海外引越しの準備や手続きについて。【大手-中小引越業者徹底比較編】

費用と見積り
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photo credit: Frans Berkelaar Containership ‘MSC Shuba B’ – Westerschelde – Zeeland via photopin (license)

前回の記事『海外引越しの準備や手続きについて。【引っ越し荷物仕分け編】』を読んだ方は、海外引越しにおける必要な荷物や、輸送方法ごとの荷物の仕分け方が分かり、やっと荷造りを進められる段階まで来たかと思います。

もし、荷物の仕分け方「海外に持って行くものと【持って行けない物】、日本に置いていくもの、処分するもの」が分かっていない場合は、引越業者を探す前に、上記の記事を読んでから、引越業者探しをするようにして下さい。

海外に運ぶ荷物が大体決まったら、次は引越業者に連絡を取り見積もりをします。さて、どこの引越業者を利用するか迷うと思います。

という事で今回は、海外引越しに強い大手-中小引越業者の徹底比較から、各プランの特徴や料金、引っ越しエリア別おすすめ業者などの紹介をします。

日本に残していく荷物が多くて、荷物の預かりサービスを利用する必要がある場合には、荷物の長期保管に対応している業者を選ぶことも大事になってきます。

海外引越しについての他の回はこちらをご覧下さい。

引っ越し荷物の預かりサービスについては、以下の記事を参考にしてみて下さい。

目次
  1. 引越業者の選定方法(概要)
  2. 海外引越しに対応している業者
    1. 大手引越業者
      1. ・日本通運の海外引越
      2. ・クロネコヤマト(ヤマトグローバルロジスティクスジャパン)の海外引越
      3. ・サカイ引越センターの海外引越し
      4. ・アート引越センター海外のお引越
      5. ・商船三井ロジスティクスの海外引越
      6. ・西濃運輸(西濃シェンカー)の海外引越サービス
      7. ・大手引越業者の海外引越サービスまとめ
    2. 引越し侍などの一括見積もりサービスは利用できないの?
    3. 中小引越業者
      1. ・クラウンライン(CROWN LINE)CL HOLDINGS PTE LTDの海外引越し
      2. ・CMS(Crown Moving Service)の海外引越し
      3. ・ジャパンラゲージエクスプレス(Japan Luggage Express)の海外引越し・国際輸送サービス
      4. ・株式会社ノットグローバル(Knot Global)の貨物輸送サービス
      5. ・PAKMAILの海外引越サービス
      6. ・AGEX(エース・グローバル・エキスプレス)の海外引越し
      7. ・海外引越エース(ACE EXPRESS CO.,LTD)の海外引越
      8. ・DHE(株式会社ダイカン)の海外引越
      9. ・Tmovingの海外引越し
      10. ・Move Japan(ムーヴ・ジャパン株式会社)の海外引越し
      11. ・Japan Move(ジャパンムーブ)の海外引越
      12. ・海外引越しの㈱エコノムーブジャパン
      13. ・東京エキスプレス株式会社TOKYO EXPRESSの海外引越し
      14. ・横浜システムムーバー㈱の海外引越し
      15. ・株式会社国際エキスプレスの海外引越し
      16. ・中小引越業者の海外引越サービス(貨物輸送サービス)まとめ
  3. 引越業者の選定方法まとめ(地域別おすすめ業者)
    1. 東南アジア(タイ・シンガポール・ベトナムなど)
    2. 南アジア(インド・バングラデシュなど)
    3. 中東(UAE・サウジアラビアなど)
    4. アフリカ(エジプト・南アフリカなど)
    5. 北米(アメリカ・カナダ・メキシコ)
    6. 中南米・南米(キューバ・アルゼンチン・ブラジルなど)
    7. ヨーロッパ
    8. 世界のマイナー国
  4. 海外引越し料金相場
    1. 東南アジア(タイ・シンガポール・ベトナムなど)
    2. 中国・韓国・香港
    3. 中東(UAE・サウジアラビアなど)
    4. アフリカ(エジプト・トルコ・南アフリカなど)
    5. 北米(アメリカ・カナダ)
    6. 中南米・南米(キューバ・アルゼンチン・ブラジルなど)
    7. ヨーロッパ(イギリス・ドイツ・フランスなど)
    8. オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)
  5. 免税のための要件
  6. 海外へ輸送する荷物の梱包方法
  7. 通関手続きのための書類準備
  8. 日本に置いていく荷物の処置
  9. 海外へ日本で使っていた自家用車を運搬したい場合
  10. 最後に

引越業者の選定方法(概要)

引越業者に引っ越し費用の見積もりをする前に、

海外への引っ越しを取り扱っている引越業者は、国内引越しを取り扱っている【1000社以上】と比べると、圧倒的に数が限られているという事実をまずは知っておきましょう。
その為、日本国内での引っ越しのように、他社と競合させて、極端に安い費用で請け負ってもらう事はあまり期待出来ません。

このようなことから、海外引越しの料金を安くするには、引っ越し見積もりの大原則、

①荷物を最小限まで減らす。

②出来るだけ繁忙期を避ける。

この2つは必ず実践するようにしましょう。

そして、海外引っ越しする目的先(国・地域)に強い、引越業者を選ぶようにします。 具体的にどこの業者がおすすめかは、順に詳しく紹介していきます。

海外引越しに対応している業者

海外引越が得意な引越業者(または海運業者)には、以下で紹介する引越業者などがありますが、

それぞれの会社でカバーしているエリア(営業所の有る無し、現地引越業者との提携具合)が異なるので、あなたの行先(エリア)に合わせた、引越業者を選ぶのが重要です。

大手引越業者

・日本通運の海外引越

世界中に物流のネットワークを持ち、大型の資材や建設機械、プラント設備、果てはロケットの輸送まで手掛ける、物を運ぶスペシャリスト集団の日本通運です。

そんな日通が手掛ける海外引越しプランは、

①留学生や単身で荷物が少なめの方にお勧めの「留学パック」(特定地域限定)
②5箱から15箱までの「セルフパック・コンビ」(特定地域限定)
③1箱単位から航空便で運べる国際航空輸送プランの「NEX SKY-EX」

以上3つのプランは、全て自分自身で梱包するプランとなっていて、

④「フルパック・スーパー(船便)」
⑤「フルパック・スーパー(航空便)」

の2つは、荷物量に合わせて日通のほうで梱包してもらえるお任せサービスです。

日通では、全5種類のプランの中から自分に合ったプランを選べます。

【対応可能地域】:世界6大陸ということで、概ね世界中。(エリアごとにアイウエオ順に表記しています。)

但し、中近東、アフリカ、中南米のカリブ海諸島地域には、自社の拠点はほとんどありません。記載の無い国や地域については要問合せとのこと。

北米:アメリカ(ハワイ州全島へは米国日通のハワイ支店が対応)、カナダ

中米:メキシコ

南米:チリ、ブラジル

ヨーロッパ:

ア行:アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、

サ行:スイス、スウェーデン、スペイン、

タ行:チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、

ナ行:ノルウェー、

ハ行:ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、

ラ行:ルクセンブルク、ロシア

アジア:ネパール、ブータン、ラオスは対象外

ア行:インド、インドネシア

カ行:韓国、カンボジア

サ行:シンガポール、スリランカ

タ行:タイ、台湾、中国

ハ行:バングラデシュ、フィリピン、ベトナム、香港

マ行:マレーシア、ミャンマー

中近東:アラブ首長国連邦

アフリカ大陸:ケニア、南アフリカ

オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド

画像引用元及びサービスや料金詳細は、日通の海外引越し公式サイト

・クロネコヤマト(ヤマトグローバルロジスティクスジャパン)の海外引越

クロネコヤマトグループの場合、国内向け引っ越しは、「ヤマトホームコンビニエンス」が請け負っていますが、海外向け引っ越しは別のグループ会社「ヤマトグローバルロジスティクスジャパン」と担当会社が異なるので注意して下さい。

なお、「クロネコヤマト」では、『海外生活セミナー』を毎月1回のペースで開催(@ヤマト銀座ビル)していますので、海外生活で分からないことや不安を抱えている場合は、参加されるといいでしょう。

引っ越しに関することだけでなく、メンタルヘルスや海外での危機管理についてまで教えてもらえます。

「ヤマトグローバルロジスティクスジャパン」の提供する引っ越しプランは、

①単身など荷物が少ない方が船便利用でリーズナブルに引っ越しする「海外引越単身プラン」
②1箱単位から航空便で運べる「留学宅急便」

以上2つのプランは、WEBで見積もり・申し込みが可能となっていて、

③荷造り・書類作成もセルフでする「海外引越ベーシックプラン」
④荷ほどき以外のサービスが有る「海外引越スタンダードプラン」
⑤荷造りから荷ほどきまでフルサービスが受けられる「引越らくらく海外パック」

の3つは、事前打ち合わせによる立会い見積もりで費用が判明するプランです。

日通同様、全5種類のプランの中から選べます。

なお、「海外引越スタンダードプラン」以外は、欧州・北米・アジア地域のみでのサービス提供となっています。

【対応可能地域】:アジア、北米、ヨーロッパ

北米:アメリカ、カナダ

中米:メキシコ

ヨーロッパ:日通に比べると限られた国のみ

ア行:イギリス、イタリア、オランダ、

サ行:スペイン

タ行:チェコ、ドイツ

ハ行:ハンガリー、フランス、ベルギー

アジア:カンボジア、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、ブータン、ラオスは対象外(要相談)

ア行:インド、インドネシア、

カ行:韓国

サ行:シンガポール

タ行:タイ、台湾、中国

ハ行:ベトナム、香港

マ行:マレーシア、ミャンマー

【対応『不可能』地域】:中近東、アフリカ大陸、中南米、オセアニア地域

画像引用元及びサービスや料金詳細は、クロネコヤマトの海外引越し「ヤマトグローバルロジスティクスジャパン」公式サイト

・サカイ引越センターの海外引越し

日本国内では、引っ越し市場のシェアトップに君臨する「サカイ引越センター」。

ですが、海外で引っ越しや運輸業を展開しているわけではないので、海外に自社の拠点や社員を抱えているわけではありません。

「サカイ引越センター」では、海外引越しのプランが特に有るわけでは無く、

①「船便コース」
②「航空便コース」

の基本的な2つの海外引越し方法しか提示されていません。

【対応可能地域】:アジア、北米、ヨーロッパ、南米の一部地域のみ

北米:アメリカのみ対応、カナダ対象外

中米:メキシコ

南米:ブラジル、コロンビアの取り扱いがあるのは他社には無い特徴

ヨーロッパ:一部の主要国のみに対応

ア行:イギリス、イタリア

タ行:ドイツ

ハ行:フランス、ベルギー、ポーランド

ラ行:ロシア

アジア:インドインドネシア、カンボジア、バングラデシュ、ミャンマーなどが対象外。中でもシンガポールが対象外なのは要注意(それとも要問合せ?)

カ行:韓国

タ行:タイ、台湾、中国

ハ行:フィリピン、ベトナム、香港

マ行:マレーシア

オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド

アフリカ大陸:モロッコに対応しているのは他社には無い特徴

【対応『不可能』地域】:南アジア、中東、アフリカ大陸

【注意点】:サカイの場合、国内の運搬はサカイ引越センターが行いますが、海外での運送、配達は現地の提携業者が行います。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、サカイ引越センターの海外引越し公式サイト

・アート引越センター海外のお引越

日本国内の引っ越しでは、売上高、取り扱い件数2位となる「アート引越センター」。

「アート引越センター」も「サカイ引越センター」同様、海外ではビジネス展開が狭く、以下詳細で示しているように、カナダやスペイン、香港などメジャーな国(や地域)で対象外となっている場合もあるので注意が必要です。

また、

「海外のお引越」が『法人のお客さま(企業向けのサービス)』に分類されていることから、個人からの海外引越しの依頼を請け負ってくれるのかは要確認です。法人契約のみに特化している可能性もあります。
ホームページには、海外引越しのプランについては明記されてなく、海外引越しの「流れ」のみの解説となっています。

【対応可能地域】:アジア、北米、ヨーロッパ、南米の一部地域のみ

【対応『不可能』地域】:南アジア、中近東、アフリカ大陸

【注意点】:アートの現地法人は、アメリカと上海(中国)にしかない為、アートもサカイ同様、それ以外の地域での海外での運送、配達は現地の提携業者が行っていると考えられます(ホームページ上では、アート引越センターの「海外ネットワーク」という表記しかない)。

北米:アメリカ対応可、カナダ対象外

中米:メキシコ対象外

南米:ブラジル

ヨーロッパ:イタリア対象外スペイン対象外

ア行:イギリス、オーストリア、オランダ

サ行:スイス、スウェーデン

タ行:チェコ、ドイツ

ハ行:フランス、ベルギー、ポーランド

アジア:台湾、香港、バングラデシュ、ミャンマーなどが対象外。

ア行:インド、インドネシア、

カ行:韓国、カンボジアに対応しているのは珍しい

サ行:シンガポール

タ行:タイ、中国

ハ行:フィリピン、ベトナム、

マ行:マレーシア

中近東:アラブ首長国連邦(UAE)

オセアニア:オーストラリアのみ対応可、ニュージーランドは対象外

画像引用元及びサービスや料金詳細は、アート引越センターの公式サイト-海外のお引越し

・商船三井ロジスティクスの海外引越

国際的な海上輸送、航空輸送、輸出入の通関業務も手掛ける「商船三井ロジスティクス」が提供する海外引越しです。

海外引越サービスは「ワニの引越ワンPACKん!」という、なぜそのネーミングやねん!とツッコミたくなるプランが用意されています。

しかし、ホームページでは、大型家具の有無と荷物量から、あなたに最適な配送方法を選択してくれる「配送タイプ診断」が掲載されていたり、

船便・航空便のそれぞれの特徴や注意点の説明、輸出禁止品目、梱包のアドバイスなど、海外引越しについて一通りしっかり説明してくれているので分かりやすいのが良いです。

【対応可能地域】:南米、オセアニア地域を除く、世界5大陸には拠点があり。(エリアごとにアイウエオ順に表記しています。)

【特徴】:アメリカ合衆国及びアジア地域には、自社の拠点が多い。

北米:アメリカ(アラスカ・アンカレッジにも拠点あり)、カナダ

中米:メキシコ

南米:対応無し

ヨーロッパ:ごく限られた国のみの展開となっています。

ア行:イギリス、イタリア、オランダ

タ行:チェコ、ドイツ

ハ行:フランス、ポーランド

アジア:ネパール、バングラデシュ、ブータン、ラオスは対象外

ア行:インド、インドネシア

カ行:韓国対応せずカンボジア

サ行:シンガポール、スリランカ

タ行:タイ、台湾、中国

ハ行:フィリピン、ベトナム、香港

マ行:マレーシア、ミャンマー

中近東:アラブ首長国連邦(UAE)

アフリカ大陸:ケニア

但し、ここに記載されていない国でも現地企業と代理店契約を結び、例えば中東のオマーンや南アジアのパキスタンなどにも展開しています。

【対応『不可能』地域】:南米、オセアニア地域(オーストラリア、ニュージーランド)

画像引用元及びサービスや料金詳細は、商船三井ロジスティクスの海外引越公式サイト

・西濃運輸(西濃シェンカー)の海外引越サービス

西濃運輸が、世界140か国、1100拠点に広がるDBシェンカー社(ドイツに本社を構えるヨーロッパ最大の物流会社)と提携、2002年に合弁企業として設立された会社が「西濃シェンカー社」です。

もちろん海外引越し専門の部署もあり、対応に心配はいりません。

基本的に、無料での下見そして見積もりを経て、見積もり金額に納得してから契約する形式での為、目安料金や特定のプランは掲載されていません。
ホームページでは、海外引越しについての流れと必要事項が時系列で分かりやすくまとまっていて、好感が持てます。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、西濃運輸の海外引越サービス公式サイト

西濃ーDBシェンカー引越しサービス公式サイト

・大手引越業者の海外引越サービスまとめ

概ね、どこの業者でもアメリカ合衆国は、当然対応していますが、

ここで見るべきポイントは、その会社が自社の営業所なり拠点をどれだけきめ細かく配置しているかという事です。

同じ、アメリカ合衆国内と言っても東海岸ニューヨークから西海岸サンフランシスコまでは飛行機で約6時間掛かるほど広く、ましてやハワイ州は太平洋のど真ん中にあるわけです。

日通では、ハワイ・ホノルル支店を含め、全21支店

ヤマトでは、ハワイ・ホノルル支店は無く、全19支店

商船三井ロジスティクスでは、アラスカ・アンカレッジ支店を含む、全12支店。ハワイ支店は無し。

アート引越センターでは、ニュージャージー、ロスアンゼルス、サンフランシスコの3拠点のみ

サカイ引越センターでは、全て提携業者による為、自社の拠点無し。

西濃運輸では、シカゴのみに日本の代理店を配置、その他はDBシェンカーのネットワーク

というように各社で結構差がある状況です。

一見、海外引越しとはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、バイクの国内輸送の時にお話しした通り、その会社の拠点(営業所など)や倉庫(デポ)があるか無いかで、輸送する際の物流コストは変わってきます。

デポや拠点がそこに有るという事は、物流がすでにある程度の量確立しているか、もしくは今後成長が期待できると考えられているわけです。

バイク業者の時は、当然、デポや拠点の数・配置が充実している会社が安く、例えば沖縄にデポが無い場合に料金が極端に高くなる傾向がありました。

興味のある方は、『引っ越しの時にバイクを輸送する場合の相場やおすすめの業者は?』もどうぞ。この記事を読むとこの辺の事情がよく分かると思います。

以上のことからも、

・海外引越しをする上では、自分が引っ越しする先の場所(都市)の近くに、拠点(営業所など)が有るかどうかが、一番重要になってきます。
・これらの拠点とあなたが住む都市が極端に離れている場合や、支店やデポが無い場合は他社に中継してもらうなどの工程が必要になり、一般的には割高となってしまうので、注意して下さい。⇒クロネコヤマトを例に取ると、支店から100㎞圏外では追加料金が掛かると明記されています。(単身プランの場合)
以上のことは、広い中国国内やヨーロッパ域内にも同じことが言えます。

引越し侍などの一括見積もりサービスは利用できないの?

ここで、「引越し侍」などの引越しの一括見積もりサービスを利用したら安くなるんじゃないのと考える方がいるかもしれませんが、

ここまで説明してきた通り、海外引越しに対応できる業者が大手引越業者だけでもこれだけしかないので、国内の引越ししかやっていない中小引越業者が大半を占める一括見積もりサービスは利用するだけ時間のムダだと思います。

気になる人は、「引越し侍」のサイトを見て下さい。

海外引越しの欄は、赤枠の通り、ちょこっと小さくしか表示されていません。

試しにクリックしてみると、このような入力画面が現れます。

注目すべきは、赤枠の箇所。

画像引用元及び参考:引越し侍

通常日本国内での引越しの場合は、【引越し業者の選択】という項目がありますが、この海外引越しの見積もり依頼画面では、引越業者の選択がありません。
引越し侍を使った日本国内の引越しでは、対応可能な引越し業者と概算見積もり価格が表示された上で、引越し業者をあなた自身が選んで、見積もり依頼を掛けることができます。

海外引越しの場合は、多分、入力を済ませても、見積もり価格は表示されず、対応できる引越業者も選択できず、後日引越し業者から訪問見積もりさせてほしいと連絡が来る程度でしょう。

その理由としては、いくつか考えられますが、

①海外引越しの場合は荷物が多くなりがちですが、一方で海外へは輸送料も高いので、極端に荷物量を減らす人もいればそのまま持って行く人もいて、家族連れと言えども荷物量は人により千差万別です。

そのようなことから、ダンボール何個分(例としてヤマトの「海外引越単身プラン」など)とか定型サイズでない限りは、訪問見積もりが基本となっている。

②海外引越しの場合は、長期の移住が前提でもない限り、持っている家財を全部運ぶという事はまずなく、

海外引越しするための「コンテナ」や「ケージ」など箱の大きさに荷物量を合わせ、はみ出た分は処分するか、日本で一時預かりしてもらうパターンがほとんどである。

③一括見積もりサービス各社には、『提携引越業者』というものが有りますが、そこに海外引越しに対応している業者が登録されていなければ、そもそも見積り依頼を掛けても業者が表示されることも連絡が掛かって来ることもない。

などが挙げられます。

海外引越しの場合は、今回の記事をよく読んで、対応可能な引越し業者をまずは知って下さい。

その上で、もし今回の記事で紹介した引越業者が『提携引越業者』として入っていれば、一括見積もりサービスを利用する価値は有るかもしれません。

次の項では、海外引越しに対応している中小引越業者を紹介しますので、日本国内の中小引越業者とは、全く顔ぶれが違うことにも注目しながら、読み進めて下さい。

中小引越業者

・クラウンライン(CROWN LINE)CL HOLDINGS PTE LTDの海外引越し

日本人の森社長がシンガポールで1980年に創業しスタート。

2019年現在では、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、インド、中国、香港、台湾、アメリカ、アラブ首長国連邦、そして日本の12地域に支店を設け、

また、インドシナエリア(ベトナムの拠点が統括)として、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ネパール、スリランカへも引っ越し事業を展開しています。

日本⇔東南アジア、また、東南アジア各国間(海外から海外)の引っ越しが得意と言えるでしょう。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、クラウンラインの海外引越サービス公式サイト

・CMS(Crown Moving Service)の海外引越し

1980年創業、40年近く営業している海外引越しの専門業者です。

日本では、本社西日本(神戸市)、東日本(東京都新宿)、中日本(愛知県)の全国3か所に営業所があります。

また、前項で紹介した「クラウンライン(CROWN LINE)」とはタイアップ(協力関係)にあります。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、CMS(Crown Moving Service)公式サイト

・ジャパンラゲージエクスプレス(Japan Luggage Express)の海外引越し・国際輸送サービス

1995年創業、本社は千葉県柏市、東京赤坂に東京事務所を構える、海外引越し・国際航空貨物・海上貨物の専門会社です。

船便は最低1㎥から利用可能です。

”一部の地域”ではドアトゥドア(Door to Door)で輸送することも可能です。

しかし、裏を返すと、

それ以外の国や地域では、ドアトゥポート(Door to Port)=現地荷揚げ港までの運送となり、現地での通関引取り、海外住居までの荷物運搬は別に手配しなければならないので、注意して下さい。

その為、ジャパンラゲージエクスプレスのサイトでは、わざわざ、『お客様より寄せられた現地通関引き取りレポート』を掲載してくれています。

よく読んで、自分で通関手続きも出来そうな方はドアトゥポート(Door to Port)で送ると費用を安く抑えられるでしょう。

船便では、

北米:アメリカ(60以上の地域)、カナダ

中米:ドミニカ共和国

南米:パラグアイ

ヨーロッパ:

ア行:アイスランド、アイルランド、北アイルランド、イギリス、イタリア、オーストリア、オランダ、

サ行:スイス、スウェーデン、スペイン、

タ行:チェコ、デンマーク、ドイツ、トルコ、

ナ行:ノルウェー、

ハ行:ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、

マ行:マルタ島

ラ行:ルーマニア、

アジア:ネパール、ブータン、ラオスは対象外

ア行:インド、インドネシア

カ行:韓国

サ行:シンガポール、スリランカ

タ行:タイ、台湾、中国

ハ行:バングラデシュ、フィリピン、香港

マ行:マレーシア

中近東:イスラエル、キプロス、レバノン、

アフリカ大陸:エジプト、チュニジア、南アフリカ、モロッコ、

オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド

に対応(これだけでも、日通に匹敵するぐらい広範囲をカバー)、

また、航空便では、1㎏当たりの料金が750円~1450円(最低重量は45㎏から受付)プラス通関手数料等で送ることが出来ます。

以下で紹介する対象都市へ航空便で輸送する場合は、基本的に日本の自宅から海外の目的空港までの輸送となります。

現地の空港へは自分で引き取りに行く方式(これもドアトゥポート(Door to Port)です。

北米:アメリカ(ロスアンゼルス等、アラスカも対応可能)、カナダ(バンクーバー、トロント、モントリオール他)

ヨーロッパ:

ア行:アイルランド(ダブリン、シャノン)、イギリス(グラスゴー、バーミンガム、マンチェスター、ロンドン)、イタリア(ミラノ、ローマ)、オランダ(アムステルダム)、

カ行:北アイルランド(ベルファスト)

サ行:スイス(ジュネーブ、チューリッヒ、バーゼル)、スウェーデン(ストックホルム)、スペイン(バルセロナ、マドリッド)、

タ行:チェコ(プラハ)、デンマーク(コペンハーゲン)、ドイツ(シュトゥットガルト、ハノファー、ハンブルク、フランクフルト、ベルリン、ミュンヘン)、

ナ行:ノルウェー(オスロ)、

ハ行:ハンガリー(ブダペスト)、フィンランド(ヘルシンキ)、フランス(トゥールーズ、ナント、パリ、リヨン)、ベルギー(ブリュッセル)、

ラ行:ルーマニア(ブカレスト)、

アジア:

ア行:インドネシア(ジャカルタ、デンパサール)

カ行:韓国(ソウル、プサン)

サ行:シンガポール(シンガポール)

タ行:タイ(バンコク)、台湾(台北)

ハ行:フィリピン(マニラ)、香港(香港)

マ行:マレーシア(クアラルンプール)

オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド

となっていて、...幅広く対応してもらえます。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、ジャパンラゲージエクスプレス公式サイト

・株式会社ノットグローバル(Knot Global)の貨物輸送サービス

海外への中古車輸出業を中心に国際貨物事業を行っている、株式会社ノットグローバルが運営しています。海外拠点は韓国とタイにあります。

日本国内では、東京本社、横浜、神戸、福岡、熊本に支店があります。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、株式会社ノットグローバル公式サイト

・PAKMAILの海外引越サービス

「PAKMAIL(パックメール)」は聞きなれない方も多いかもしれませんが、アメリカコロラド州に本社を構える、世界で450以上の店舗を展開する梱包と発送の「コンビニエンスストア」です。

日本国内でも、各運送業者などがそれぞれフランチャイズ形式で店舗経営を行っています。日本国内の本部は愛知県半田市にあります。

その為、日本国内の「PAKMAIL(パックメール)」を利用しても、実際の運営業者により、サービスの質に差が出るかもしれない点に不安が残ります。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、PAKMAIL海外引越サービス公式サイト

・AGEX(エース・グローバル・エキスプレス)の海外引越し

基本的には船便の利用となり、以下の3種類のプランから選択することが可能です。

①セルフパック:最小取扱容積1㎥から可能です。家具など大型の荷物が無い場合に利用。
②スタンダードパック:小物は自分で荷造りし、大型家具やワレモノは、引っ越し業者で梱包してもらうプラン
③フルパック:すべての荷物を引っ越し業者に梱包してもらうお任せプラン

もちろん、荷物が多い場合は、20ftまたは40ftの海上コンテナ1台を貸し切りで運んでもらう事も可能です。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、AGEX(エース・グローバル・エキスプレス)公式サイト

・海外引越エース(ACE EXPRESS CO.,LTD)の海外引越

エース物流サービス株式会社が運営する「海外引越エース」では、料金事例が掲載されていて、ある程度の目安が分かります。

一例を挙げると、船便を利用しDoor to Doorで

アメリカ・ロスアンゼルスまで7㎥の荷物を送って、36万円

オーストラリア・シドニーまで5㎥の荷物を送って、31万円

韓国・ソウルまで5㎥の荷物を送って、19万円

タイ・バンコクまで25㎥(20ftコンテナの容積が約31㎥なのでコンテナの8割方)の荷物を送って、83万円

などと記載されています。(料金は非課税の場合)

画像引用元及びサービスや料金詳細は、海外引越エース(ACE EXPRESS CO.,LTD)公式サイト

・DHE(株式会社ダイカン)の海外引越

自社だけではなく、海外の提携引越業者も多く、なんと政情不安定なシリアへの引っ越しも可能???なようです。本当かいな?

さらには、大手の日通でもカバーしていない中南米、南米の提携業者も豊富で、グアテマラやコスタリカ、エクアドルやチリ、ウルグアイなど多くの国をカバーしています。

また、一例として、日本から韓国まで1㎥(ダンボールMサイズ10個分に相当)の荷物を送った時の海上運賃、通関手数料なども記載されていて、

この場合では、込々総額63,900円で送れることが分かります。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、海外引越のダイカン公式サイト

・Tmovingの海外引越し

韓国系の会社のようです。

残念ながら、評判はあまりよくありません。

荷物の到着が連絡なしに遅れるとか対応に問題があるという意見がみられます。

参考:引越し侍「Tmovingの口コミ・評判」

画像引用元及びサービスや料金詳細は、Tmoving公式サイト

・Move Japan(ムーヴ・ジャパン株式会社)の海外引越し

海外引越サービスは、2003年から大使館や一般企業向けに開始したところから始まり、2009年に海外引越し専門会社として事業を継続しています。ちなみに会社は埼玉県入間市にあります。

少量の荷物から40ftコンテナを用いた引っ越しまで、幅広く対応しています。

海外引越プランは、2種類

①通常のドアトゥドア(Door to Door )のプラン
②ドアトゥポート(Door to Port )のプラン
⇒現地の荷揚げ港までの輸送のみで、現地通関手続き、海外の住まいまでの輸送は自分でやるというちょっとハードルの高いプランも用意されています。

当然その分料金は安く抑えることが出来ます。

さらには、展示会などで日本と海外を荷物が短期間で往復する場合や、バイクなどで数か国を旅する方などが利用する「カルネ通関」と呼ばれる代行サービスも行っています。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、Move Japan(ムーヴ・ジャパン)公式サイト

・Japan Move(ジャパンムーブ)の海外引越

ムーヴ・ジャパンとは別の会社です。2005年に設立し、東京と横浜に営業所がある引越業者です。

主要取引先は、在日米軍、官公庁となっており、海外引越しを得意としている会社です。

なお、国内では、ハトのマークの引越センターの組合員として、国内引っ越しも行っています。

他社とは違い、都市別に引っ越し料金が明確に記載されているので、値段が分かりやすいのがポイントです。

海外引越プランは、

①セルフプラン:家具など大型の荷物がない小口引越しプラン
②スタンダードプラン:梱包作業や書類作成まで業者にお任せのプラン
③アナカンエアー(別送航空便):大型荷物がない場合に小口荷物を航空便で送るプラン(重量100㎏から取り扱い)
の3種類が用意されています。

料金一例:条件は船便で荷物量「5CBM」=5立方メートルの場合

ニューヨーク:361,750円

ロンドン:291,750円

ベルリン:326,750円

シンガポール:264,750円

この中で日本側費用は、111,750円で一律。船運賃と、現地費用が目的地により異なるといった内容になっています。

尚料金表に、「現地での日本人対応有りの費用」が別枠であるので、

現地で英語もしくは現地語での対応が出来る人にとっては、海外引越し料金を安くできるメリットがあります。
料金見積もり時に一点だけ注意点が。
公式サイトの料金表では、船便とアナカン(航空便)の料金が全く一緒となっている(どのプランを選んでも、ニューヨークまで全て361,750円ということはあり得ない)のは、明らかな間違いではないかと思うので、実際の料金は必ず確認した方がいいでしょう。

なお、公式サイトにはGoogle Translatorが搭載されているので、多言語でのサイト閲覧にも対応しています。知り合いに外国籍の方がいたら教えてあげて下さい。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、Japan Move(ジャパンムーブ)公式サイト

・海外引越しの㈱エコノムーブジャパン

「ムーブ」と「ジャパン」が会社名に入る業者の紹介が続いておりますが、

この会社は2002年設立、東京本社と大阪営業所の2か所があります。

サービスプランは、全部で4種類

①少量の荷物の場合は、割安料金な「セルフパック」(容積1、1.5、2立方メートルの3種類の価格設定)が用意されています。
②それ以上の量の荷物の場合は、梱包サービスや英文の商品目録(インベントリーリスト)作成まで付いてくるフルサービスの「スタンダードパック」が利用できます。
なお、「セルフパック」、「スタンダードパック」どちらでも、それぞれ、ドアツードア(旧居から新居まで)とドアツーポート(旧居から荷揚げ港まで)の2種類を選択することが可能です。
セルフパックでは、最低限のサービスとなる為、エレベーター無しの2階以上にあなたが住んでいる場合、荷物を引き取りに作業員が上がってきてくれることは無く、1階での荷物引き渡しとなる点には注意して下さい。

また、荷物のピックアップ時はドライバー1名が向かうので、トラックへの荷物積載時は、あなたも手伝う必要があります。

なお、株式会社エコノムーブジャパンでの引っ越し料金は、平日/土日、繁忙期/閑散期で変動せず為替レート及び毎月変動する海上運賃により決定されるとのことです。

【過去に対応した地域(実績)】

北米:アメリカ、カナダ、メキシコ

中米:ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、

南米:アルゼンチン、エクアドル、ガイアナ、チリ、パラグアイ

ヨーロッパ:

ア行:アイスランド、イギリス、イタリア、エストニア、オーストリア、オランダ、

カ行:キプロス、クロアチア

サ行:スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロべニア、セルビア

タ行:チェコ、デンマーク、ドイツ

ナ行:ノルウェー、

ハ行:ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド

マ行:マルタ島、モナコ

ラ行:ラトビア、リトアニア、ルーマニア、

アジア:

ア行:インド、インドネシア、ウズベキスタン

カ行:韓国、カンボジア

サ行:シンガポール、スリランカ

タ行:タイ、台湾、中国

ナ行:ネパール

ハ行:パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、香港

マ行:マカオ、マレーシア、ミャンマー、

ラ行:ラオス

中近東:アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、イスラエル、クウェート、サウジアラビア、トルコ

アフリカ大陸:ウガンダ、エジプト、エチオピア、ケニア、ザンビア、セネガル、タンザニア、チュニジア、ナイジェリア、マリ、南アフリカ、モロッコ、

オセアニア:オーストラリア、ニューカレドニア、ニュージーランド、フィジー、フレンチポリネシア(タヒチ)、ミクロネシア

過去の海外引越実績を見る限り、対応している国やエリアはかなり広範囲に広がっています。特にアフリカ大陸でこれほど多くの国への引越実績がある会社はそうそうないでしょう。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、ECONOMOVE JAPAN(株式会社エコノムーブジャパン)公式サイト

・東京エキスプレス株式会社TOKYO EXPRESSの海外引越し

東京本社と大阪営業所の2か所があります。

サービスプランは、他社同様に

①「船便コース」
②「航空便コース」

の基本的な2つの海外引越し方法しか提示されていません。

料金一例:条件は船便で荷物量「5CBM」=5立方メートルの場合

3種類が用意され、

1立方メートル当たりの料金は、

アジア向け45,000円~

北米向け60,000円~

欧州向け50,000円~

豪州向け50,000円~

となっていて、5立方メートル以上では割安になるようです。

概ね口コミによる評価も良いようです。

参考:引越し侍「東京エキスプレス引越しセンターの口コミ・評判」

画像引用元及びサービスや料金詳細は、東京エキスプレス株式会社公式サイト

・横浜システムムーバー㈱の海外引越し

1976年創業の老舗の海外引越し会社です。従業員数19名と少ないですが、海外駐在員の引越を40年以上、少数精鋭で手掛けてきた会社です。

日本国内は横浜と大阪の2か所、海外はアメリカ・ニュージャージーとシンガポールの2か所に支店が有ります。

また、中南米、アフリカなど大手が得意としていない地域へのDoor to Doorのサービスも可能です。

さらには、公式ホームページがドイツ語に対応しているので、その常連顧客が想像できるのではないでしょうか?

画像引用元及びサービスや料金詳細は、横浜システムムーバー公式サイト

・株式会社国際エキスプレスの海外引越し

日韓の貿易拡大に伴い、1990年に設立されました。資本金1億円、従業員300名を抱える比較的大きな会社で、総合物流を手掛けています。

日本の本社は、東京浜松町の貿易センタービルにあり、羽田、横浜、神戸、大阪に営業所、そして韓国、中国には現地法人もあります。

しかし、

海外引越しサービスについての具体的なプランの紹介や料金例などは掲載されておらず、問い合わせて見積もりをしてみない事には詳細が全く分かりません。

画像引用元及びサービスや料金詳細は、株式会社国際エキスプレス-引越しサービス

・中小引越業者の海外引越サービス(貨物輸送サービス)まとめ

大手とは異なり、ほとんどの業者で、自社の海外拠点及びスタッフを持っていることは無く、現地の引越業者や運送業者と提携していることがほとんどです。

また、ドアトゥポート(Door to Port)=現地荷揚げ港までの費用となっている場合も多いです。

その為、トラブル事例を読むと、ドアトゥドア(玄関から玄関まで)でお願いしたのに(但し、顧客側のサービス内容確認不足の可能性も有)、実際は現地到着港から海外の住まいまでは自分で運ばなければならなかったとか、

現地の業者の対応が悪くても、日本側の業者が仲介に入ってくれないという意見が散見されます。

ここが特に重要な点ですが、中小引越業者ではコストダウンの為にも、日本流の手厚いサービスが付いた、海外への『引っ越しサービス』というより必要最小限の『貨物輸送サービス』レベルでとどまっている業者もあります。
すると、日本から無事荷物の発送が出来たんだから、あとは私たちの会社の責任ではなく、現地の会社とやって下さいという様な割り切ったサービスの会社もあるので、利用規約などよく読み、サービス利用者と業者との『温度差』もよく理解しておくことが大事です。
現地での通関手続きや住まいまでの荷物運搬などは、海外の業者に丸投げという場合も多く、スムーズに通関が行かない、荷物破損トラブルで解決までに時間が掛かるなど、トラブルに悩まされることも多いようです。

さらには、引っ越し費用を安くする為、現地に日本語のできるスタッフを配置していないなど、海外引越し初心者が利用するべきではないでしょう。

また、利用者の口コミがネット上にも少なく、実際利用してみてどうだったかの情報が得にくいので、当たり外れが大きい可能性があります。

一部業者のしっかりしたサービスを除くと、それ以外では、何度も海外引越しを経験し、トラブル対応や交渉事、言葉の面でも心配ない人が利用するようなサービス内容と言えるでしょう。特に、ドアトゥポート(Door to Port)は要注意。

引越業者の選定方法まとめ(地域別おすすめ業者)

東南アジア(タイ・シンガポール・ベトナムなど)

シンガポールやタイ、マレーシアなどメジャーな国であれば、どこの会社を利用しても問題無いでしょう。

しかし、マイナーなラオスやカンボジアなどへの引越であれば、東南アジアを拠点としている『クラウンライン(CROWN LINE)CL HOLDINGS PTE LTD』が良いでしょう。

東南アジアの厳格なイスラム教の国「ブルネイ」では、外国人や非居住者に対しても適用されるイスラム法「シャリア刑法」があり、入国時の持ち物には細心の注意を払う必要があります。

そんな「ブルネイ」への引越実績があるのは『株式会社エコノムーブジャパン』だけです。

南アジア(インド・バングラデシュなど)

意外にも、インドやバングラデシュへ対応している業者は少ないです。大手でもインドは対応していても「バングラデシュ」となると、『日通一択』となるでしょう。

また、中小引越業者では、『ジャパンラゲージエクスプレス(Japan Luggage Express)』が対応していて評判も良いのでおすすめです。

『ジャパンラゲージエクスプレス(Japan Luggage Express)』でも対応していないネパールやパキスタンへは、『株式会社エコノムーブジャパン』しか見当たりません。

中東(UAE・サウジアラビアなど)

大手では日通、アート引越センター、商船三井ロジスティクスが対応していますが、それもアラブ首長国連邦(UAE)のみで、その他の地域は対応していないのが現状です。

中小の業者では、アラブ首長国連邦(UAE)へは、『Japan Move(ジャパンムーブ)』が

その他、サウジアラビアやクウェートなどへは、『株式会社エコノムーブジャパン』が対応しています。

アフリカ(エジプト・南アフリカなど)

大手の日通でも、ケニアと南アフリカのみの対応。

同じく、商船三井ロジスティクスではケニアのみ。サカイ引越センターではモロッコのみ対応という状況の中、

『ジャパンラゲージエクスプレス(Japan Luggage Express)』では、チュニジアやモロッコ、南アフリカへ対応可能

アフリカのザンビアやセネガルなどマイナー国でも実績があり強いのは、『株式会社エコノムーブジャパン』となっていて、

アフリカへは、中小引越業者が対応力が高いとも言えるでしょう。

北米(アメリカ・カナダ・メキシコ)

アメリカ合衆国へはほとんどの業者で対応していますが、カナダやメキシコは各社により対応がまちまちです。

アメリカで支店数が最も多い(ハワイ支店も有)のは日通です。

中南米・南米(キューバ・アルゼンチン・ブラジルなど)

南米は日通でブラジル、チリぐらい。

中南米は大手もほとんど対応していません。

そんな中『株式会社エコノムーブジャパン』では、ジャマイカ、ニカラグアなどへも引っ越し実績があるようです。

ヨーロッパ

各社によって対応している国がまちまちなので、あなたの目的地に合った業者を選択することが大事です。

世界のマイナー国

世界全般的に見て、マイナー国への実績があるのは、『株式会社エコノムーブジャパン』となるでしょう。

ただし、マイナー国になればなるほど、大手よりも中小の方が対応してくれるでしょうがDoor to Doorのサービスは期待できず、Door to Portとなる可能性も高いので、荷物上陸以降の税関手続き、輸送など自分でやる必要も出てくるのでサービス利用には注意が必要です。

しかし、それは裏返すと、大手では大手のサービス品質が維持提供できない為、あえて踏み込んでいないとも言えるかもしれません。

海外引越し料金相場

rawpixel / Pixabay

各社とも具体的な料金が提示されていることが少なく、要見積もりとなっている場合が多いのですが、

以下の各社のプランでは料金が掲載されているので、それを例(全てのプランが船便利用、Door to Door)として挙げます。

①Japan Move(ジャパンムーブ)の船便利用(現地日本語スタッフ手配料は別途)、5立方メートル(1立方メートルはサイズ630㎜×460㎜×430㎜のダンボール約8個分に相当するので、8×5でダンボール40個分)の荷物

②日通の定型数量のセルフパックコンビ(ダンボール15箱)

③クロネコヤマトの海外引越単身プランのエクストラコース(ダンボール18箱)

いずれの場合も、税関検査料や関税は別途となっています。

東南アジア(タイ・シンガポール・ベトナムなど)

①ジャパンムーブ:5立方メートルの荷物を運んだ場合:26~33万円

②日通:15箱のダンボールを運んだ場合:13万円~14万円

③クロネコヤマト:18箱のダンボールを運んだ場合:12.5万円

中国・韓国・香港

①ジャパンムーブ:5立方メートルの荷物を運んだ場合:25万円(韓国、香港)~32万円(深圳)

②日通:15箱のダンボールを運んだ場合:13万円(香港)~22.8万円(中国上海、税関検査料込みの値段)

③クロネコヤマト:18箱のダンボールを運んだ場合:13.5万円(香港)、15.5万円(韓国)、16.5万円(中国上海)

中東(UAE・サウジアラビアなど)

要問合せ

アフリカ(エジプト・トルコ・南アフリカなど)

要問合せ

北米(アメリカ・カナダ)

①ジャパンムーブ:5立方メートルの荷物を運んだ場合:34万円~36万円

②日通:15箱のダンボールを運んだ場合:18.5万円~20.7万円

③クロネコヤマト:18箱のダンボールを運んだ場合:15.5万円

中南米・南米(キューバ・アルゼンチン・ブラジルなど)

要問合せ

ヨーロッパ(イギリス・ドイツ・フランスなど)

①ジャパンムーブ:5立方メートルの荷物を運んだ場合:30万円~33万円

②日通:15箱のダンボールを運んだ場合:18.6万円~19.2万円

③クロネコヤマト:18箱のダンボールを運んだ場合:15.5万円~16.5万円

オセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)

①ジャパンムーブ:5立方メートルの荷物を運んだ場合:30万円~33万円

②日通:15箱のダンボールを運んだ場合:20.2万円

③クロネコヤマト:取り扱い無し

免税のための要件

海外へ荷物を発送する際、身の回りの品や生活必需品であれば「引っ越し荷物」として、非課税(免税)となりますが、国によっては新品の家電製品や極端に多い数量の場合、販売目的と判断され高額な関税が課せられる場合があります。 十分注意して下さい。

以下に「引っ越し荷物」として扱ってもらうための一般的な条件を記載します。

・生活必需品であり、販売目的ではない事。
・長期滞在可能資格(ビザ)を取得または取得予定である。
・現地入国後6か月以内に荷物が到着していること。

海外へ輸送する荷物の梱包方法

荷物の梱包は、日本での引っ越し同様、小物などは業者が支給してくれるダンボール(海外向けは厚めの強度が強い物の場合が多い)に詰め込めばOKです。

大型の家具や家電は荷物引取時に引っ越し業者の方で梱包してくれます。

さらには、業者によってはそれらの個別荷物を強度のある外箱に収納(外装梱包)し、鉄製のバンドなどで固定し、海外向け専用の梱包としてくれているところも多いです。

画像引用:西濃運輸の海外引越サービス公式サイト

あとは、日本の業者がどうこうというよりも、海外の業者が丁寧に取り扱うかどうかに掛かっていると言っても過言ではありません。

海外へ頻繁に行っている方は、日本と海外では【サービスに対する意識や品質】がどれだけ違うか、よくご存じのはず。

通関手続きのための書類準備

・フライト便の予約番号や、予約表
・パスポートのコピー
・梱包預かり明細書
・通関委任状
・インボイス
などが必要になります。詳細は利用する引越業者や貿易会社などに確認して下さい。

日本に置いていく荷物の処置

日本に置いていく荷物については、各引越業者が提供している荷物預かりサービスなどを利用するといいでしょう。

引越し荷物の一時預かりサービスについては、以下の記事で詳しく解説しています。

海外へ日本で使っていた自家用車を運搬したい場合

海外駐在員として外国に赴任する場合、日本国内のように運転マナーが良い国ばかりではないので、会社の業務中は駐在員は原則自分で運転することは禁止=運転手付きで会社まで送迎なんて場合もありますが、

それ以外のプライベートでは、車が無いと不便な場合もあるでしょう。

そんな場合、現地で新たに車を買ったり、社用車を使わせてもらう以外に、日本から乗り慣れた自家用車を輸送して、現地で乗るという方法も有ります。

この場合は、輸送費用と、居住国での手続きの煩雑さなどを勘案して、どちらが良いか決めるといいと思います。

但し、シンガポールでは関税が300~400%も掛かったり、アメリカでは原則輸入禁止など自動車の輸入自体が現実的には難しい国もあるので、

わざわざ海外まで輸送する費用対効果が折り合わなければ、今まで日本で乗っていた車を売却するのがいいでしょう。

参考までに、「株式会社エコノムーブジャパンー車の海外引越し」には、海外へ自動車を輸送する場合の関税率や難しさ、輸入するための条件などが、一部掲載されているのでご覧になるといいと思います。

海外への車輸送が難しく、車の買取査定を依頼するなら、JADRI(一般社団法人 日本自動車流通研究所:業界団体)の公式サイト【JADRI公式】一括査定.comが安心です。

このサイトには、JADRIの厳しい審査に合格した優良な買取業者しか登録出来ません。

もし、しつこい査定会社が有った場合、適切な処置をしてくれるクレーム対応窓口も設けています。

そのようなことから、詐欺行為をするような悪質業者は排除されているので安心して一括査定が出来ます。

また、車を買取した後に買取額を下げるという「再査定」が出来ないルールになっている為、買い叩きを防止し、結果高額買取を実現しています。

【JADRI公式】一括査定.com

最後に

今回のこの記事、各社での対応可能な国および地域については、2020年12月1日現在での情報に基づいています。

例えば、「ヤマトグローバルロジスティクスジャパン」では2020年12月にもベトナム・ホーチミン向け単身パックサービスの提供を開始したりと、活発に海外展開を進めている企業も多いので、最新の対応可能地域については各引越業者に確認することをおすすめします。

今回の記事を通して、各業者がどこの地域を得意としているかが分かってもらえたかと思います。

繰り返しになりますが、『あなたの海外引越し先』、『あなたの海外引越し経験』に合わせた引越業者または運輸業者、もしくは貿易会社を選ぶことが何よりも大事です。
海外引越しにおいて、安さだけを求めると、荷物の破損・紛失はもとより、税関通過時のトラブル、高額な関税が掛けられたり、最悪、送った荷物が入国できず没収や日本へ返送される事態も発生しています。

出来るだけ、実績が有り、信頼のおける業者を選ぶようにして下さい。

次回の海外引越しは、

と題して、

引っ越し荷物発送後の、日本出国1か月前~2週間前ぐらいまでにやるべきこと、

住民票は抜くのかそのままにするのかどうするの?メリットとデメリットや、

「国際運転免許の取得」、「自動車保険の中断証明書の取得」など、日本国内の引っ越しの時とは違う手続きについてまとめています。

こちらの記事も是非ご覧ください。

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