同じマンションや敷地内で引っ越しする場合は?引越費用と手続き

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例えば、自分の土地の同じ敷地内に一戸建てを新築したから引っ越ししたいとか、同じマンションの中でも、階数や場所により眺望や間取りが異なる為引っ越ししたい、というような要望がある方は、意外と多いと思います。

そうした要望のある方たちの為に、今回は、同じ敷地内、同じマンション内で引っ越ししたい場合、どうするの?

やはり引っ越し業者を頼まないといけないのか、その場合の費用相場は?不動産業者との契約手続きや引っ越しの住所変更手続きがどうなるかなどについて、お話しします。

同じマンションや同じ敷地内で引っ越しする場合

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同じマンション内で引っ越しする場合のメリット

①.同じマンション内であれば、スーパーや学校など周辺の生活環境はそのままに、間取りが広くなったり、階数が変わることで眺望が良くなったりします。

②.引越業者に引っ越しを依頼した場合、多少引っ越し費用が掛かりますが、ある程度の距離を移動する普通の引っ越しとは違うため、引っ越し費用が高額になることはまずありません。

その理由としては、

同じマンション内であればトラックを使う必要が無い為、トラックのチャーター代がかからないことが一番大きな理由です。
但し、同じマンション敷地内でも棟が変わる場合には、トラックを使うこともあるので、そうなると通常の「近距離(5㎞以内)への引っ越し」とほとんど変わらなくなってしまいます。

③.冷蔵庫や洗濯機、ベッドなど大きな物以外のダンボールなどは、台車を使えば自分たちで運ぶことも可能でしょう。

すると、事前にある程度、自分たちで荷物の運び出しを済ますことが出来るので、

大物の家具家電だけ引っ越し業者に依頼することで、さらに費用を安くすることが可能です。

同じマンション内で引っ越しする場合のデメリット

①.同じマンション内での引越し(移動)でも、引っ越し(転居)であることに変わりはありません。

役所等での住所変更手続き、各方面への引越し関連手続きをしなければならない点は、他の引っ越しと一緒で、手間は掛かります。

②.引っ越しするからには、ある程度の荷造りは必要で、これも手間は普通の引っ越しとほとんど変わりません。

③.同じマンション内といえども、違う部屋に移るわけです。

すると、

敷金・礼金など手続きに掛かる費用は、通常の賃貸契約同様必要となり、契約し直さなければなりません。

同じマンション内で引っ越しする場合の物件契約や住所変更手続き

住む部屋がただちょっと移動するといった簡単な話ではありません。

同じマンション内と言っても、物件の契約としては通常と同じく、『旧居を解約して、新居を新たに契約する』という形になります。

その為、通常の引っ越しと同様の賃貸契約手続きが必要となり、敷金・礼金など初期費用も掛かるのが原則です。

但し、同じマンション内での引っ越しの場合、中には同じ大家さん(所有者)であることから、礼金などが免除されたりすることも可能性としてはありますので、その辺の初期費用の部分については、ダメもとで大家さんや不動産業者と要相談でしょう。

一部特殊な例として、部屋に水漏れや大規模な不具合が発生して、大家さんや不動産業者の方から、修理するため違う部屋に移って欲しいと言われた場合は、その限りではありません。

自分の家の敷地内に、家を新築した場合の住所変更手続き

田舎などで土地が広く、自分の家(親所有)の敷地内に、新婚夫婦の為に家を新築して、新たに家を増やしたような場合が該当します。

このような時も、旧居(親所有)の家から、新築の新居(新婚夫婦の家)に引っ越しをすることになります。

自分の土地内で引越し(移転)した場合でも、住所地(番地)は変わるので、役所や銀行等へ行って住所変更手続きが必要になります。

役所への住所変更手続きについては、住居表示が未実施の町か実施済みの町かで対応が変わってきます。

大阪府堺市では、

住居表示未実施の町では、地番をそのまま住所として使用してください。
住居表示実施済の町では、住居番号を決める届出が必要です。建物がある区役所の市民課にて届け出てください。

と記載されていますので、あなたがお住いの各市区町村の役所の市民課や住民課などに問い合わせるといいでしょう。

参考:堺市よくあるお問い合わせ(住民票・戸籍・住居表示など)「家を新築したのですが、住居表示が分かりません。」

引越し費用の料金相場はいくらぐらい?

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気になる料金相場(目安)ですが、いくらぐらいになるでしょうか?

一人暮らしの荷物量の場合で、作業員2名、2~3時間作業で1万円~1万5千円ぐらい、

二人暮らしの荷物量の場合は、作業員3名、4時間作業で1万5千円~2万5千円ぐらい

4~5人家族の荷物量で、作業員4名、4時間作業で2万5千円~3万5千円ぐらいです。

但し、上記の料金は繁忙期でない、通常期でオプション不要の場合。

同じマンション内や同一敷地内の引越しでも、こんな場合は要注意

上記で、おおよその料金相場をお伝えしましたが、以下のような場合は、追加料金が掛かる場合があるので注意が必要です。

エレベーターが無い場合

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エレベーターがあるマンションでは、大きな冷蔵庫なども台車に乗せて運べるので、引っ越し作業の負担としては、さほど大きくはありません。

しかし、エレベーターが無い場合だと、大きな荷物や重い荷物も、階段を使って、上げ下ろしをしなくてはいけません。

すると、引っ越しスタッフを増員する必要が出たり、割増料金が掛かったりして、引っ越し料金が高くなるのは仕方ありません。

また、特に注意しなければならないのは一戸建ての場合です。

一戸建てでは、荷物を2階以上に運び上げる時は、普通は階段を使って運び上げることになります。

しかし、一般的には、階段の幅は数種類のサイズで決まっている為、この階段幅より広い家具や家電は階段を通れず、2階以上に運び上げることが出来ません。

その場合には、手吊りと呼ばれる人力による「外からの吊り上げ」やクレーンを使った搬出搬入作業が必要となる場合もあるので、階段幅の確認は重要です。

詳細は別記事『冷蔵庫や洗濯機を2階以上に搬入したい場合、引っ越し業者や料金相場は?』の方で詳しく解説しています。

クレーンを使って搬出搬入する家具などが有る場合

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玄関から搬出搬入出来なかったりするほど大きな家具家電、例えばピアノや500~600Lもある超大型の冷蔵庫、キングサイズのベッドなどがあり、クレーンを使って、ベランダや窓から搬出搬入しなければならないような場合は、当然クレーン使用料金が掛かります。

クレーンを利用すると、クレーン作業基本料金だけで3~4万円、そして階が1階上がるごとにプラス1万円などの追加料金が掛かる場合がほとんどです。

10階以上の高層マンションなどでは、同じマンション内の引っ越しでも、思わぬところで、すごい金額が掛かってしまうので、よく考えて引っ越しする必要があります。

詳細は別記事『冷蔵庫や洗濯機を2階以上に搬入したい場合、引っ越し業者や料金相場は?』の方で詳しく解説しています。

同じマンションと言っても、距離が離れた「違う棟」に引っ越しする場合

大規模マンションや公団住宅(UR賃貸)等では、広い敷地面積に、数棟の建物が点在しています。

このような場合、台車で移動できるほど近い距離なら問題ないですが、トラックを使う必要があるほど旧居・新居の建物が離れている場合は、普通の引っ越しと同様に、トラックのチャーター料金が掛かるので、同じマンション内と言えども、そんなに引っ越し料金が安くなることはありません。

UR賃貸についてはこちらの記事を参照ください。

賃貸物件に引っ越しする時、UR賃貸住宅を選ぶという選択

同じマンション内での引っ越し時に注意すること

引っ越し作業の流れが通常とは違う

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通常の引っ越しの場合、作業の流れは、

①旧居での荷物搬出・積載完了⇒②新居へ向けて移動⇒③新居へ到着

⇒④新居での荷物搬入・作業完了⇒⑤引っ越し作業終了

となりますが、

同じマンション内の引っ越しでは、作業を同時並行で進めることで、作業時間の短縮を図ることが出来ます。そのため、引越業者のほうでは、

例えば、

作業員Aが旧居から荷物の搬出作業(玄関口まで)

作業員BとCが旧居(玄関口)から新居(玄関口)までの荷物運搬

作業員Dが新居玄関口から室内までの荷物搬入作業

といったように分担して作業する場合も有り、

旧居と新居の引っ越し作業が同時並行で行われていくのが、通常の引っ越し時と違います。
・その為、旧居、新居それぞれに人を配置し、作業指示を行う必要も出てきます。

引っ越し業者のスタッフに全て任せてもいいのですが、荷物や物件への損傷、荷物の紛失なども無いか確認する必要もあり、できれば、家族と分担を決めて、旧居、新居の引越し作業を同時に進められるようにしたいものです。

これが出来ない場合は、通常の引っ越し同様、旧居の全ての荷物搬出終了後、新居への荷物搬入開始となるので、時間が掛かって料金も高くなる可能性はあります。

この辺については、引っ越し業者と事前に進め方を相談しておく必要があります。

同じマンションの場合は、部屋は広くなっても玄関サイズは一緒という盲点

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同じマンション内で引越したいと思った理由に、周辺の生活環境は変えたくないけど、子供も大きくなってきたし、間取りを広くしたいと思って引っ越す場合もあるでしょう。

当然、同じマンション内と言っても、スタジオタイプの単身向けの部屋から、新婚さん向けの2LDKサイズや、4~5人家族向けの3LDKの部屋、最上階のフロアには限られた数戸のペントハウスしかないような場合もあります。

しかし、家賃も超高額なペントハウスを除くと、その他の間取りでは、玄関の扉のサイズは全部共通なんてことも普通です。

こんな時、間取りが広くなるのだからと言って、家族用の大容量冷蔵庫(幅広タイプ)などを購入したり、大きなベッドを入れようとしても、玄関から搬入出来ない場合も発生します。

そうなってしまうと、先に述べたクレーンの登場となってしまい、高額な作業費用が掛かってしまいます。

家具サイズと玄関サイズの確認は必須です。

部屋が広くなる=玄関扉の幅も広くなるではありません
ので、十分注意して下さい。

この件、玄関から冷蔵庫などの搬入が出来ない場合の対処法や事前確認の必要性については、以下記事で詳しく解説しています。

最後に(まとめ)

ここまで、色々と、同じマンション内での引っ越しのメリット・デメリット・契約手続きなどについて、説明してきました。

基本的には、物件の契約手続きや役所等への住所変更手続きはする必要もあり、また同じ建物内だからと言って、敷金礼金などが免除されるものではなく、普通に違う物件に引っ越すのとほとんど変わりません。

メリットとしては、生活環境がほとんど変わらないことと、引っ越し料金が若干安く済ませられることぐらいでしょうか?

そこまでして、同じマンション内で引っ越しする必要があるかは一度よく考えた方がいいでしょう。

引越し準備(荷造りなど)に掛かる手間や住所変更などの手続きは、通常の引っ越しとほとんど変わらないので、

どうせ引っ越しをするなら、全く違う環境に引っ越ししてガラッと気分を変えた方が、私個人は、わざわざ「引っ越しをする」という行為の費用対効果(お金だけでなく手間などの時間も含めて)が良いと思いますが、いかがでしょうか?

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