初めて引っ越しをする方はもちろんのこと、何回引っ越しをしても、その都度、引っ越しの条件(距離、家族構成、荷物の量など)は変わるので、そういった意味では、同じ人でも二度と同じ引っ越しは無いわけです。
ここで名言「引っ越しとは、一期一会である(笑)。」
そうすると、増々分からなくなる「引っ越し費用(料金)の相場」。
そんな今回は、あくまで一般的な目安になってしまいますが、こんな見積もり条件の場合は、大体いくらぐらいになるかをお伝えします。
その価格を一つの基準として、あなたが引っ越し業者に提示された「見積もり価格」が適正なのか高いのか判断するうえでの参考になればと思います。
引っ越し費用(料金)を考える上で、基本的なこと
引っ越し料金が決まる要素は?
引っ越し業者が料金を見積もりするうえで、見積もりの要素とするものには、
つまり、
【引越し料金】=「基準運賃」+「割増料金」+「実費」+「付帯サービス」
で表せます。
また、このうちの基準運賃の部分は、各引っ越し業者が独自に設定する「運賃表」をもとに計算されます。但しこの部分は、国土交通省の指導監督により、一定の範囲内にコントロールされています。
時間制運賃と距離制運賃
さらに仕組みとして、
時間制運賃もしくは距離制運賃のどちらかで引っ越し運賃を決定しています。
【時間制運賃】
引っ越し作業に掛かる時間(移動時間含む)を基準に、料金を計算する方法。
4時間制と8時間制があり、荷物を運ぶ距離が100㎞未満の場合に主に適用される。
【距離制運賃】
荷物を積載したトラックで移動する距離を基準に、料金を計算する方法。
引っ越し荷物の運送距離が100㎞を超える場合に主に適用される。
ここで決まった「基準運賃」に土日の割増料金、深夜早朝の割増料金、そしてもちろん「繁忙期」の割増料金などが加算され「基準運賃」+「割増料金」で引っ越し料金の基礎部分が決まります。
作業人員の「人件費」
あとは、作業人員の「人件費」です。
一人当たりの人件費は1万円~1万5千円ほどです。すると、荷物の量、部屋の大きさにより、2人~4人程度で変化します。すると人件費の分についてもザックリ試算できるでしょう。
付帯サービス(オプション)の「荷物梱包サービス(おまかせプラン)」
引っ越し業各社では、荷物や食器の梱包をしてもらえる「おまかせプラン」などが用意されています。
さらに業者によっては、女性スタッフだけで荷造りをしてくれる「レディースパック」がある会社もあります。
荷物梱包サービス(おまかせプラン)は各社で商品名称が違うものの、基本価格にプラスして
引っ越し費用を大きく左右する「繁忙期」とは?
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同じ荷物量、同じ移動距離でも、
引っ越しシーズンと呼ばれる「繁忙期(はんぼうき)」である、2月下旬~4月上旬にかけては、日本の場合、学校でも会社でも新年度と重なり、引っ越ししたい人が殺到します。
その為、引っ越し需要に対して、引っ越し業者の対応能力がいっぱいになってしまいます。その為、引っ越し価格を上げ「割増料金」を取っています。
さらにこの中でも最盛期と言える「3月最終週から4月第一週」の「3回の週末」を挟んだ約2週間(16日)は、一年の中で最も値段が高い「プレミアム価格」な時期となっています。
2019年で言うと、3月23日(土)~4月7日(日)がこの期間に当たります。
ここ2年ほどで急増している「引っ越し難民」とは?
この「繁忙期」の顕著な例が、一昨年ごろより多発している「引っ越し難民」という言葉です。
「引っ越し難民」とは、
昨今の働き方改革により、引っ越し業界の人手不足がさらに加速し、完全に引っ越し業者の運送能力(キャパ)を超えてしまったために、引っ越しを希望しても見積もりすら断られてしまい、希望の時期に引っ越しできなかったという方たちを指します。
中には引っ越し費用50万円なんて見積もりを提示された方もいるとか。これは例年の2倍以上に当たります。
通常例年においても、通常期に比べて繁忙期は30~50%の割り増し料金である場合がほとんどです。
こんな昨今の引っ越し事情なので、これまでの相場料金が通用しなくなっている恐れは十分あります。
あなたがもし、来年2019年の春に引っ越しを考えている場合は、あなたなりに「引っ越し難民」もしくは「高額請求」の被害に遭わない為にも、今から対策を考えておいた方がいいでしょう。
引っ越し難民が起きている理由と対策は、2019年春、引っ越し難民にならない為に。原因と対策のまとめの方で詳しく掘り下げ解説しています。
大手の引っ越し業者と中小の引っ越し業者。特徴は?
大手の場合、
これまでの実績からも、評判を落とすようなことはしたくないため、とにかくサービス内容重視で仕事は丁寧、トラブル時の対応にも慣れています。
しかしその分、大手各社の料金は高めの設定です。
中小の場合、
地元をベースとしている企業が多い為、担当エリアの交通事情や地理にも詳しく、また、大手業者に比べると、引っ越し費用が安く済む傾向にあります。
また大手、中小共に、
その引っ越し業者が最も得意としている分野、例えば単身の引っ越しに強い、東京都内は強いとか、長距離引っ越しに強い、家族向けに絶対的な評判を持っているとか、
各社の得意分野を理解したうえで、あなたの引っ越しに向いている業者はどこなのかを把握したうえで、見積もりを行うようにしましょう。
特にピアノなど専門的な作業が必要な場合は、その差がそのまま作業の質や値段に顕著に出ます。
引っ越し費用を安く抑えたい場合には、こちらの記事「安い引っ越し業者を探すコツ」でその方法を紹介しています。
お待ちかね、引っ越し費用(料金)相場の発表
ここまで説明してきたことを頭に置きつつ、一番気になる、じゃあこの場合はいくらぐらいになるのかという、引っ越し費用相場を発表します。
なお、この価格は、「引っ越し.com」独自の集計によるものです。梱包サービスやピアノなどの特殊荷物の運送などオプションサービスを除いた、一般的な引っ越し荷物(基本価格)の平均価格です。
特殊な荷物の引っ越しについて、価格等を知りたい方は、「ピアノ、猫や水槽、仏壇など特殊なものを引っ越しする場合、費用や業者は?」をご覧ください。
単身(一人暮らし)の場合の引っ越し費用(料金)相場
単身(荷物少ない場合)
条件 | 平均的料金(単位:万円) | |
単身(荷物少ない) | 2/末~4/初(繁忙期) | それ以外の時期 |
移動距離15㎞以内 | 3.4 | 2.8 |
50㎞以内 | 3.8 | 3.1 |
200㎞以内 | 4.8 | 3.9 |
500㎞以内 | 5.6 | 5.0 |
500㎞以上 | 7.0 | 5.7 |
単身(荷物多い場合)
条件 | 平均的料金(単位:万円) | |
単身(荷物多い) | 2/末~4/初(繁忙期) | それ以外の時期 |
移動距離15㎞以内 | 4.6 | 3.6 |
50㎞以内 | 5.1 | 3.9 |
200㎞以内 | 6.5 | 5.2 |
500㎞以内 | 8.5 | 6.7 |
500㎞以上 | 10.0 | 8.0 |
二人(カップルなど)の場合の引っ越し費用(料金)相場
条件 | 平均的料金(単位:万円) | |
2人(カップル) | 2/末~4/初(繁忙期) | それ以外の時期 |
移動距離15㎞以内 | 7.3 | 5.9 |
50㎞以内 | 7.9 | 6.5 |
200㎞以内 | 10.2 | 7.8 |
500㎞以内 | 14.5 | 11.3 |
500㎞以上 | 18.4 | 13.9 |
四人家族の場合の引っ越し費用(料金)相場
条件 | 平均的料金(単位:万円) | |
4人家族 | 2/末~4/初(繁忙期) | それ以外の時期 |
移動距離15㎞以内 | 10.8 | 8.5 |
50㎞以内 | 12.2 | 10.1 |
200㎞以内 | 16.3 | 11.3 |
500㎞以内 | 22.5 | 14.8 |
500㎞以上 | 28.5 | 20.0 |
引っ越し費用(料金)相場、まとめ
それぞれの条件での引っ越し費用を見比べると、ある傾向が見えてきます。
それは、
引越し業界売上高No.1のサカイ引越センターの料金相場については、
「サカイ引越センター 料金の目安。サカイが高いは本当?見積りを安くする方法も併せて紹介」
引越し大手のアート引越センターの料金相場については、
「アート引越センター 料金の目安。料金高いは本当?見積りを安くする方法も併せて紹介」をそれぞれご覧下さい。
最後に
あなたが引っ越しをする場合の、おおよその値段がいくらぐらいか検討は付きましたか?
しかし、
昨今では、引っ越し難民問題が発生しているぐらいなので、相場は大きく上昇傾向です。
最新の引っ越し料金相場については、引っ越し料金一括見積サイトなどで、相見積もりを取って確認し、あなたにとっての適正料金を把握しておくことが大事です。
引っ越し料金一括見積サイトについてはこちらの記事で、ネット上からでも【概算見積り金額が分かる】サイトを知り利用することが重要です。
についてです。
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