トランクルームに住むことは出来るのか???住居やネットカフェとの違い

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ネットカフェには、もはや「住んでいる」とまで言える人っていますよね。

では、似たような狭いスペース(0.5~6畳)であるトランクルーム(レンタル収納スペース)に住むことは出来るのでしょうか?

家賃を抑えたい、トランクルームをワークスペースや書斎として使いたい。など理由は人様々でしょう。

しかもトランクルームなら、2畳の広さで月額2万円ほどです。

住むまでいかなくても「寝るだけ」なら、カプセルホテル代わりにも出来そうな気がしますよね。

こんな週刊誌記事(ネタ?)もありますが、実際はどうなのでしょうか?

今回は「トランクルームに住むことは出来るのか???住居やネットカフェとの違い」と題してお伝えします。

トランクルームに住むなら屋外型より屋内型?

昔からある、トランクルームというよりコンテナ(倉庫)。

季節ものの家財や趣味の道具などを保管するために利用している人も多いと思います。

しかし、屋外型のコンテナは、直射日光、雨風にさらされ、さらには空調が付いてないことがほとんどです。

住もうと考えるとちょっと過酷な環境ですよね。

トランクルームに住もうと考えるなら、近年急増中の屋内型トランクルーム(レンタル収納スペース)の方が断然良いのではないでしょうか?

トランクルームの特徴その1:空調完備

最近よくある、屋内型と呼ばれるトランクルームでは、温度湿度管理がしっかりとされていて、蒸し暑い夏や湿度の高い梅雨時期でも、一定の環境に保たれています。

すごく快適そうです。

トランクルームの特徴その2:選べる広さと料金相場

トランクルーム会社によって、部屋の広さに多少差がありますが、どこの会社のトランクルームでも、広さによって、数タイプに分かれているのが普通です。

トランクルームは大体、最小サイズの0.6畳(0.5畳)、1畳、2畳、4畳(4.5畳)、6畳(6.5畳)、最大8畳(地域によっては無い場合も多い)の5~6種類の中から用途に合わせて選べるようになっています。

以下の表が、全国の料金相場(平均価格)と考えて下さい。

部屋の広さ東京都心東京郊外札幌中心部大阪中心部福岡中心部
0.5畳¥13,350¥6,700¥7,150¥7,100¥6,900
1畳¥22,150¥11,050¥9,100¥10,700¥10,900
2畳¥37,700¥18,250¥17,600¥15,800¥18,300
4畳¥66,600¥34,600¥31,600¥33,900¥40,900
6.5畳¥47,600¥45,150¥43,900¥52,000

4畳や6.5畳もあれば、普通に人が住める広さですよね。しかし、トランクルームで4畳や6.5畳の料金は、月額3~5万円もするので、これならアパートを借りた方が良さそうです。

一方で、寝るだけなら1畳か2畳もあれば十分で、

トランクルーム1畳の場合、東京都の中心部(港区など)を除けば、東京都郊外(八王子)や札幌・大阪・福岡などの便利な都市中心部でも、月額料金1万円前後で借りることができてしまいます。

便利な都市中心部に、なんとたった1万円で住めてしまう?可能性が出てきました。

トランクルームに住みたいと考える理由は様々

単純に住む家の家賃を抑えたい。

毎日残業続きで、どうせ家は寝に帰るだけだから、カプセルホテルに泊まるよりも、月額で考えたらトランクルームは断然安そうとか。

その他、どうせトランクルームを借りるから、最近流行りのワーキングスペースや一人だけの空間(書斎代わり)として使いたいなど、人により理由は様々だと思います。

トランクルームに住むことは可能なのか?

問題点1:トランクルームは住居や宿泊施設ではない。法律から見るホテルやネットカフェとの違い

トランクルームとレンタル収納スペースを法律面から見てみましょう。

倉庫業法第二条第三項
この法律で「トランクルーム」とは、その全部又は一部を寄託を受けた個人(事業として又は事業のために寄託契約の当事者となる場合におけるものを除く。以下「消費者」という。)の物品の保管の用に供する倉庫をいう。

出典:デジタル庁 e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp)倉庫業法

つまり、

トランクルームとレンタル収納スペースは、法律では【倉庫業法】による扱いで、『物品の保管の用に供する倉庫』と規定されているため、宿泊するなど住居として利用することが禁止されています。

ちなみに、荷物を『預ける』場所が「トランクルーム」、収納場所を『借りる』のが「レンタル収納スペース」という事になっています。

この説明では両者の違いがピンときませんが、厳密に区分すると、トランクルームとレンタル収納スペースは、全く別モノです。

・倉庫業者が運営するもの(国土交通大臣への届け出が必要)⇒トランクルーム
・『非』倉庫業者が運営するもの(開業に特別な許可は不要)⇒レンタル収納スペース

最近、レンタル収納スペース(屋内型&屋外型トランクルーム)が急増している背景には、こういった開業の手軽さも追い風になっているのです。

一方、

住むためのアパートやマンションは『借地借家法』(不動産賃貸借契約に基づく)、ホテルや旅館は『旅館業法』が適用されています。

そして、マンガ喫茶やネットカフェは、あの手この手で風俗営業法の適用にならないように、色々と工夫して運営されています。(仕切りの壁の高さとか、個室の大きさとか規制が色々とあるそうです...)

風営法適用になってしまうと、24時間営業できなくなったり、18歳未満が利用できなくなってしまい、不便になってしまうからです。

マンガ喫茶やネットカフェの長時間滞在パックなどは、宿泊が目的ではなく、あくまで『仮眠』も出来るスペースということで、様々な法律を回避しているとのこと。

参照:民泊許可.com「インターネットカフェは旅館業ではないか?」

それぞれの業態には、このように業態を管理する法律に違いがあります。

トランクルームとレンタル収納スペースは、(人が)宿泊する行為が禁止されています。あくまで「モノ」を保管する場所です。

問題点2:住民票を登録できない

先ほど説明したように、トランクルームはあくまで荷物を保管する場所、つまり人が住む場所ではありません。

民法第22条「第4節 住所」によると、

「各人の生活の本拠をその者の住所とする。」

出典:デジタル庁 e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp)民法

とされており、居住用として認められていないトランクルームには住所を登録できないという事になります。

すなわち、住所登録できないので、住民票を移すことも出来ません。

また、倉庫は住所登録が出来ないので、郵便物を受け取ることすら出来ません。

問題点3:長時間の滞在すら禁止。トランクルームに住むことは契約違反!

だったら宿泊せずに、日中、ワーキングスペースや書斎として一時的に利用すれば大丈夫なのかと考える方がいるかもしれません。

しかし、そこは、運営会社もよく考えています。

あなたがトランクルーム(またはレンタル収納スペース)を借りる際には、必ず契約書を交わしてから利用するはずです。

そして、契約書の中に書かれているトランクルームの利用規約の中には、宿泊は元より長時間の滞在【収納以外の目的での利用】を禁止する条項(禁止事項)が記載されています。

その為、宿泊をしなくても、長時間滞在するだけで規約違反となります。

この長時間がどのぐらいかというのは、トランクルームの運営会社により時間はまちまちだと思いますが、最大でも2時間程度がいいところでしょう。

荷物の出し入れだけにしては、あまりにも不自然に長時間滞在している場合は、スタッフに声を掛けられることも有るでしょうし、防犯カメラの映像を元に、警備員がやって来ないとも限りません。

当然、宿泊や長時間滞在がばれると、規約違反として、強制解約となるのはもちろん、違約金や罰金を払う事態になってしまうので注意して下さい。

もし、長時間滞在したいならば、最近『滞在型トランクルーム(ホビーハウスなど)』と呼ばれる物件が人気です。

詳細はこちらの記事「ライゼホビー大阪と東京での料金相場を徹底調査。特徴や住むことは出来るのか?も解説」をご覧下さい。

関西で物件数の多いオレンジコンテナでは、電源付き、エアコン付きのコンテナも登場しています。バイクガレージやリモートワークの場所などとして利用可能です。

オレンジコンテナについて詳細を確認したい方はこちらの記事「オレンジコンテナを契約する前に。サイズとルームタイプ、注意点を確認」をご覧下さい。

また、「ユースペース(U-SPACE)」では同じく一時滞在型として『隠れ家ルーム』というタイプが用意されています。

「ユースペース(U-SPACE)」の滞在型トランクルームについては「ユースペース(U-SPACE)のトランクルームを初期費用から評判まで徹底解説」をご覧下さい。

問題点4:人の長時間滞在を前提に設計されていない

ここまで見てきたように、法律面から見ても、宿泊はもちろん長時間の滞在など考えておらず、短時間の荷物の出し入れのみに用途が限定されているため、人が滞在するようには設備が作られていません。

屋内型のトランクルームは、空調が効いているとはいえ、

室内にトイレや水道が無いことはもちろん、コンセントもありません。

もしトイレが設置されてあったとしても、屋外に作られているなど長時間滞在されない工夫がされています。

問題点5:監視カメラや警備システムであなたの行動は筒抜け

大手トランクルーム会社であれば、ほぼ100%監視カメラが設置されておりセキュリティセンターで遠隔監視が行われています。また、定期的にスタッフや警備員により巡回警備が行われている場合もあります。

さらには、屋内型トランクルームであれば、入退館にICカードキーを使った管理が行われているので、調べればあなたの入退館時間までバッチリ分かってしまいます。

あなたの不審な行動は全てお見通しです。

長時間滞在していることが発覚しないという事は、むしろ不可能かもしれません。

もし見つかった場合は強制退去となるので、トランクルームに住むことは絶対に止めて下さい。

問題点6:トラブルの危険性も

過去にトランクルームにおいて盗難が発生しているということがツイッターなどで話題となったことがありました。

では一体だれが他人の荷物を盗んでいるのでしょう?

一番の可能性は、トランクルームのスタッフの可能性が疑われますが、

もし、あなたがトランクルームに住んでいたとするならば、あなたも盗難被害の『容疑者』として疑われてしまう可能性が高いです。

また仮に、他の利用者が荷物出し入れで、あなたが住んでいる部屋の隣りにやってきたとしたら、気配や息遣いなどで人の気配を感じ、通報されてしまうかもしれません。

何かとトラブルの種になるので、トランクルームに住むことは絶対に止めて下さい。

問題点7:万が一の時が危険すぎる

ここまで紹介した様々なリスクやセキュリティーをものともせず、『仮に』何とか潜り込んで生活できたとしましょう。(あくまで仮定の話です)

しかし、本当はその場所に「人が居てはいけない」事なのに、その場所にいる状況というのは、あなたの『存在が認知されていない』ことに他なりません。

すると、管理運営の為に、外から強制的に施錠されてしまうかもしれませんし、万が一火事や地震などの災害が起こった時も、そこに人はいないことになってしまうのです。

当然、そこには消防や自衛隊などの救助は来ません。人がいないはずなのですから。

こんなリスクを冒してまで、トランクルームに住みたいですか?

結論:トランクルームには住むことはもちろん、長時間の滞在すら不可。

最後に、結論として話をまとめます。

・トランクルームは、人が住む場所ではなく物を保管する場所(法律面でも)
・住んだり長時間滞在が発覚すると、規約違反となり強制解約&違約金を請求される可能性が極めて高い

以上、

賢明な皆さんは、

トランクルームを住居代わりに使用することは絶対に止めて下さい。

ちょっと郊外に目を向ければ、少なくともトランクルームを借りるよりは、人が住むためのそれなりに広くて安い住居(10㎡以下の狭小物件や風呂無しトイレ共同の4畳半のアパートなど)が必ず見つかるはずですし、

また、田舎の方なら、高齢化や空き家の増加により、月額1万円の格安家賃とかで広い一軒家が提供されたり、移住に際して支度金や補助金まで出してくれる自治体まであります。

もし、お金が無い、住むところが無いからという状況になったとしても、トランクルームに住む選択だけは絶対にしないでください。

他に生きる方法は必ずあります。

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ではまた次回。

と題してお送りします。