3月引っ越しシーズン到来。引っ越し準備中のぎっくり腰には要注意!

各作業のコツ・注意点
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それは前触れなく、突然訪れます。グキッと、腰に激痛が走り、その場にうずくまってしまう程の痛み。このように突然訪れることから、西洋ではぎっくり腰のことを「魔女の一撃」と呼ぶそうです。

ちなみに、英語でぎっくり腰は、「strained back(ストレインド・バック)」と言い、動詞のstrain(ストレイン)には主に、緊張する、ピンと張り詰める、歪むなどの意味があり、そこから体を酷使して「痛める、損傷する」などの派生の意味も生まれています。

ぎっくり腰の英語訳も、ぎっくり腰の症状を良く表していますね。

今回は、重い荷物を持つ機会の多い引っ越しにおいて、ぎっくり腰にならない為の予防法と、残念ながら既になってしまい痛みに苦しんでいる方へ、その後の対処法について、お伝えします。

また、今回の記事を読むことで、ぎっくり腰の原因が「重い荷物を持つこと」だけではないことが理解して頂けると思います。

ぎっくり腰になる原因

まずは、なぜ?ぎっくり腰になるのか、そのメカニズムと原因について探っていきましょう。

「ぎっくり腰」という名称は漠然とした言い方ですが、急激に発生する「腰痛」の総称を指して、「ぎっくり腰」と言います。

原因としては、

腰椎の『捻挫(ねんざ)』が一番多く、すなわち腰回り骨盤付近の筋肉や靭帯が損傷して、強烈な痛みが起こります。

中でも、骨盤の仙骨と腸骨からなる仙腸関節にくっ付いている「筋肉や靭帯などの組織の損傷」が最も主な原因となります。

さらに言うと、その「筋肉や靭帯などの組織の損傷」は、骨盤周辺を支えている筋肉の衰えや、日頃の疲労の蓄積、ストレスなどで弱っていたところに、最後に「魔女の一撃=きっかけ」が加わることで、組織の耐力が限界を超え損傷してしまうのです。

また、ぎっくり腰というと、引っ越し作業のような力仕事をしている人がなりがちと思っているかもしれませんが、そうではありません。彼らは、ぎっくり腰や腰痛になるリスクが高い仕事をしているという事を認識し、この後紹介する予防法を実践しています。

むしろ、日々体の筋肉をあまり使わないパソコン作業などのデスクワークをしている人が、最も危険なのです。

デスクワークなどで、「運動不足=筋肉を鍛えていない状態」が続いていると、表層筋(アウターマッスル)が弱り、その肩代わりを深層筋(インナーマッスル)が行うことにより、インナーマッスルに負荷が掛かり疲労が蓄積することで、「ぎっくり腰」になるというケースが多いのです。

日頃デスクワークしかしていない人や、長時間座っていることの多いタクシー運転手やトラックドライバーの方などは、特に要注意です。

ぎっくり腰にならない為の予防法

「ぎっくり腰」になる原因とその症状が「筋肉の損傷」だということが分かったところで、ぎっくり腰にならないための予防法をお伝えします。

予防法その1:運動して筋肉を鍛える

ぎっくり腰が、腰周辺の「筋肉の損傷」だという事は、

1.その腰周辺の筋肉が損傷しにくい、強い筋肉に鍛えてしまう

2.腰周辺だけでなく、背中や太ももなど他の場所の筋肉を鍛え、他の筋肉にも負担を負ってもらい負荷を分散する

という2通りの方法があります。

これらを行えば、ぎっくり腰は起こり難くなるという事が言えます。

その為、日頃の運動や筋トレを通じて、これらの筋肉を鍛える必要があります。

腰周辺の筋肉を鍛える

腰周辺の外側の筋肉には、お腹の横の筋肉「腹斜筋(ふくしゃきん)」、お腹の正面の筋肉「腹直筋(ふくちょくきん)」、

画像引用:Chacott「第9回すべては体幹(コア)にあり!」

そして、インナーマッスルには、大腰筋と腸骨筋の2つを合わせた名称「腸腰筋(ちょうようきん)」があり、

画像引用:All About「腸腰筋とはどこ?腸腰筋エクサで効果的にダイエット」

これらを鍛えるには、サイクルクランチがおすすめです。

サイクルクランチ(腹斜筋・腹直筋・腸腰筋)/体幹トレーニング実践講座

引用:YouTube

腰周辺以外の筋肉その1、背中の筋肉を鍛える

座っている時もそうですが、常に姿勢を安定させるために必要な背中の筋肉、

首下から骨盤付近まで細く上からまっすぐ走っている「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」。

これを鍛えるには、うつ伏せの状態から上体を起こす「バックエクステンション」がおすすめです。ポイントは腰が反らないように腹筋に力を入れてすることです。

脊柱起立筋を鍛えるバックエクステンションのやり方。腰周りの引き締めに効果的

引用:YouTube

腰周辺以外の筋肉その2、肩こりの原因にもなる広背筋を鍛える

背中の筋肉の大部分を占める「広背筋(こうはいきん)」。ここの筋肉は、末端は、腰骨までつながっているので、腰痛にも関係しています。

そして、肩こりの主な原因は、広背筋(青色の部分)のコリにより、肩や首の筋肉を引っ張ってしまうことで起こっています。

画像引用:愛媛リハビリ道場「肩こりの真犯人はココ!広背筋が肩こりの原因になりやすい理由と今すぐ出来るセルフケアの方法を公開。」

「広背筋(こうはいきん)」を鍛えるには、ゴムチューブを使ってするトレーニング「チューブローイング」が効果的です。

チューブローイング/広背筋(背中)/チューブトレーニング

引用:YouTube

腰周辺以外の筋肉その3、太ももの筋肉を鍛える

太もも前側の筋肉「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」や、内ももの筋肉「内転筋群(ないてんきんぐん)」を鍛えるには、

画像引用:skitop.jp「前だけでなく、後ろの筋肉も使いたい」

定番「スクワット」が効果的です。ダンベルが無い場合は、水を入れたペットボトルで代用出来ます。

ワイドスタンス・スクワット(ワイドスクワット)/内転筋群(太もも内側)・大臀筋/筋トレ実践講座

引用:YouTube

予防法その2:ストレッチをして筋肉をほぐし、姿勢を正しくする

座ったまま仕事をする方などは、首が自然と前に出て猫背になりがちです。このような姿勢が長期間続いていると、骨盤も徐々に後方に下がって『姿勢の癖』がついてしまいます。

これを解消するには、次のようなストレッチをしてみましょう。

まず、両足を肩幅より少し広い程度に開いて立ち、その姿勢のまま、腰の横ではなく”後ろ”に両手を当てながら背筋を伸ばし、胸を張るようにして左右の肩甲骨が近づくようにしてみましょう。この時、一緒に骨盤もへそより前に出すように意識すると良いです。

10秒ぐらいかけてゆっくりと伸ばし、無理のないところまでで止めて下さい。

仕事の合間などに職場でも行えますので、是非やってみて下さい。

また自宅に帰った後など、寝る前のストレッチとしては、以下のようなストレッチをすると、翌日にコリを持ち越さず、腰痛緩和に効果があります。

腰痛改善ストレッチ

引用:YouTube

予防法その3:コルセットの装着

本来は、筋肉を鍛えた方が良いのですが、弱い筋肉でも腰に負担を掛けない為には、腰にコルセットを装着し、腰の筋肉の補助をコルセットに手伝ってもらうようにするという方法も有ります。

重量上げの選手が腰を痛めないようにコルセットをしているのは、オリンピックの映像などでよく目にする光景です。

予防法その4:腰を痛めない荷物の持ち方

引越業者のスタッフの方はみんな知っていますし、アルバイトで入った学生も真っ先に教わる、腰を痛めずに重い荷物を持ち上げる方法。

一番イケナイ方法は、腰から90度前に上半身を傾け(前かがみになるように)、背中の筋肉を使って持ち上げようとする方法。

この方法だと、背中だけでなく、腰にも大きな負担が掛かるので、ぎっくり腰になりやすくなります。

正しい方法は、

片膝を地面につけ腰を落とした状態で、ここがポイント「荷物に体を寄せて」、

荷物を自分の方に引き寄せるようにして、太ももの筋肉を使うようにしてスッと立ち上がると、腰への負担が少なく、荷物を持ち上げることが出来ます。

実際の解説動画で確認してみましょう。

正しい荷物の持ち方【ギックリ腰予防の運動】 解説編(重要)

引用:YouTube

動画では、膝をついていませんが、片膝をついてやると前後へのバランスが取りやすいので、後ろにひっくり返ることも無くおすすめです。

ぎっくり腰になった時の対処法

対処法その1:ぎっくり腰になった直後は、まずは安静に!

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ぎっくり腰はなった人でなければ辛さが分からないほど、本当にちょっと動くのも大変なほどです。

その場から動けないほどひどいのなら、思い切ってその場で横向けに寝転がりましょう。この時、腰の痛みが少ない姿勢を取って下さい。

もし仰向けに寝転ぶ場合は、腰の下やひざの下にクッションなどを当て、痛みが少ない姿勢が無理なく取れるように各自で工夫してみて下さい。

まずは、激痛が治まるまで、安静にしておくことが重要です。

対処法その2:湿布での対処法。温熱湿布と冷感湿布どちらが良いの?

激痛が治まって、何かしらの処置が行えるようになってきたら、そこで初めてぎっくり腰への対処を始めましょう。

ぎっくり腰とは、冒頭でも言ったように、「腰の捻挫」です。

すなわち、腰回りの筋肉などの組織が傷つき、炎症を起こしている状態です。

炎症を起こしているのに、温熱湿布をして温めると余計悪化してしまいます。

適切な対処法は、アイスノンや冷感湿布で『患部を冷やすこと』です。腰を痛めてから48時間(2日間)程は、冷やすようにします。

よって、普通の”冷やす”冷感湿布が正解です。

炎症によって、痛みを感じさせる物質「ブラジキニン」が体内で発生し、脳に伝わることで、痛みを感じます。

また、この「ブラジキニン」は熱を加えると活性化する性質を持っています。

以上のようなことと同じ理屈から、

体を温める行為、湯舟に浸かったり、お酒を飲んだりすることは、症状を悪化させてしまうので、避けるようにして下さい。

対処法その3:鎮痛薬での対処

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痛み止めの薬には、非ステロイド性抗炎症薬の「ロキソニン」や「ボルタレン」が良く用いられます。しかし、これらは薬剤師さんに相談しないと購入できません。

その為、

病院や薬局の時間外に、ぎっくり腰になってしまったら、まずは自分で出来る方法、患部を冷やす処置をして安静にして、病院や薬局が開く時間になったら、薬を処方してもらうといいでしょう。

それぞれ特徴が異なるので、使い分けるようにします。

ロキソニン:即効性は有るが、持続性は短い。長期の服用では免疫力を下げたり、胃腸を荒らす原因にもなるので注意が必要。

ボルタレン:即効性は無いが、持続性は長い。子供が服用するとインフルエンザ脳症になることがあるので、子供への投与は避ける。

対処法その4:2~3日したらじっと安静にしているor適度に動く。正しい治療法は?

あまりにも痛みがひどい場合は無理して動く必要はありませんが、多少痛みが治まって来たら、無理のない範囲で立ったり歩ったりして動くようにしましょう。

そうすることで、回復が早くなるという事です。

一昔前は、完全に治るまで安静にしておくという考え方が主流でしたが、最新医学では、多少動けるようになったら、回復を早めるために適度に動くことが推奨されています。

対処法その5:安静にしていられない事情がある人は

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ぎっくり腰なのに、どうしても会社に行かなければならない。何を差し置いても動かなくてはいけないなど緊急の状況にある人は、病院の麻酔科などに行って「神経ブロック注射」というものを打ってもらいましょう。

患部近くの神経伝達をブロックし、痛みを感じなくさせ、また同時に患部修復を早める効果が期待できるため、痛いけどどうしても動かなければならないという方は、病院に行って相談してみるといいでしょう。

注意事項:腰の痛みだけでなく、次の症状が出たら要注意

腰の痛みだけでなく、以下のような症状が出る場合は、ぎっくり腰ではなく、内臓疾患の可能性があります。そのような場合は、必要に応じ病院で受診するか、もしくは緊急性を要する場合は、救急車を呼ぶ必要があるかもしれません。

・体全体が熱く、冷や汗が出る。

・足にしびれが出ている。

・腰の痛みと体の動きが連動していない。または、腰の痛みが和らぐ姿勢が全く無い。

・尿や便に異常が見られる。

最後に

今回のぎっくり腰の原因とその後の対処法。そして、ぎっくり腰にならない為の荷物の持ち上げ方や予防法。いかがでしたでしょうか?

引っ越し当日は、荷物の運搬は引っ越し業者の方にお願いするので、あなた自身が重い荷物を持つことは無いかも知れません。

しかし、引っ越し準備中は、梱包を済ませた本が詰まったダンボールを移動したりと、重い荷物を持つことも多々あるでしょう。

引っ越し準備作業中にぎっくり腰になって、作業が滞って困ってしまうことがないように、今回の内容を是非覚えて活用してみて下さい。

引っ越し準備で大敵なのは、『ケガ』ですから。

についてです。

 

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