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お金を掛けずに引っ越したいからと、引っ越し業者に頼まず、自分で引っ越し出来ないかと考える方もいるかと思います。
また、昨今では、引越業者に頼むことが出来ず引っ越し難民になってしまい、仕方なく自分で引越ししなければならなくなった人もいるかもしれません。
今回は、「レンタカーを借りて自分で引っ越し作業をすると安い費用で出来るのか?」というタイトルで、レンタカーや自家用車を使って引っ越しすると、引越業者にお願いするより本当にお得なのか?
また、自分でセルフ引っ越しするときの注意点などについて、お伝えします。
条件によっては、引っ越し業者に頼んだ方が、断然「お得」な場合も多いです。
- 本当に引っ越し作業を自分で出来るのかシミュレーションしてみる
- (1)もし、あなたが自家用車として荷物がたくさん載せられる「ワンボックスカー」などを所有していれば別ですが、それ以外の場合は、荷物が載せられる車を、誰かから借りなくてはなりません。
- (2)あなたが引っ越しをする際に運搬しなければならない荷物量では、どの程度の大きさの車を借りる必要があるのか、あなた自身で把握できますか?
- (3)冷蔵庫の引っ越しを自分でする場合の注意点
- (4)荷物を梱包する資材は自分で用意しなければならない。
- (5)冷蔵庫などの大型の荷物をあなた一人で運べますか?そうでない場合は、あなた以外に、親類、友人などのサポートを借りなくてはいけません。
- (6)エアコンなど専門的な取り付け取り外しが必要なものは無いか?
- (7)あなた自身で荷物を運ぶ場合は、もちろん自己責任になります。
- (8)エレベーターが無く、狭い階段を使わなければならない場合は、安全の為にも、引っ越し業者(運送業者)を利用したほうがいいでしょう。
- (9)引っ越しの際の養生(ようじょう=床や壁が傷つかないよう保護マットやダンボールなどで保護すること)は必要です。
- (10)あなたが引っ越し作業を行う場所は、駐禁(取り締まりの厳しいエリア)ではありませんか?
- まとめ:単純な費用の比較だけではなく、様々なリスクを加味して総合的に判断することが、引っ越しでは大事です。
本当に引っ越し作業を自分で出来るのかシミュレーションしてみる
自分で引っ越しする際に必須となるのが、運搬用の車、機材、人員です。
(1)もし、あなたが自家用車として荷物がたくさん載せられる「ワンボックスカー」などを所有していれば別ですが、それ以外の場合は、荷物が載せられる車を、誰かから借りなくてはなりません。
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友人や親類から車を借りる場合
特に親類のおじさんなどの場合は、30歳未満不担保(=30歳未満が事故を起こしても保険は適用されない)、家族限定などの条件付きで、安く保険を契約していることがあります。
レンタカーを借りる場合
このほかに別途保険料などが加算されます。
[軽トラック]:
3時間まで4700円、6時間まで5500円、24時間まで8300円
[商用バン(NV200など)]:
3時間まで6700円、6時間まで7200円、24時間まで11000円
[2トントラック]:
3時間まで7200円、6時間まで8800円、24時間まで14000円
またレンタカーの場合、
その他、ガソリン代、高速料金などは実費で別途掛かります。
以上のことから、
ということが理解できたのではないでしょうか?
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荷物が少なく軽トラック程度で運べる量しかない場合
荷物が軽トラック程度で運べる量であれば、赤帽にお願いするのも手です。
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赤帽:作業時間2時間以内・走行距離20㎞以内の場合で、
13,500円(1台1工程・ドライバー1名、土曜、日曜・祝日の場合、2割増)
詳細は、
「引っ越しに赤帽を使うのはどんな時?引越業者との違い。」を参照して下さい。
(2)あなたが引っ越しをする際に運搬しなければならない荷物量では、どの程度の大きさの車を借りる必要があるのか、あなた自身で把握できますか?
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通常、引っ越し業者に頼んだ場合、費用及び必要なトラックサイズは業者が選定してくれます。
ちなみに、赤帽(軽トラック)で積載できる目安として、赤帽のサイトに掲載されているのは、エアコン、ベッド、テレビ、冷蔵庫などを除くと、ダンボールとして載せられるのは10箱分です。
軽トラ、自家用ワンボックスカー(セレナ、ステップワゴン)、ハイエース、2tショート、2tロングトラックなど、車のサイズ別に荷物が乗る量の目安は、
別記事、『引っ越しトラックどのぐらいの荷物が積めるのか?各サイズの比較と積載例』で紹介しています。是非参考にしてみて下さい。
(3)冷蔵庫の引っ越しを自分でする場合の注意点
実は、引っ越し荷物で一番注意が必要なのは「冷蔵庫」です。

引越し時に横に寝かせて運搬したことで、修理不能のトラブルに陥ることが多くあります。これは、長時間横に寝かせた状態にすることで、コンプレッサー内部の潤滑油が冷却システムにまわってしまうのが原因です。必ず立てた状態での運搬をお願いします。ただし、ドアを通す際や車への積み込み時など、短時間の横置きは問題ありません。
ですから、自分で引っ越しを行う場合は、「冷蔵庫」を立てた状態で、車に積載可能な高さ(車内空間)があるかどうか、事前の確認をしておく必要があります。
もし、冷蔵庫だけ別に、運搬もしくは宅配してもらいたい場合は、
こちらの記事「冷蔵庫を引っ越しする時の相場やおすすめの業者は?冷蔵庫の引越前準備」が参考になると思います。
(4)荷物を梱包する資材は自分で用意しなければならない。
通常、引っ越し業者に頼んだ場合、必要なダンボールや梱包材(エアキャップ)などは、無料で支給してくれる場合がほとんどです。
しかし、自分で引っ越しをする場合は、スーパーにもらいに行ったり、ホームセンターで購入するなど、ひと手間と多少のお金が掛かります。
(5)冷蔵庫などの大型の荷物をあなた一人で運べますか?そうでない場合は、あなた以外に、親類、友人などのサポートを借りなくてはいけません。

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親類、友人などに引っ越しを手伝ってもらった場合、手伝ってもらった方への謝礼(一般的には5000円程度)もしくは、食事をごちそうするなどの費用が発生してしまいます。
また、荷物が少量だとしても、重たい荷物を持って何度も往復するのは結構体力を使います。
その為、疲労軽減と効率化を図るためにもセルフ引っ越しをする際には、台車は必須アイテムです。耐荷重100㎏の低価格の台車でも3000円以上はします。
(6)エアコンなど専門的な取り付け取り外しが必要なものは無いか?
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冷蔵庫、洗濯機ぐらいはなんとかなるものの、意外と盲点なのが、エアコンの脱着。
引っ越し業者(運送業者)に頼んだ場合でも、通常提携しているエアコン専門業者が行います。また、配管の脱着などもあるため、素人には難しい作業となってしまいます。
よって、
また、この脱着時に、エアコン専門業者にオプション料金を払って、自分では日常出来ないエアコンの専門的掃除及びエアコンガスの補充を行ってもらうことなどもできます。使っていて冷却性能が落ちてきたなと感じていた場合は、引っ越しの時がチャンスです。
そのエアコンをいつまで使うのか、何年前に買ったのか(最新のものほど、使用電力量が少なくて済む=電気代が安くなる)なども考慮し、
必要に応じて頼んでみてはいかがでしょうか?
そもそも、エアコンを引っ越しする必要があるかどうかについては、
「引っ越し時のエアコン、移設と買い替えどっちにする?注意点と買い替えのコツ」の方で詳しく解説しています。
(7)あなた自身で荷物を運ぶ場合は、もちろん自己責任になります。
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赤帽含む、引っ越し業者(運送業者)を利用した場合は、荷物や家屋に破損が生じたときでも保険の適用がありますが、
あなた自身(友人などの手を借りた場合も同様)が行う場合は、自己責任となるので、荷物の搬出搬入には、十分注意が必要です。
また、洗濯機の設置に不手際があり、水漏れが発生し階下に損害が出てしまった場合などでも、引っ越し業者(運送業者)を利用した場合は、保険が適用されます。
それでも、あなた自身で引越しをしますか?
(8)エレベーターが無く、狭い階段を使わなければならない場合は、安全の為にも、引っ越し業者(運送業者)を利用したほうがいいでしょう。

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慣れない重い荷物を持って、狭い階段を上り下りする姿を想像してみて下さい。
独身の時の1Kから、結婚を機に2DKに引っ越すときの私がまさにそうでした。
このときの引っ越しは、物件も古く5階建ての5階(最上階)から、エレベータはなく、さらに階段が狭く急な中での運搬作業でした。
今思えばよくセルフで引っ越ししたものだと。
彼ら、引っ越し業者(運送業者)はこういった状況でも慣れています。
(9)引っ越しの際の養生(ようじょう=床や壁が傷つかないよう保護マットやダンボールなどで保護すること)は必要です。
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マンションなどでは、引っ越しの際、エレベーター内や通路などの傷防止の為、養生することが義務付けられている場合も多々あります。
このような場合、あなた自身で養生しますか?
引っ越しの時の養生については、
別記事『引っ越しの養生を自分でする場合の資材調達や実施方法及び注意点』の方で、
一人暮らしの荷物量なら、引っ越し自体は自分でレンタカーを借りるなどして出来そうだけど、
引っ越し現場の養生はどうすればいいか分からない方や、自分で養生資材を購入やレンタルする場合の費用、
そして、引っ越しの時には養生しなければいけない理由までお伝えします。
(10)あなたが引っ越し作業を行う場所は、駐禁(取り締まりの厳しいエリア)ではありませんか?

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マンションや個人宅などで、居住者専用の敷地(私有地)があれば問題ありませんが、
特に東京などの大都市部の場合、道路にちょっと停めているだけでも、問答無用に切られる駐車違反の切符(反則金:最低でも1万円)。
昔は少しの時間(15分程度まで)ならOKだったりしましたが、2006年の道交法改正により、取り締まりの民間委託が始まると、5分離れただけでも、運が悪いと切符が切られるようになりました。
引っ越し業者が引っ越しを行う場合には、場所柄必要と判断したときは、警察に事前申請(使用日の7日以上前⇒言い換えると取得までに最低7日以上かかるということ)して、「駐車許可証」を取得してから行うので、問題とはなりません。
しかし、この「駐車許可証」の申請には、「車検証」が必要となるため、個人が当日レンタカーを借りる場合は、7日以上も前に事前に申請しておくことなど、ほぼ不可能です。
この「駐車許可証」が取れない場合は、最寄りのコインパーキングなどから、近くはない距離を引っ越し荷物を運ぶしかなくなってしまいます。
「駐車許可証」の取得方法については、
別記事『セルフ引っ越しで駐禁を回避する為に必要な駐車許可証の取得方法について』の方で詳しく解説しています。
まとめ:単純な費用の比較だけではなく、様々なリスクを加味して総合的に判断することが、引っ越しでは大事です。

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これまで説明してきたように、以上のことを考えると如何でしょうか?
かなり限られた条件の中でしか、自分で引っ越しを行うメリットはなくなってしまうのではないでしょうか?
その条件とは、
(1)単身(一人暮らし)で、荷物がかなり少ない場合
(2)引っ越しする距離が近い(同一市町村内など)場合
(3)赤帽や宅急便(単身パック)などを利用するより、安く済むと思われる場合
(4)新旧住居ともエレベーターがある場合
(5)荷物の搬出搬入・設置、車の運転(駐禁含む)引っ越し作業すべてに、自分でリスクを負える場合
(6)引っ越し業者が日程的に抑えられず、どうしても自分でやらざるを得ない場合
これらに当てはまらない場合は、引っ越し業者や運送業者(宅急便利用も含む)を利用した方が得策です。
もし、引越し業者を利用するならば、
引越しの見積もりが一度に行え、更には最大50%程度も料金が安くなる「引越しの一括見積もりサービス」が非常に便利です。
でも、どの見積もりサービスを利用したらいいか迷っている人も多いと思います。そのような方は、以下の記事を読んでみて下さい。
それでも、レンタカーを借りて引っ越ししたいと考えている場合は、こちらの記事
「レンタカーを使って引っ越しする時の車種別料金相場や失敗しない選び方」
で詳細を確認してから、最終判断して下さい。
についてお伝えします。
こちらの記事もあわせてどうぞ。

