今回は、「引っ越しして車のナンバープレートを変更しないとどうなる?変更費用や具体的手続き、代行業者利用法まで詳しく紹介」と題して、引っ越しにより住所が変わった際の、車のナンバープレート変更に関する情報をお伝えします。
そもそもナンバープレートがどういった役割の物なのかや、ナンバープレートを変更しない場合の罰則やデメリット、
そして、一番あなたが気になっているであろう、ナンバープレートを変更する際に、何日ぐらい掛かるのか、変更する時に掛かる費用や具体的手続きの手順、自分で手続きをせずに代行してもらう方法などを解説します。
そもそもナンバープレートの役割とは?
車やバイクに付いている「ナンバープレート」。
そもそも何のために付いているのでしょうか?ナンバープレートの役割とは何でしょうか?
車やバイクの個体識別をするためのものであり、また、車両と所有者を関連付けるためのものです。
車やバイクの個体識別だけであれば、車体番号という「識別番号や刻印」が車両のフレームなどに表示されています。
これによって、いつ製造されたどこのメーカーの物かなどが分かるようになっています。
しかし、ナンバープレートが無い場合は、所有者不明もしくは関連付けられていない為、「所有者」が特定できません。
ナンバープレートによって所有者が特定できることで、各種の自動車関連の手続きがスムーズに行ったり、場合によっては犯罪捜査や犯人特定につながる大事なものです。
また、車種や目的によって、レンタカーは「わ」ナンバー、在日米軍関係者の車両は「Y」ナンバーであったり、タクシーやトラックなどの業務用(事業用)車両は緑地に白文字のナンバーだったりと、車の用途や種類を識別するためにも用いています。
引越しした時は、ナンバープレートを変える必要がある
e-Gov法令検索「道路運送車両法」(令和元年六月十四日改正)第12条第1項によると、
「自動車の所有者は、登録されている型式、車台番号、原動機の型式、所有者の氏名若しくは名称若しくは住所又は使用の本拠の位置に変更があつたときは、その事由があつた日から十五日以内に、国土交通大臣の行う変更登録の申請をしなければならない。」
また、同じく道路運送車両法第109条には、
次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
二 第十二条第一項、第十三条第一項又は第十五条第一項の規定による申請をせず、又は虚偽の申請をした者
と規定されています。
そしてこれは、ナンバープレート変更の必要のない「同市区町村内」での引っ越しでも、住所変更手続きは必要です。
また、車庫証明については、居住している場所(自宅)から直線距離で2㎞以内に車の保管場所を用意する必要があることから、現在使用している車庫から直線距離で2㎞以上引越しした場合には、再度車庫証明書の取得が必要となります。
しかし、実際には住所変更しないからといって、罰金を科されたという話は、まず聞きません。実はそのことが、みんなナンバープレート変更をしなくてもいいやとなっている理由かもしれませんが...
もしナンバープレートを変更しないとどうなる?
問題点1:自動車税の支払通知書が届かない
これが一番大きな問題となるかもしれません。
毎年5月頃になると送られてくる自動車重量税(5ナンバー2000㏄未満で年間約4万円)支払いの通知。
この自動車重量税支払いの通知は、ナンバープレートの変更含む車検証の住所変更手続きをしておかないと、車検証に登録されている住所に送られてしまいます。
すると、通知が来ているのに全く知らずに、気が付いたら税金を滞納していたなんてことになり兼ねません。
そして、
問題点2:車のリコール通知が届かない
これも実は大きな問題です。
リコールとは、車の部品や構造などに設計や製造上の致命的な欠陥が発見された場合に、安全上の緊急性から、該当するユーザー全員に連絡がされ、無償で交換や点検を受けられるというか、絶対受けて下さいというものです。
近年では、タカタ製のエアバックに致命的な欠陥があり、全世界で過去何名もの死者が出たことから、エアバック部品の交換についてリコールが出されたことを覚えている人も多いかと思います。
このように、車両火災や重大な事故、死亡事故にも繋がり兼ねない欠陥などが有った場合に、ユーザーは自身の安全のためにも必ず知っておかなければならない事なのです。
このリコール通知が来ないが為に、安全だと思って乗っている車が、実はあなたにとっての凶器となるとしたら、知らないって怖いですよね。
問題点3:廃車や譲渡の時、証明書類を揃えるのが大変
車を譲渡したり、廃車にしようとすると、当然車検証と共に、住民票を揃えなければなりませんが、住民票の住所と車検証の住所が一致していないと、そのままでは手続きを行うことが出来ません。
その為、特に何度も転居を繰り返している場合には、その住所の履歴を証明するための書類が必要となり、書類を準備するだけでも大変になります。
ご当地ナンバーなどナンバープレートにはどういう種類があるの?
希望ナンバー
「希望ナンバー」とは、あなたにとってメッチャ希望が持てるナンバーという意味では当然なく、あなたの欲しい希望するナンバーが取得できる(数字部分が自由に選べる)と言う制度です。
これは、ナンバープレートを新規に取得する際や、今回のテーマのように、引越しに伴い住所変更(ナンバープレートの変更)をする場合などに利用することが出来ます。
あなたが希望するナンバーを取りたい場合は、まず「希望番号予約センター」で希望する番号の抽選に応募し、その抽選に当たると「希望番号予約済証」が受け取れます。
申込みは、毎週日曜日に締め切られ、翌日月曜日に抽選となっています。
この「希望番号予約済証」を持って、運輸支局の窓口に行きナンバー登録もしくは変更の手続きを行うと、あなたが希望したナンバーをあなたの車に取り付けることが出来ます。
希望ナンバーの場合、購入費用が約5000円掛かります。
但し、一点だけ注意点が。
希望ナンバーは、「予約済証」を受け取ってからナンバープレート交付までに1週間程度(土日祝日等除く)掛かります。その期間は楽しみに待つようにして下さい。
詳細は、一般社団法人 全国自動車標板協議会「希望番号申込サービス」
図柄ナンバー
2018年10月1日から、地方版図柄入りナンバーの導入が始まっています。
かなり特徴のある地域ごとの図柄が用意されているので、引越し先の図柄ナンバーを楽しみにするのもいいかと思います。
画像引用元:国土交通省「地方版図柄入りナンバープレート」
また、最近では、2019年のラグビーワールドカップや2020年東京オリンピックを資金的にサポートする意味合いでも、このような「イベント記念」ナンバーも登場しています。
画像引用元:国土交通省「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレート」
図柄ナンバーは受注生産となっている為に、入金確認から10日前後掛かります。運輸支局に行く日から逆算して余裕を持って申込みしておきましょう。
また、図柄ナンバーの価格は7,000円~9,000円程です。
図柄ナンバーについての詳細は、一般社団法人 全国自動車標板協議会「図柄ナンバー申込サービス」
ナンバープレート変更の手続きはどうしたらいい?
全体の流れとしては以下の通りになります。
(1)必要書類を準備する。
↓
(2)車庫証明を取得する。(最寄りの警察署へ。軽自動車は不要の場合が多い)
↓
(3)必ず所有している(ナンバープレートを変更したい)車に乗って、管轄の陸運局または軽自動車検査協会へ行く。現車の無い手続きのみは出来ないので注意して下さい。
↓
(4)古いナンバープレートを返却
↓
(5)新しい車検証を取得する。
↓
(6)新しいナンバーが交付される。
↓
(7)新しいナンバープレートの購入&取付(封印)
次の項では、各項目ごとに詳細を解説していきます。
ナンバープレート変更手続き手順その1:必要書類の準備
まず最初にすべきは、ナンバープレートの変更をするためには、変更する新しい住所地(引越し先)で「車庫(保管場所)が確保できている」ことを示す、車庫証明を取得していなければなりません。
そのため、車庫証明を取得する手続きには以下の書類と印鑑が必要になります。
車検証と住民票、印鑑はすぐ準備出来ると思うので、問題は、1と2の書類です。
一戸建てなどで自宅の敷地内に駐車場が有る場合は、保管場所の見取り図をあなたが作成します。
賃貸物件でマンションやアパートを借りている場合、物件に備え付けの駐車場を利用している場合は、不動産会社などに言えば出して貰えます。
また、あなたが住んでいる物件から少し離れた民間の月極駐車場などを借りている場合は、そちらの会社に話をして証明書を出して貰って下さい。
一般的に、事務手数料として3,000~5,000円程請求されると思います。
1.自動車保管場所使用承諾証明書(賃貸で駐車場を借りている場合)
2.車の保管場所の見取り図又は配置図
3.車検証(無くても手続き上問題無いが、車検証を見ながら「車名」や「型式」を書く必要があります。)
4.住民票
5.印鑑(但し、役所で取る「印鑑証明」は不要)
6.委任状(手続きをディーラーなどにお願いする場合)
ナンバープレート変更手続き手順その2:近くの警察署へ車庫証明書の取得に行く
その1で必要書類が準備出来たら、平日の昼間の時間帯(8:30~17:00、但しお昼休み時間は手続き不可。また各警察署により時間は変動する場合有)に最寄りの警察署に行き、車庫証明書取得のための手続きを行います。
なお、軽自動車の場合には車庫証明書が不要な場合が多いので、必要無い場合はこの項目は読み飛ばして構いません。
但し、軽自動車でも「住んでいる地域や場所」によっては、車庫証明書が必要となることもありますので、詳細はお住いの地域の警察署のホームページなどで確認して下さい。
手続き自体は、申請用紙に記入し、持っていった必要書類を添付して出すと、申請から最短3日、最大7日ほどで車庫証明書が発行されます。
発行予定日になったら、また平日に警察署へ行き、車庫証明書を受け取ります。この時、納入通知兼領収書と手数料(500~600円)を忘れずに。
また、警察署によっては、「使用の本拠の位置が確認できるもの」の提出を求められる場合があります。
この「確認できるもの」としては、電気やガスなど公共料金の領収書や運転免許証などがあります。
どうせ運転免許証の住所変更もしておいた方が良いので、運転免許証の住所変更(記載事項変更手続き)と車庫証明書の申請を同日に済ませてしまった方が効率的です。
免許の住所変更は、即日処理もしくは即日交付が可能です。
なお、車庫証明書の交付と同時に、「保管場所標章番号通知書」と「保管場所標章」が渡されます。
「保管場所標章番号通知書」は車検証と一緒に保管し、
「保管場所標章(ステッカー)」は車の後部窓ガラスの部分に貼っておいてください。
ナンバープレート変更手続き手順その3:新しい住所地を管轄している運輸支局もしくは軽自動車検査協会へ行く
手続きその2で、警察署から「車庫証明書」が入手出来たら、
次は、あなたの新しい住所地を管轄している、
普通自動車の場合は「陸運局」の『運輸支局もしくは自動車検査登録事務所』へ、
軽自動車の場合は「軽自動車検査協会」の『XX事務所○○支所』へ、
それぞれ行きます。
但し、ここで注意しなければならないのは、
東京都を例に挙げると、
東京23区内は、
品川区や渋谷区、千代田区などは、品川ナンバー(東京運輸支局:品川)
そして世田谷区のみ世田谷ナンバーとなりますが行くのは(東京運輸支局:品川)
となり、
足立区や荒川区、江東区などは、足立ナンバー(足立自動車検査登録事務所)
練馬区や新宿区、板橋区などは、練馬ナンバー(練馬自動車検査登録事務所)
杉並区のみ杉並ナンバーとなりますが行くのは(練馬自動車検査登録事務所)
とそれぞれ異なっています。
23区以外では、
多摩市や立川市、町田市などは、多摩ナンバー(多摩自動車検査登録事務所)
八王子市や青梅市、西多摩市などは、八王子ナンバー(八王子自動車検査登録事務所)
東京の離島、大島や八丈島などは、品川ナンバー(東京運輸支局:品川)
といったように細かく分かれています。
知らないと、どこに行ったらいいか正直分かりませんね。
あなたがどこへ行かなきゃならないか場所の確認は、
普通自動車の場合、国土交通省「全国運輸支局等のご案内」
軽自動車の場合、軽自動車検査協会「全国の事務所支所一覧」
からそれぞれ探すことが出来ます。
ナンバープレート変更手続き手順その4以降:運輸支局または軽自動車検査協会で手続きを行う
ナンバープレートの変更手続きに必要な書類等は、以下の通りです。
具体的手順その1:ナンバープレートの取り外しと返却
運輸支局などに到着したら、まずは今付いているナンバープレートを自分でドライバーを使って取り外します。普段持っていない人は、ネジ穴に合うサイズのドライバーを持っていくといいでしょう。
取外しの手順は、最初に右側のビスを緩め、次に左側の封印を無理にこじ開け、最後に真ん中のビスを緩めると外すことができます。
取り外したナンバープレートは返却します。
具体的手順その2:必要書類の提出&手続きの申請
申請書に記入し、持ってきた必要書類を添付し、窓口で渡すと手続きを進めてくれます。
具体的手順その3:新しい車検証を入手する
しばらく待っていると呼ばれるので、新しい車検証(住所変更がされたもの)を受け取って下さい。
新しい車検証を受け取る時、新しい住所及び氏名に誤りが無いかあなたの方でもしっかりチェックして下さい。
具体的手順その4:自動車税の申告窓口に行く
自動車税の申告窓口で、車検証に記載されている住所の変更が有った旨を伝えて、「自動車税申告書」を提出して下さい。
それをすることで、翌年以降の自動車税がきちんと新しい住所に届くようになります。
具体的手順その5:新しいナンバープレートの購入
ナンバー交付窓口に行くと、新しいナンバープレートが入手できます。
通常ナンバーであれば、ナンバープレート代1,500円を支払い、新しいナンバープレート及び付属の取付ボルトと封印の取付台を受け取ります。
希望ナンバーや図柄ナンバーなどを予約していた場合は、ここで「希望番号予約済証」などを出してください。
具体的手順その6:新しいナンバープレートの取付&封印
最後に、自分の車の場所に戻り、新しいナンバープレートを取り付け、係の人に封印をしてもらえば、全て完了です。
ここまで、ナンバープレート変更に掛かる費用は、地域により多少前後しますが、概ね
通常のナンバーであれば、プレート代が1500円、申請用紙と登録手数料で約500円、合計2000円程でナンバープレートの変更が可能です。
ナンバープレート変更を代行してもらう方法
ここまで説明してきたように、車庫証明の取得にはじまり、運輸支局へナンバープレート変更をしに行き、全ての手続きが完了するまでには、最低3回も平日に休みを取らなければ、なりません。
平日昼間、普通に働いているサラリーマンにそんなことが出来るのでしょうか?普通は出来ないと思います。
特に、引っ越し直後は、あちこちへ住所変更の関連手続きに行かなければならないので、非常に忙しくなります。
自分は仕事が忙しくて、平日に3日も休みを取るなんて「とても無理!」という場合には、車やバイクの住所変更やナンバープレートの変更手続きを代行してくれるサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
料金相場は、約2~5万円で、車庫証明の取得からナンバープレート変更まで全て行ってもらえるようです。
あなたのお住まいの地域の「行政書士」事務所で取り扱っている場合が多いので、必要ならば相談してみてはいかがでしょうか?また、車のディーラーや販売代理店でも代行してくれます。
さらに、このような行政書士などの中でも、特別に資格を持っている場合には、自宅などの車庫に出向いてもらってナンバーの封印まで行うことが可能な「出張封印」ができる代行業者もあります。
この「出張封印」を利用すると、車を陸運支局などに持ち込む必要が無い為、時間と手間が削減でき大変便利です。
また、平日だけでなく、土日なども対応してもらえる場合が多いので、働く人には非常に助かります。
詳細は、高村行政書士事務所「自動車登録・出張封印サポート」などで確認してみて下さい。
車のナンバーを変更したら、必ず保険会社へ連絡
車のナンバープレートを変更した際は、必ず保険会社に変更の連絡をして下さい。
車のナンバー変更を連絡しておかないと、万が一の場合に保険の適用とならなくなるので、忘れずにやっておいてください。
引越しに伴う保険会社への住所変更手続きなどはこちらの記事をご確認下さい。
「引っ越しに伴う住所変更手続き(その5)銀行口座、生命保険、火災保険、生協など」
最後に
もう一度、ザックリ手順をまとめると、
以上となります。
なお、運輸支局(車検場)は、日常的に自動車の検査や登録で、自動車のディーラーや販売店のスタッフなど(プロ)で混み合っています。
特に、月末や決算期の3月などは非常に混み合い、この時に行くとかなりの時間待たされることになります。
もし自分で手続きを行う場合は、これらの繁忙期は出来るだけ外し、また通常期でもプロの人が少ない「月曜日から水曜日」は比較的狙い目です。
平日昼間に手続きのための時間が取れない人は、多少お金はかかってしまいますが、代行業者(行政書士など)に頼んだ方が非常に便利です。
では、また次回。
と題してお送りします。
こちらの記事も併せてどうぞ。


