなる場合もあります。
2.引っ越し移動距離の大部分を鉄道で輸送することが出来る長距離(500㎞以上)の輸送で、かつ旧居新居共にJR貨物の駅から、極端に離れていない場合。
3.荷物の量にもよりますが、できればコンテナ1個分(四畳半の部屋一杯分)で済ませたいところです。それが無理な場合は、極端に荷物を減らすことなくコンテナ2個分を存分に活用しましょう。
コンテナ便を利用した場合、貨物駅での一度保管が無料で利用できる
JR貨物を利用した「コンテナ便」では、荷物の一時保管サービスがあります。
引っ越し荷物をコンテナごと、発着するそれぞれの貨物駅で保管してもらうことができます。そして、荷物集荷日及び貨物列車到着日を除いても、前後各5日間は保管無料となっています。
この無料保管期間を上手に使うと、引っ越しついでに観光旅行をしながら、新居に向かうとか、
旧居の家の退去日から新居の家の入居日まで、どうしても間が空いてしまう場合などでも、トランクルームや倉庫の保管サービスを利用せずとも、無料で一時保管してもらえるなど、
様々な使い方が出来ます。
なお、この無料保管期間を過ぎた場合でも、コンテナ貨物留置料を払えば、コンテナ1個当たり、1日1000円で保管してもらえ便利です。
大手引っ越し業者
大手引っ越し業者では、以下の会社などで取り扱いがあります。
アリさんマークの引越社では、長距離の引越しプランとして、3タイプ用意されていて、「長距離スペシャル便」は通常の自社トラック便による引っ越し。
残り2つの「長距離エコ便」と「長距離エコリーズナブル便」は、「コンテナ便」を利用するもので違いは、
「長距離エコ便」は、引越し会社のトラックで集荷、配送に来るため、トラックからコンテナへの(逆へはコンテナからトラックへの)荷物載せ替えが発生します。
「長距離エコリーズナブル便」は、JRコンテナでそのまま集荷、配送するため、荷物載せ替えが発生しません。
どちらのプランでも、旧居からの荷物搬出/積載と新居への荷下ろし/荷物搬入作業は、基本的にアリさんマークの引越社のスタッフが行ってくれます。
・日通のお引越しプランのページには、コンテナ便の記載がありませんが、日本通運「鉄道コンテナ輸送の仕組み」でコンテナの種類や鉄道輸送について紹介されているので、日通の引っ越し担当に相談してみると、長距離輸送をコンテナ便でアレンジしてくれるはずです。
なお、日通の場合は、通常サイズの12フィート(5t)コンテナの他に、ハーフサイズの6フィート(2t)コンテナを独自で用意しているので、引っ越し荷物量の調整がしやすいのが特徴です。
この「12フィートコンテナ1つ」+「6フィートコンテナ1つ」で、ちょうど3~5人家族分の引っ越し荷物が積める標準的な大きさ=4tトラック相当になります。
中小引っ越し業者
中小引っ越し業者でも、コンテナ便を提供している引っ越し業者はいくつかあり、
カルガモ引越センターの「全国引越しプラン」
一つ目に紹介するのは、引越し専門業者のカルガモ引越センターで、40年の実績を誇る会社です。
カルガモ引越センターの場合、JRの貨物列車(コンテナ便)や航空便を上手に組み合わせることで、
例えば、東京→大阪への、家族引っ越しが81,600円~と、通常料金の30%~50%OFFで、お得な価格での引っ越しを提供しています。
ファミリア引越センターの「エコ・コンテナ便」
2つ目に紹介するのは、神奈川県にあるファミリア引越センターで、創業1990年もうすぐ創業30年を迎える、神奈川県を中心とし全国への引っ越しに対応している会社です。
この会社でも、コンテナ便を利用することで、長距離引越しを安く提供しています。
東京→札幌までの3トン分の家財を運んだ場合で、ファミリアトラック便では32万円、対して「ファミリア・エコ・コンテナ便」では18万円になるという例が掲載されています。約45%OFF
各社のコンテナ便、引っ越し料金まとめ
中距離から長距離の引っ越しの場合は、是非、コンテナ便の利用を検討してみて下さい。特に繁忙期であれば、普通のトラックを使うプランを利用するよりも30%~50%OFFの料金で引っ越しすることが可能です。
長距離引っ越しを計画したら、即、引越業者に見積もりを取って確認してみて下さい。
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沖縄や離島への引っ越しにコンテナ便は使えるか?

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JR貨物の引越しサービスでは、橋や海底トンネルで事実上陸地が繋がっている北海道、本州、四国、九州など全国広い範囲で利用できますが、
同じ東京都でも八丈島や、また、沖縄本島など、他の陸地からかなり離れている地域へは、船もしくは飛行機を使わなければ、海を渡ることはできません。
そのため、このような海を隔てた地域への引っ越しは、「船便」をメインにした引っ越しとなるため、船便が利用できる「引っ越し会社」を選ぶことが大事です。また、船便を利用した引っ越しに慣れている会社では、船便に適した頑丈な梱包を施してくれるので、より安心です。
引っ越しする場所にもよりますが、長距離のフェリー航路が出来ている場合、
例えば、東京から沖縄へは、マルエーフェリーの「琉球エキスプレス」が運航しています。これを利用するとほぼ50時間(丸2日以上)を掛けて、引っ越し荷物を移動することになります。
また、大手引っ越し業者の中では、日通が自社で船を持っているので、船便による引っ越しを請け負ってくれます。
船便による引っ越しについては、別途『引越業者の様々な引っ越しプラン、離島引越し編(コンテナ便その2)』の方で詳細に解説しています。是非合わせてご覧ください。
コンテナ便を利用する際の注意点
荷物の積み替え作業が多いため、破損のリスクに備える必要がある
貨物駅でのコンテナ積み替え作業及び、引っ越し業者のトラックからコンテナへの荷物積み替え作業が発生するので、荷物を動かす回数が多ければ多いほど、破損のリスクは高くなります。
その為、損害賠償保険への加入がされているか必ず確認して下さい。
真夏で気温が高い又は梅雨で湿度が高い時期は注意が必要

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コンテナ本体は鉄製で出来ている為、真夏の太陽で長時間日差しを浴びると、コンテナ内部はかなりの高温になります。また、密閉度も高いため、湿度の高い梅雨時期などは結露しやすくなります。
その為、パソコンなどの精密機器を輸送したり、食品や調味料などを運搬する際には、十分注意が必要でしょう。
コンテナの種類によっては、換気出来るものやエアコン付きのコンテナもあるようです。
最後に
中距離から長距離の引越しで、かつ荷物が多い場合は、コンテナ便を利用するのが引っ越し料金を安くする鉄則です。
但し、引っ越し時期や旧居新居の住所により、トラック便を利用した方が安い場合もあるので、必ず一括見積もりを利用して、トラック便との料金比較が重要です。
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