10トントラックを使った引っ越しには要注意!

引越業者
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前回は、「引っ越しトラックどのぐらいの荷物が積めるのか?各サイズの比較と積載例」と題して、軽トラックから4tトラックまでの各サイズおよび、積載できる荷物量の目安などについて紹介しました。

さて、前回は4tトラックまでしか紹介しませんでした。しかし、これにはきちんとした理由があったからなのです。

今回は、「10トントラックを使った引っ越しには要注意!」と題して、何が要注意なのか、その理由などについて、お伝えしていきます。

引っ越しで使うにはあまりにも大きすぎる10トントラック

10トントラックの荷室サイズ

10トントラックは、通称「大型トラック(大型貨物)」などと呼ばれています。ちなみに前回紹介した4トントラックは「中型トラック(中型貨物)」、2トン、3トントラックは「小型トラック(小型貨物)」に分類されます。

道路運送車両法の規定によれば、大型トラックは、全長12m以内、全幅2.5m以内、全高3.8m以内、最大積載量6500㎏(6.5t)以上、車両総重量11000㎏(11t)以上となっています。

そのため、一口に大型トラックと言っても、最大積載量6.5t以上あるものもあれば、10t以上も積める物まで様々です。

その為、一般的に「10トントラック」と言った場合、最大積載量が9t~11t程度の車輛を指します。

トラックメーカー各社により若干サイズが異なっていますが、10トントラックの荷室のサイズ(日野・プロフィアを例に取ると)は、横幅2.39m、奥行き(長さ方向)9.3m、高さ2.67mです。車輛総重量は20t、最大積載量は10.7tです。

畳1畳が1.82m×0.91mなので、荷室の床面積では、畳約13.4畳分に相当するので、約8畳サイズの4tトラックの1.67倍になります。しかも、4t車と違って、高さ方向も約30㎝も高くなっているのですから、そこにさらに一段分ぐらいダンボールを多く詰めるわけです。

そうすると、4t車に比べて実質積める荷物量は、約1.88倍にもなります。

積載例はあえてここで書きません。普通の4~5人家族が4tトラックでほとんど引っ越し可能なわけで、その約1.9倍(ほぼ2倍)も積めればもう十分でしょう。この10tトラックで積めない人の引っ越し荷物って、もうどんだけ~って感じです。

しいて言うなら、本を超大量に保管している家とか、それこそ人数が倍の大家族か、2世帯分の引っ越しをいっぺんに行うときぐらいでしょう。

ですから、普通の一般的な家族向けに10t車を日頃から用意しておくと、ほとんど出番がなく、車両倉庫に眠ったままの状態になってしまう(稼働率が著しく低くなってしまう)わけです。

そのため、引越業者でも自社で10tトラックを持っている業者は非常に少ないため、10tトラックを持っている関連運送会社や全く別の運送会社から借りてくることになります。

もしあなたが10tトラックで引っ越しすることがあったら、その時はトラックの側面などに引っ越し会社の図柄があるかコーポレートカラーで塗られているか確認してみて下さい。多分、それはほとんどなく、どっかからの借り物でしょう。

10トントラックは通行できる道路の制限を受ける

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大型貨物自動車等通行止め

よくある道路標識で、「トラックの絵」が描いてある以下のようなものです。

この標識がある場合は、大型貨物自動車は通行することが禁止されています。「大型貨物自動車等通行止め」は長いので、通称では略して「大禁(だいきん)」と呼ばれます。

なお、この「大禁(だいきん)」はトラックの分類上の区分ではなく、法制上の区分「最大積載量5t以上または車両総重量8t以上の車両」から適用されるので、10tトラックに限った話ではありません。

10トントラックのサイズと道路幅

広い幹線道路を移動するだけなら、10tトラックでも全然問題無いでしょう。しかし、マンション含め、住宅というのは、ほとんどの場合、主要な道路から少し入ったところにあるものです。

現在の建築基準法(昭和25年制定)では、幅4m以上の道路に面していなければ、家やマンションを建てることはできません。

この4m以上の幅の道路とは、下の絵の「真ん中」に有る『車(乗用車)がギリギリすれ違える』のが、まさにこれです。

これはなぜかというと、もしもの場合に、救急車や消防車が来てくれなかったら困りますよね。だから、車1台の幅を2mとして、車2台分の4m以上を必ず確保するようにという決まりになったんです。

また、住宅地などで区画道路と呼ばれるところでは、道路幅は6m以上とすることが決められています。

参照:アート引越センターーアートの車輛

さて、絵左にもある通り、車が余裕ですれ違える補助幹線道路などでは、車線幅は3mとなっていて、路側帯を含めると最低8m必要(地域により9m以上の場合も有)になっています。

しかし、大型トラック(10t車など)の場合、荷台幅は2.4mほどですが、ここからサイドミラー分などが飛び出すと、実際の車自体の幅は、3.5m近くにもなります。

そのため、補助幹線道路でさえも、車線幅3mには収まりません。

また、これはあくまで直線道路での話、途中にカーブなどがあると、大型トラックでは内輪差も大きく、カーブを曲がる時に必要な道路幅は、6m以上にもなります。

ましてや直角に曲がる交差点など有ったら、なおさらです。

その為、幅4mの道路や、区画道路6m幅など、

そもそもこのような大型トラックが通行するのが困難な道路には、初めから「大型貨物自動車等通行止め」略称「大禁(だいきん)」の道路標識が道の入り口に掲げられているわけです。

旧居もしくは新居まで、まだ距離があるのに、もし、これ以上10tトラックが入っていけないとなったら、そこから、小型の2tロング車等に積み替えるか、台車などに乗せて、目的の家までピストン輸送することになってしまうのです。

これは非常に非効率的です。

このような引っ越し作業をしていると、荷物の積み込み作業だけでも半日から1日掛かってしまうこともザラです。

また、何回も荷物の積み替えを行うと、その回数分、荷物破損のリスクが高くなることは、コンテナ便と同様です。

10トントラックを道路に駐車させる場合

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引っ越し作業を行うと通常の引っ越しでも、最低1~2時間荷物の搬出搬入に時間が掛かります。ましてや10tトラックサイズの荷物量ともなると...

そんなに長時間(半日とか)、10tトラックを停めておくと、大型トラックが通れるほど広い道ですから、交通量もそれなりに多く、渋滞を発生させる原因となってしまいます。

その為、事前に警察署に道路使用許可申請を出しておく必要があったり、場合によっては、交通誘導員を配置させなければならなくなります。

最後に(まとめ)

以上、ここまで説明してきたような、使い勝手の悪い様々な理由から、引っ越しにおいて、4t以上のトラック(6t車や10t車)が使われることは、ほとんどありません。

大手の引越業者でも、不便を避けるため、10tトラック相当の荷物がある場合は、4tトラックを2台手配したりするのが普通です。

ところが一方では、引越業者が自社で持っている4tトラック、さらには繁忙期限定で借りてきたレンタカーの4tトラックも手一杯で、お客を捌ききれない場合は、

あえて普通の物流業で主流の10tトラックを下請け運送業者などから借りてきて、あなたの引っ越しにあてがう場合もあるのです。

よっぽどの長距離(東京→大阪以上)を大荷物を携えて引っ越しをしなければならないとき以外、10tトラックを利用するメリットはないでしょう。

これと同じ理屈は「混載便」や「コンテナ便」を利用する時に発揮されます。

そうでない100㎞未満の引っ越しなどで、引越業者から10tトラックを提案されたときは、何か裏事情があると思っておいた方がいいでしょう。

繁忙期における大荷物の引っ越しで、引越し見積もり料金が、相場よりかなり下がる時は特に。

最悪の場合、引っ越し業者の人は一人で、後は引っ越し作業に不慣れな運送業者の人や、かき集めのバイトであることもあり得ます。

このようなことから、一般的には、10トントラックでの引っ越しはおすすめしません。

についてです。

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