以前からお伝えしている、引っ越しをお得にするための、各引越業者が提供する様々なプラン。
さて、今まで陸上の鉄道を利用したコンテナ便、海上の船を利用したコンテナ便と来たら、次はもちろん、空の飛行機を使ったコンテナ(航空貨物)便ということになります。
今回の第6回目は、「引越業者の様々な引っ越しプラン、航空貨物便編」と題して、空を飛ぶ飛行機を使ったコンテナ(航空貨物)便について紹介します。
気になる料金や、輸送日数、取扱業者はどうなんでしょうか?
本記事では、日本国内の引越しで利用する場合の「航空貨物便一般」の使い方について解説しています。
航空貨物便と引っ越し
他の運送方法との違いは圧倒的速さ

Bergadder / Pixabay
さて、これまで、何回かに分けお伝えした鉄道、船を使ったコンテナ便は、速さを犠牲にする代わりに、比較的安く引っ越しが出来るというものでした。
今回紹介する「航空貨物便」は、その対極、とにかく速く引っ越ししたいというニーズに合うものです。
ご存知の通り、日本国内であれば、東京を起点にすると大都市であれば全国のほとんどの都市(最も遠いのが東京⇔那覇)に、3時間以内で到達することが出来ます。
北の北海道札幌(千歳)から南の沖縄那覇市へ向かっても、4時間あれば行けてしまいます。
このように「航空貨物便」を利用すれば、日本全国飛行場のある所なら、半日もあれば十分荷物を運ぶことが出来てしまうのです。このようなことは他の輸送手段では実現不可能です。
航空便は高い?それは昔の話。
確かに、他の鉄道や船を利用した場合に比べたら、料金は高いでしょう。
しかし、最近では早期申し込みや、季節や曜日、時間帯等により様々な割引が導入されたりと、飛行機の利用もかなり身近になってきています。
今では、各地の農産物などを鮮度の高いうちに早く運ぶために、飛行機による「航空貨物便」が利用されることも増えています。
国内の航空貨物輸送量は、年々右肩上がりで上昇をしています。これからも増々増えていくことでしょう。
航空便を利用する場合の引っ越し費用はいくら?

Free-Photos / Pixabay
航空便を利用する場合の費用内訳は、次の通りとなります。
そして、先ほど紹介したように様々な割引があるので、ここで一部紹介しておきましょう。
1.引越貨物割引運賃:
航空会社が引越し荷物と認めたものは、一般貨物運賃の30%引きとなる。但し条件として、250㎏以上の引越貨物で、かつ出発予定時刻が午前11時から午後4時までの間の便を対象に、当日空港事務所で受託されたものに適用されます。
2.ホリデー割:
日曜日、祝日、振替休日において、当日空港事務所で受託されたものに適用され、一般貨物運賃の10%引きとなる。但し条件として、40㎏を超える一般貨物運賃適用貨物となっています。
こんな「引越貨物割引運賃」があるって知ってました?
試しに、料金の算出シミュレーションをしてみます。
【条件1】は、日通で「単身パックL」と呼ばれる荷物量「荷物カーゴのサイズ」横幅108㎝×奥行き104㎝×高さ(縦)175㎝で計算。また一人暮らしの方が利用する、赤帽の車に乗る最大積載量が350㎏なので、引っ越し荷物の重量は350㎏と想定。
東京羽田から沖縄那覇まで、引越し繁忙期の3月15日に航空輸送する場合を想定します。
この条件を、国内貨物運賃シミュレーターに入力すると、

上記のように算出出来ました。長距離をしかも最も速く輸送できる割に、単身引越しの荷物量で約12万円、そんなには高くないですよね。しかも、このシミュレーション料金は、先ほど紹介した「引越貨物割引運賃」を適用していない状態(選択をチェックできる箇所が無かった為)なので、ここから30%引きになると、約8万1000円になります。
この部分が、航空運賃分になるわけです。
この価格に、引っ越し業者による飛行場までの(からの)運送料や取扱料金が乗った額が、航空便を利用した場合の、引っ越し料金総額となるわけです。
さらに、
【条件2】として、以前に紹介した鉄道によるコンテナ便で使用するJR貨物のコンテナ1個に入る荷物量は、横幅227㎝×長さ364㎝×高さ225㎝「4畳半の部屋一杯分(通常2人家族分)」なので、
そして荷物の重さは、単身の場合350㎏の倍、700㎏として計算してみます。
同じように東京羽田から沖縄那覇まで、引越し繁忙期の3月15日に航空輸送する場合を想定します。
この条件を、国内貨物運賃シミュレーターに入力すると、
なんと、

え!海外引越し出来ちゃうんじゃないのという値段が出ました。
同条件で、重量だけ350㎏にしても値段が一緒だったので、多くの容積を占有していることで、高額の料金が出たんだと思います。
例えばこれを、
【条件3】としてサイズを若干小さく、横幅200㎝×長さ300㎝×高さ200㎝に変更しただけで、ここまで値段が下がりました。

後で知ったことですが、航空機の場合、最大で積める荷物サイズは、パレットを使った場合でも横幅224㎝×長さ318㎝×高さ163㎝が最大値(ボーイングB777、787の場合)、だったんです。
UMA(M-1)と呼ばれる最大サイズのコンテナは横幅224㎝×長さ318㎝×高さ244㎝で、ボーイングB767F(貨物専用機)のみで搭載可能となっています。それ以外では、高さは163㎝までです。
ANA Cargo ULD・機体情報-ULD(国内線):PALLET
これを前提に、もう少しサイズを小さくして、このパレットに収まるように、
【条件4】横幅200㎝×長さ300㎝×高さ150㎝(【条件3】のシミュレーションから変わったのはここの高さが200→150になっただけ)にすると、

高さをたった50㎝下げて、汎用性の有るサイズに合わせただけで約12万円も安くなりました。ここまでのシミュレーションで重量の700㎏は全く変わっていないことに注目してください。
この値段から、さらに、引越貨物割引運賃で30%引きになると、254,100円まで下がります。どうですか、ここまで下がると、船を使ったコンテナ便より少し高いぐらいではないですか?
是非、船のコンテナ便と比較してみて下さい。
船のコンテナ便を使った引っ越しについては、
引越業者の様々な引っ越しプラン、離島引越し編(コンテナ便その2)をご覧ください。
同様の貨物運賃シミュレーションは、JAL CARGOでも可能です。
注意事項:航空貨物と一緒の飛行機で移動できるとは限りません
貨物専用の飛行機で引っ越し荷物を運ぶ場合、当然、貨物専用機に人は乗ることはできません。そうでない、通常の旅客便に引っ越し荷物が搭載される場合はその限りではありません。
あなたが搭乗する飛行機とは別々になってしまいますが、仕方ありません。
航空便取り扱い引っ越し業者
航空便を取り扱っている引越業者は少なく、いくつかしかありません。もし今度発見したら随時追加していきます。

MK817 / Pixabay
ハトのマークの引越しセンター「小鳩スカイパック」
少量の荷物を航空機を使って遠距離輸送します。
料金についての情報はホームページに一切掲載されていませんでした。見積もり時に要確認です。
鹿児島海陸運送株式会社「航空便による引越」
前回も紹介した海運業者ですが、航空便による引越しも可能です。
詳細は書かれていませんが、やはり単身や学生など荷物が少ない方向けのプランとなっているようです。
引越のプロロ「超速1DAY便」
関東から関西・九州など長距離引越を安くが得意な会社がプロロです。
航空機を組み合わせた引っ越し便を提供している珍しい会社です。午前10時までに荷物を積み込むと、その日の夕方までには、引っ越し先へ荷物搬入が可能です。
但し、対応しているエリアが以下の通り限られているので、注意してください。
東京23区⇔札幌市近郊、福岡市内近郊、大阪近郊
札幌市近郊⇔福岡市内近郊、大阪近郊
大阪近郊⇔福岡市内近郊
注:上記は矢印逆方向も当然可能です。
SGホールディングス「飛脚航空便またはラージサイズ航空便」
佐川急便の引越しを担当している部門がSGムービングですが、SGムービングの方では、特にプランとして航空便の取り扱いについては書かれていません。
しかし、佐川の運送部門「SGホールディングス」では、3辺合計が160㎝を超え260㎝以内の荷物、又は50㎏までの荷物、複数個口の場合は、「飛脚ラージサイズ航空便」が利用できます。
それ以下の3辺合計が160㎝以内、重量30㎏以内の荷物は通常の「飛脚航空便」で送ることが出来ます。
すぐに必要な引越し荷物を、少しだけとにかく速く送りたい場合は、この「飛脚航空便」を利用してもいいでしょう。後の急がない荷物は、通常のトラック便やコンテナ便を利用して、料金を抑える方法もアリです。
料金表は以下リンクを参考にして下さい。
SgH SAGAWA 関東発 飛脚航空便・飛脚ジャストタイム便(翌日中配達)
航空便による長距離引越しを安くするコツ
航空便で運ぶ荷物をしっかり厳選する
先のANA Cargoのところで解説したように、航空機の貨物スペースは意外に小さいです。
その為、引っ越し荷物を選定する際は、注意が必要です。
とにかく高さが出ないようにするのがコツです。背の高い棚はまだしも背の高い冷蔵庫は横にして運搬できないのでNGです。できれば高さ160㎝以下ぐらいの2ドアまでが望ましいです。そうすると、一般的な汎用サイズのコンテナもしくはパレットの高さ163㎝までに収まります。
あとは、いかに最小限まで荷物を少なくするか、ミニマリストになるかこれに限ります。
荷物を少なくする方法については、
『ミニマリストになるには、まずテレビを捨てることから始めよう!』
『ミニマリストはベッドが嫌い?あなたはベッド派それとも布団派』
『ミニマリストにソファは必要か?ソファーの運搬や引っ越しは大変』
などで詳しく紹介しています。
航空便と他の引っ越しプランを上手に組み合わせる
航空便を使ってまで急いで運びたい引っ越し荷物って何ですか?
引っ越し先でも、到着したその日から使いたいものだけ厳選して、それだけ航空便を利用して先に送り、到着が数日後でも問題ない残りの荷物は、普通のトラック便やコンテナ便を利用して、後から到着するように、航空便と他のプランを組み合わせると、上手にお得に引っ越しが出来るはずです。
引越業者任せにするのではなく、あなた自身でもプランの組み合わせをよく考えてみましょう。
あなたが飛行機に乗る時に、航空手荷物を活用する

auntmasako / Pixabay
航空便を利用して引っ越しするぐらいですから、あなた自身も飛行機で移動することでしょう。
その場合は、航空手荷物として、普通席なら20㎏(プレミアムクラスは40㎏)まで、3辺の合計が203㎝以内であれば、個数制限なしで、無料で預け荷物として預かってもらえます。(ANAの場合。)
⇒3辺の合計が203㎝以内と言うと、
普通引っ越しで使うダンボールMサイズでも3辺の合計は120㎝~135㎝と全然問題なく、宅配で使うダンボール大は140サイズと呼ばれ、3辺の合計は140㎝以内です。
また、市販の衣装ケース(1段の製品)は、
厚めの商品でも、幅40㎝×奥行き65㎝×高さ30㎝であれば、3辺の合計は135㎝にしかなりません。
さらには、3段収納ボックス、
これも例えば、幅37㎝×奥行き70㎝×高さ63㎝の製品なら、合計はこれでもまだ170㎝です。
液晶テレビは40インチの画面サイズは高さ49.8㎝×幅88.5㎝×厚みは25㎝もあれば厚い方なので、それに画面の枠分を足しても165プラス5㎝×4辺で185㎝。これにグルグル巻きにプチプチ等の緩衝材を巻いても15㎝以上も増えることは無いでしょう。また重量は15㎏~20㎏程度と軽いので問題無し。
なので、よっぽど大きい液晶テレビでなければ、飛行機で運べるはずです。
3辺の合計が203㎝以内って、かなり大きいものまで、載せられますよ。
すると、ダンボール、衣装ケースなら事実上無制限に積め、飛行機でタダで引っ越し出来てしまう?わけにはいかないはずです。
さすがに、一人の荷物が20個も30個も常識的な数を超えるとストップが掛かると思いますが、建前上は問題なしとなっています。⇒よく読んだら小さい字でお一人様合計100㎏までと書いてありました。
詳細は、ANA「無料でお預かりする重さ・サイズ・個数[国内線]
サイズが大きく、3辺の合計が203㎝を超えた場合でも、飛行機の機種毎の貨物室に搭載可能な場合は、預かってもらえる場合もあります。
飛行機の「航空手荷物」、上手に活用してみてはいかがでしょうか?
最後に
長距離の引っ越しを即日完了したいのならば、航空便を利用する以外に有りません。そして思ったほど異常に高い値段ではないことが分かって頂けたと思います。
他の引っ越しプラン(コンテナ便)などと組み合わせて、航空便利用も検討してみて下さい。
こちらの記事もあわせてどうぞ。





