一人暮らしをしているあなたは、現在自炊していますか?それとも仕事の忙しさなどで、作っている暇が無く、外食中心となっていますか?
今回は「一人暮らしの食費、いくら使っていますか?妥当な額と、節約方法」と題して、一人暮らしの食費にどれぐらいの金額掛かっているかと、自炊と外食ではいくらぐらいの差が出るかをシミュレーションしてみました。
また、自炊をするときに重宝する食材についても紹介しています。
一人暮らしの食費
総務省統計局の家計調査報告による、食費の平均金額は?
まずは、統計データによる全国平均がいくらぐらいか見てみましょう。
総務省統計局の家計調査報告「1世帯当たり1か月の収入と支出(2018年度)」によると、消費支出の【食料の項目】が、
・勤労世帯(脚注:一般の就業者を指すと考えられる)では、44,391円(外食費16,229円含む)
となっています。
肉類、野菜類、酒代など項目毎の詳細が知りたい方は、以下リンク先でご確認ください。
出典:「家計調査結果」(総務省統計局)「1世帯当たり1か月の収入と支出 2018年度」
この調査結果から、
全国平均では、おおよそ月額4万円の食費が掛かっていて、就労者になると、自炊するための時間が限られ外食の機会が多くなっていることが分かります。
ちなみに、時系列(各年毎)での調査データを比較して見ても、食費は毎年4万円前後で推移していて、大きな変動はありません。
あなたの食生活スタイルは?食生活スタイル別、食費のシミュレーション
さて、一般的な食費の平均値が分かったところで、
一人暮らしの食費にも、人それぞれあり、
完全自炊&昼食はお弁当持参派、外食派、コンビニ弁当派、カップラーメン等のレトルト食品派など、食生活スタイルによって様々です。
ここから、食生活スタイル別に、月額の食費がいくらぐらいになるか、シミュレーションをしてみましょう。
ご飯、1杯当たりはいくらになる?
コシヒカリやあきたこまちなどの美味しいお米を買っても、スーパーであれば5㎏入りで、2000円前後で購入できます。
お米5㎏(乾燥状態)は約33合(1合は乾燥重量で約150g)に相当し、お米2合を水に浸して炊くと、炊きあがったご飯は約700gあります。
ご飯茶碗1杯分(普通盛り)が約150gなので、ご飯2合はお茶碗約4.7杯分です。
すると、お米5㎏で、ご飯約77.5杯分になり、
3食毎食ご飯を食べる(但し、1食にご飯1杯しか食べないと仮定した場合)とすると、
最初に紹介した総務省統計局の家計調査によると、単身世帯での1か月の「米の購入金額」は、709円(勤労者世帯では492円と単身世帯の69.4%にまで減る)となっているので、
5㎏2000円のお米を購入していると仮定すると、
お米の1か月の消費量は、1.77㎏(5㎏×709円/2000円)と推定され、それはご飯27.4杯を食べていることに相当します。
ちなみに、その他の主食である、パンには1146円、麺類には581円を1か月に使っているそうです。
もし、お米の味やブランドにこだわらなければ、安いものは5㎏で1200円前後から購入可能です。
すると、さらに単価は下がり、ご飯1杯当たり、約15.5円(1200円/77.5杯)になります。
なお、一人暮らしの方が一般的に持っている「3合炊き」の炊飯器で、3合炊いた時の電気代は、約2.55円となっています。
また、
炊けるときに、まとめて炊いておくということも、節約するポイントです。
参考:電気ガス料金の比較ならタイナビSwitch「炊飯器の電気代を実際に計算してわかった6つのポイント」
完全自炊&昼食お弁当持参すると、ここまで食費は抑えられる
完全自炊&お弁当持参派なら、1食当たり100円設定にすると、1か月分は100円×3食×30日で約9000円で抑えることも可能でしょうし、
1週間当たりの食材費を5000円に設定(1週間に1回スーパーに買い物に行く)すれば、4週間で約2万円で済ませることが出来ます。
また、毎日買い物に行っていると、ついつい余計なものも買ってしまう(特にチョコレートやスナック菓子などの嗜好品)ので、買い物に行く回数を減らすのも大事です。
お金の使い過ぎを防ぐ方法として、持っている予算の中でやりくりするというのは、他のお金の管理についても応用できます。
自炊を全くせず、ほとんどが外食とコンビニ弁当だと、月の食費は6万円にも!
仕事が忙しくて、自炊している暇なんか無いよ。と言う方は、
朝はサンドイッチなどの軽いものとコーヒーで400円。昼は近所のお店のランチで800円。同様に、夕食も外食やコンビニ弁当で済ませると、600円~800円と言うところでしょう。
すると一日約2000円掛かるので、
そんなことをしていると、あなたの手取りが18万円の場合に、家賃6万円(給料の3分の1)の所に住んで、食費にも6万円掛かっていると、それだけで、あなたの給料の『3分の2』が消費されてしまいます。
光熱費、遊びや携帯代などに使える残り金額が、6万円しか無くなってしまいます。
そして、大事なポイントですが、外食の場合には、
自分で自炊する時の、「食材費」と「ガス電気代」の他に、
調理スタッフの「人件費(調理の手間賃)」、お店の家賃などの「必要経費」、さらには「お店の利益」までが乗ってくるので、自炊に比べて高くなるのは当然の結果です。
仮に800円の食事だと、原価率(食材費)は240円と考えられます。
それ以外のお金は、手間賃などとして払っているのです。
ファストフード中心でも、外食だけだと結構お金は掛かるって知ってましたか?
前項では、外食費を1食800円で計算しましたが、これを昼食と夕食を牛丼やうどん、マクドナルドなどのファストフードに変えると、1食約400円になるので、1200円/日×30日で月3.6万円にまで抑えることが出来ます。
しかし、それでも、自炊する場合の2万円と比べるとその差は歴然ですね。
ことが分かってもらえたかと思います。
カップラーメンやレトルト食品だけだとどうなる?
1食100円以下のカップラーメンやレトルト食品(カレーや牛丼など)を利用すれば、100円×3食×30日=9000円程度に抑えることは出来ますが、はっきり言って健康上問題が出ることは必至です。
また、これらの食品では、ほとんどが炭水化物(エネルギー)だけの摂取となる為、ビタミンやミネラルなどの健康維持に必要な栄養素が確実に不足します。
だったら、最低限でもお米(ご飯)を炊き、スーパーなどでサラダやお惣菜を買ってきた方がまだいいでしょう。
やっぱり自炊でしょ!
逆に自炊で、月4万円食費に掛けたら、それこそ週末は焼き肉やカニ鍋など豪華な食事をすることも可能です。
通常の食費2万円に、週末家で豪華な食事1回5000円×4回でプラス2万円で出来ます。
また、その分の2万円で飲みに行ったり、豪華な食事を外に食べに行くことも出来るようになります。
それとも自炊と豪華な食事(たまに外食)とを組み合わせメリハリ付けて、4万円使いたいですか?どちらですか?
以上のことから、
ご飯も炊飯器で1回分を多め(3合ぐらい)に炊いておき、ラップに包んで冷凍しておけば電子レンジでチンするだけで食べられ、
また、電力を大量に消費する(1000W前後)炊飯器も使う回数を減らすことが出来るので、月額の電気代も節約出来ると一石二鳥です。
飲み物代も実は意外と掛かっている
総務省統計局の家計調査報告「1世帯当たり1か月の収入と支出(2018年度)」にも記載されていますが、意外と馬鹿にならないのが、飲み物代です。
単身者の飲料代が月額3128円(勤労者では4024円)となっています。
外の自販機やコンビニなどで、都度飲み物を買っていると、1日1本でも、1缶130円×30日で3900円、またはペットボトル500mlの場合は、160円×30日で4800円が掛かってしまいます。
これを家でお茶や麦茶、無糖コーヒーなどを入れて、『マイボトル』を外出時に持ち歩くようにすると、これだけでかなりの節約(1回の原価10円程)になります。
すると、月額でも300円程になるので、
併せて、カロリーダウンにも貢献できます。
例えばスターバックスコーヒーの飲み物「カフェモカ」とか「ホワイトモカ」「ココア」などでは、トールサイズ・ホット1杯でカロリーが400kcal近くになる高カロリーの商品もあるので、普段から注意することが大切です。
カロリー400kcalは、ご飯1杯分(160g)が269kcalなので、ご飯約1.5杯分(400/269=1.49)に相当します。
今までの定説「自炊は安い」を覆す「サブスク=月額定額」ランチを利用すると、ランチ代は劇的に安くなる。
最近はなんでも、例えば、ネット動画見放題で月額980円とか、コーヒーショップでコーヒー1か月3杯まで定額900円の「CAFE PASS」などなど、月額定額サービス「サブスクリプション(略して「サブスク」)」が浸透してきていますね。
この波が、飲食店、しかもランチを提供しているお店にまでやってきていて、
『月額定額で』ランチが毎日食べれると、人気を博しています。
この仕組みを提供しているのが「always LUNCH」です。
このalways LUNCHを利用すると、8,778円(税込み)/30日=1食約293円で食べられる計算になります。
仕組みとしては、月額定額でランチを提供してくれる加盟店を募り、その加盟店の方でランチを提供してくれるというサービスになります。
その為、同じお店に毎日行く必要は全くなく(お店毎の定額サービスではない点がポイント)、いくつかある加盟店の中から、毎日違う店を選ぶことも出来ます。
加盟店の方としては、利益よりも新規店での広告宣伝、またはディナーに繋げるためのプロモーションと考えていて、ハッキリ言ってこれで利益を出すのは難しいそうです。
東京では、まだ、渋谷と新宿。大阪では、淀屋橋、梅田、心斎橋周辺にしか加盟店がないのが残念です。(スタートしたばかり)
また同様のサービスとして、月額3480円(税込)で毎日ドリンクが楽しめるalways DRINKも同会社が運営しています。
利用方法詳細や加盟店情報などalways LUNCH公式サイトは、always LUNCH
なお、この運営会社は全国あちこちでサブスクサービスを提供していて、
一例を挙げると、大分県別府市の温泉で1か月温泉入り放題とか、
女性限定ですが、ボクシングジムに定額で毎月何度でも通えるプランとか、様々なサービスを展開しています。興味のある方はこちらも調べてみてはいかがでしょうか?
食費を節約するためにおすすめの食材10選
基本野菜3種の神器
以下の基本野菜3種があれば、例えばカレー、オムレツ、肉じゃが、野菜炒めなど、何にでも使うことが出来ます。
また、どれも冷蔵庫保存などをしなくても、1週間以上日持ちするので、買っておいて損はありません。
じゃがいも
じゃがいもは、風通しの良い冷暗所に保管しておけば、常温で長期保管(1か月~3か月程)が可能です。
欧米ではマッシュポテトやフライドポテトなど主食としても活用され、また、カレーや肉じゃが、ポテトサラダ、ジャーマンオムレツなど、幅広いメニューを作ることが出来る万能野菜です。
じゃがいもには、炭水化物の他に、ビタミンCやビタミンB1が多く含まれています。
一定量以上摂取すると、嘔吐や最悪死亡する事例も発生しています。
このソラニン中毒のことを知らなかった15~16世紀ごろは、船乗りの間で「悪魔の食べ物」と呼ばれていた時期もあります。
人参
人参は数ある食材の中でも、βカロテン(抗酸化物質の一種)の含有量がトップクラス(100g当たり8600μg)を誇ることから、病院食には毎食と言っていいほど登場する食材です。
免疫力アップやがんの予防には欠かせません。
緑黄色野菜の1日に必要な量が120gと言われているので、人参ではだいたい1本で事足ります。
人参1袋(500g:1本150g前後)は、170円前後で売られています。
人参もカレーや肉じゃがはもちろん、きんぴらごぼうや豚汁、そして、生絞りジュースとしてオレンジと混ぜ、キャロットオレンジジュースとして生で栄養を摂取することも出来ます。
玉ねぎ
オムライスやハンバーグ、炒め物、煮物にはもちろんのこと、生のままスライスしたものに鰹節を掛けてオニオンスライスや、みじん切りにしたものを納豆に入れたりと、たまねぎも色々と使えます。
玉ねぎには、硫化アリルという切った時に目に染みる物質が含まれていますが、この硫化アリルには、血液をサラサラにする効果が有り、動脈硬化や脳卒中などの血管が詰まって起こる病気を防ぐ効果があります。
また、硫化アリルはビタミンB1と結合し、疲労回復に効果のあるビタミンB1の吸収を促進するので、ビタミンB1の豊富な豚肉と一緒に調理すると、なおいいでしょう。
但し、この辛味のもとで刺激物質の「硫化アリル」は水にさらすと流れ出てしまうので、調理法には注意が必要です。
玉ねぎは、1個(中サイズ約200g)が50円前後で売られています。
もやし
激安食材の代表選手、もやしです。1袋(200~250g入り)が20円~30円で購入することが出来ます。
地下の工場のような場所で栽培されていることから、天候の影響を受けず、一年中価格が安定していることも魅力です。
もやしは元が豆(もやしは緑豆や大豆が発芽した状態)なので、栄養価が高いのも特徴です。
但し、注意点は非常に腐りやすく、2日程で悪くなってしまうので、使うその都度新鮮な物を購入することがポイントです。
豆腐
こちらも大豆製品の豆腐。
1パック300gが25円~40円ほどで売られています。
また、一人暮らしなどに適した小分けパック150g×3個で88円などでも売られています。
栄養成分としては、食物性たんぱく質は元より、女性ホルモンに化学構造が似ている大豆イソフラボンも豊富に含まれているので、美容などにも良いと言われています。
豆腐そのままで食べる冷や奴や湯豆腐の他に、癖が無いのでみそ汁の具や豆腐ハンバーグなど色々と使うことが出来ます。
納豆
またまた、大豆製品。日本人の朝食によく出てくる納豆です。(関西では嫌いな人も多いかもしれませんが。)
大豆を原料としているので、栄養価は言うまでもありませんが、50g×3パック入りが100円前後と安く買えるが魅力です。
1食当たり約30円。
納豆と言えばあのネバネバですが、そのネバネバ成分「ナットウキナーゼ」には血栓そのものを溶かす作用があり、血栓予防および血液サラサラ効果があると言われています。
ちなみに、血液の粘度が高くなり血栓ができやすくなるのは、寝ている時間の午前2時ごろと言われています。
その為、納豆は朝食べるというイメージがありますが、血栓の予防を目的とすると、夜寝る前の夕食に食べるのが理にかなっているようです。
バナナ
バナナは食材と言えるかどうか分かりませんが、加工せずともそのままで手軽に食べられ、1房5~6本で100円前後売られている安く買える食材の一つです。
バナナには、デンプン、ブドウ糖、果糖、ショ糖など色々な糖質が多く含まれるため、直ぐにエネルギーの補給をしたい、朝やスポーツ前などには最適です。
ビタミンやミネラルなども含まれていますが、中でもバナナに含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」の元となります。
このセロトニンの血中濃度が減少すると、うつ病などに掛かりやすくなり、反対に、「トリプトファン」を投与すると「うつ症状が改善された」という研究報告もあります。
果物のバナナ以外では、先ほどすでに紹介している「豆腐」や「納豆」にも多く含まれています。
鶏むね肉
牛肉や豚肉含め、数ある肉の種類の中でも、低脂肪高タンパクなのに、値段の安い「鶏むね肉」。
鶏むね肉は、通常100gが85円前後です。
鶏もも肉やささみ肉が130円前後/100gすることを考えると、かなり安い(約2/3の値段)です。
欠点は、他の鳥の部位と比べるとパサパサした感じがありますが、バンバンジーや、チキン南蛮などにすると美味しく食べられます。
ところで、最近では鶏むね肉に含まれている「イミダゾールジペプチド(カルノシン)」が注目を浴びています。
この「イミダゾールジペプチド」は抗疲労(疲労回復)物質として効果がある事が近年2014年の研究結果で分かりました。
この「イミダゾールジペプチド」は、食肉の中でも鶏むね肉に最も多く含まれています。
最近は、わかさ生活やDHCのサプリメントにも登場している注目成分です。
パスタ(スパゲッティーなど)
スパゲティーなどのパスタは、一袋500g入りがスーパーで150円前後売られています。
乾燥しているパスタは、未開封の場合、常温保存で3年ぐらい保存できるので、特売の日やネット通販で箱買いしておいても問題ありません。
標準的な一食分は100gなので、一袋500g入りが5食分になり非常に経済的です。
パスタソースも市販のもので、2食分が100円以下で売られているので、
自炊すると、パスタとソースで、1食100円以下は十分可能です。
卵(鶏卵)
卵は、スーパーで1パック10個入りが200円前後で売っています。
1個当たりの値段は、20円です。
日本人の大好きな卵かけご飯(生で)はもちろん、朝食の定番、卵焼きや目玉焼き、オムライスや親子丼、かつ丼にも欠かせません。
卵は、「完全栄養食」と言われるほど、栄養バランスが良く、ビタミンA,B,D,E、葉酸、鉄分なども含まれています。
また、体に必要な栄養素だけど、体内で合成できない為に食物から摂取する必要がある9種類の「必須アミノ酸」と呼ばれる成分が卵には過不足なく含まれ、
「必須アミノ酸」の充足率を表す「アミノ酸スコア」は、大豆、牛乳などとともに、満点である100を獲得しています。
最後に
今回は、一人暮らしの食費と節約法についてお送りしました。
いくらファストフードが安いからと言っても、自炊には敵いませんでしたね。
健康と節約を兼ね、是非自炊をしてみて下さい。
また、つい最近登場してきた「サブスク・ランチ」すごいですね。どこまで加盟店が増えるか次第ですが...
もし、料理のセンスが無く、自炊することが全く出来ない単身赴任のお父さんや、どうしても自炊する時間が取れない人などは、
を利用すると、良いかもしれません。
についてお伝えします。
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