引っ越し挨拶で粗品をもらった場合、お返しは必要?留守時の対処法も紹介

引っ越し挨拶
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最近は少しづつ減ってきている傾向にありますが、新居へ引越しをした時に、近所へのご挨拶を兼ねて、粗品(菓子折りや洗剤、タオルなど)を持ってきてくださる方がいます。

通常、世間一般では、

結婚式にご祝儀を持っていったら、「引き出物」としてお返しの品が返ってきたり、

お通夜やお葬式に参列して香典を置いてきた場合には、喪主の方が「香典返し」と言って、もらった額の半分~1/3程度のお返しをするのが、

一般常識となっています。

では、引っ越し挨拶として、粗品を頂いた場合、お返しをする必要はあるのでしょうか?

今回は、そんな疑問にお答えします。

引っ越し挨拶で粗品を送る側の気持ちを考える

「引っ越し蕎麦」という言葉(習慣)をご存知でしょうか?

引っ越し蕎麦とは、昔江戸時代、江戸(東京)を中心に始まった風習(その為大阪を中心とする関西には無い)で、

この「引越し蕎麦」には「蕎麦(そば)」と「側(そば)」を語呂合わせにして、ご近所さんの「側(そば)」に引っ越してきたので、「蕎麦(そば)」を配り、

『末永くあなたの側(そば)に』という意味合いを込めたという、江戸っ子らしい洒落(しゃれ)が効いていたり、

蕎麦の見た目から、「細く長くお付き合いください」という意味合いがあります。

また、金銭的にも蕎麦が安かった(ざるそば1つ16文:現代の価値に換算して約192円)ことから、気軽に持っていけるため、引っ越し挨拶の品として関東では広まりました。

しかし、蕎麦は生ものであったり、茹でた蕎麦は伸びてしまうことから、使い勝手が悪く徐々に廃れはじめ、昭和初期には、引越し蕎麦の風習はあまり見ることが出来なくなってしまいました。

その代わり、近代から現代では、日持ちする菓子折り、タオルや洗剤などの日用品に形を変え、ご近所に挨拶に行く風習と想いは、しっかりと受け継がれています。

このようなことから、粗品を持ってご挨拶に来る方としては、

「近所に引越して来ました。これからよろしくお付き合いください。」

また、

「引っ越し作業でご迷惑をお掛けしました。」や、

「自分の家には小さい子どもが居るので、少々騒がしくなるかも知れませんがご理解ください。」

などという気持ちと共に持ってきている粗品なのです。

そして、そもそも「引っ越し挨拶」とは、

挨拶に来る相手側としては、

「私は不審者ではありませんよ。コミュニティーに入れて下さいね。」という意味合いもあり、

また、挨拶を受ける側としては、

「今度引っ越してきた人どんな人なのだろう、変な人じゃないよね。」と安心感を得たいわけです。

お互いに「人を見定める初めての機会(ファーストインプレッション)」の場となるのが、引っ越し挨拶なのです。

もしも、お互い怪しい者同士の場合には、いきなり「西部劇の決闘」のような緊迫した雰囲気になってしまうはずです。

銃社会のアメリカや世界各国で、引っ越し挨拶という風習があるのかどうかはまた別の機会に紹介したいと思います。

引っ越し挨拶として、粗品を頂いた場合、お返しをする必要はあるのか?

挨拶をしに来る側が「粗品」を選ぶ時には、

「あまり高価なものだと相手も恐縮するし、お返しのいらない値段の範囲(大抵500円~1000円程)で何か良い物ないかなぁ~。」

と考えて選んでいます。

以上のような理由から、

引越し挨拶の「粗品(あえて立派な品ではなく『粗品に』している点がポイント)」に対しては、お返しする類のものではないという事が分かると思います。

基本的に、相手もお返ししてもらえることは全く期待していません。

ちなみに、旧居での退去時に、

「今までお世話になりました。」の意味を込めて挨拶兼がね、粗品を頂くこともありますが、これも同様の理由からお返しは不要です。

引っ越し挨拶に持っていく粗品については、

別記事『引っ越しに伴うご近所への挨拶はどうすれば?手土産や相場などの情報も。』で紹介しています。

但し、お返しは不要でも、他人様から物を頂くので

「わざわざ、お気遣いいただきありがとうございます。」

とか、

その後、顔を合わせた機会に

「先日頂いた○○、ありがたく使わせてもらっています。(食べ物の場合は:美味しく頂きました。)」

などと、きちんとしたお礼は、最低限言うようにして下さい。

相手の気遣いに対する「気持ちのキャッチボール」が大切です。

もし高価な品物を頂いてしまった場合はどうすればいい?

引っ越し挨拶の場合は、そもそも粗品でOKなのに、たまに、人の家に挨拶に行くのだからと、2~3000円以上もするような立派な菓子折りやギフトを持ってくる人もいます。

このように明らかに粗品の域を超えた「高価な品物」を頂いた場合はどうしたら良いのでしょうか?やはりお返しは必要ないのでしょうか?

基本的には、相手の気持ちを受け取るので、お返しは必要ありません。

ただ、あなたの気持ちとしてどうしても申し訳ないと思うのなら、

違った機会に、例えば実家に帰省した際に地元の名産品を買ってくるとか、どこか旅行に行った際にお土産を買ってくるなど、別の形で、「ギブ・アンド・テイク(=もらったらお返しをする)」を完結させれば問題ありません。

その方が、お互い気持ちよく接することが出来るはずです。

周りがみんな新しい住人(新築分譲マンションの一斉入居)の場合

新築分譲マンションの一斉入居では、引っ越し業者も指定(幹事引越業者が選定)された中で、短期間(1~2か月間)の間に、ほとんどの住人が一斉に入居(100戸単位で)してきます。

大規模タワマンなんかになると、1000戸を超す場合もあります。

新築分譲マンションの一斉入居での注意点については、

別記事『シチュエーション別、引っ越しのコツ(新築分譲マンション編)』で紹介しています。

新築分譲マンションに、入居予定の有る方は併せて確認しておくといいと思います。

このような一斉に住人が引っ越してくる「新築分譲マンションの一斉入居」では、当然周りの人たちも引越して来たばかり、そしてあなた自身も引っ越して来たばかりとなるはずです。

もし、相手があなたのところに粗品を持って引っ越し挨拶に来て、あなたはまだ引っ越し挨拶に行っていない場合は、お返しをするというよりは、改めて挨拶に伺うという事で粗品を持参したらいいと思います。

新築分譲マンションの場合は、その後長年に渡り、付き合いを共にする関係となる(子供も含め家族ぐるみの付き合いとなる場合も珍しくない)ので、挨拶に行かないという選択はあり得ません。

単身世帯では引っ越し挨拶に行かない人も増えている昨今ですが、

新築分譲マンションの場合は、住人のなんと『90%以上』がご近所への挨拶をした。というデータもあるぐらいです。

昔から「隣三軒両隣」という言葉が有るように、自分の部屋と接する「両隣」と「上下の階」には最低限挨拶しておくようにしましょう。

もし、そのマンションの当該エリアで、あなたが真っ先に入居したのであれば、両隣の空き状況(入居状況)などは確認しておき、適宜挨拶に行かれた方がいいでしょう。

留守中に、玄関ドアに粗品が掛かっていた場合の対応方法

あなたが留守にしていたり、相手と生活の時間帯が合わず、何度か挨拶に来たにも関わらず、会えずじまいになってしまった場合、

相手もすでに粗品を用意していた都合も有り、挨拶状(手紙)とともに、

ドアノブやポストに粗品が置かれていたなんてことも、よくある話です。

本来の「顔見せ」の意味からすると、目的を達していないのですが、相手もどうしようもなくそうしてしまうのでしょう。

このような、相手から一方的に引っ越し挨拶を受けてしまった場合にはどうしたらいいでしょうか?

こちらが相手の部屋に出向いて挨拶すれば、向こうもあなたがどういう人か分かるので安心するでしょうし、直接面と向かってお礼が言えるのでそれが本来はベストでしょう。

しかし、女性の一人暮らしなどで、自分からわざわざ訪ねるのはちょっとね。と思う場合には、相手のポストに簡単な文面でもいいので「お礼の手紙」を書いて投函しておくことです。

「あなたの気持ち(品物)は受け取りました。ありがとう。」とお礼を述べるのは、最低限のマナーです。これもキャッチボール(お返し)の一つです。

相手との人間関係では、この『お互いのキャッチボールが出来ない人』はハッキリ言って嫌われます。

人から物や好意や時間をもらうばっかりで、他人にちっとも返さないで平気でいる人と、誰が付き合いたいと思いますか?

自分がされてうれしいことは相手にもしてあげる。自分がして欲しくないことは相手にもしない。

そんな当たり前のことを考えれば、どうすればいいか、分かりますよね?

最後に

『引っ越し挨拶で粗品をもらった場合、お返しは必要?留守時の対処法も紹介』というテーマでお送りした今回、最後にもう一度結論をまとめると、

・もらった粗品(品物)に対しては、物としてお返しする必要はない。
・しかし、物をくれた気持ちに対しては、ありがとうという「気持ち(お礼)」をお返しするのは当然のマナー。
・人との付き合いでは、お互いのキャッチボールが大切。

以上です。

もし、今度は逆にあなたが引越し挨拶を持って行く立場となった場合、どんなものをいつ持って行けばいいのか?あなたが独身女性の一人暮らしの場合は、挨拶に行った方が良いのか行かない方が良いのか?

また、挨拶に行ったけど相手が不在だった時はどうしたらいいのかなど、引越し挨拶について分からないことは、こちらの記事をご覧ください。


それでは、また次回。

と題してお送りします。

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