あなたは、引越しの荷造りは自分でしますか?それとも引越業者に荷造りまでお任せでやってもらいますか?
これまで10年で7回も引っ越しをしてきた私は、プラス数万円で荷造りをしてもらえ、ストレスフリー&コスパが高い(しかもプロに任せると数時間で終了します!)なら、荷造りもお任せがすごく楽だなぁと感じます。
荷造りお任せサービスについては、こちらの記事「引っ越し荷造り・梱包は業者にお任せ。荷造りおまかせサービスの料金や専門業者を徹底比較」で詳しく紹介しています。
さて、そうは言っても、実際には引越し費用を節約する為にも、自分で荷造りをする人が大半だと思います。一人暮らし(単身)で荷物が少ない人は、特にそうでしょう。
すると、荷造りする際に必要となる入れ物「ダンボール」。
最悪なのが、ダンボールをキチンと組み立てていなかったために起こる、ダンボールの「底抜け」。
荷物を運ぶつもりが、その場にダンボールの中身をぶちまけてしまう。
そんな事態にならないために、
今回は、『失敗しないダンボールの組み立て方と補強に効果的なガムテープの貼り方』と題して、意外と重要なダンボールの組み立て方やガムテープの貼り方について、詳しく解説します。
間違ったダンボールの組み立て方
まず、絶対やってはいけないのが、組み木のように、ダンボールの各面をクロスさせて組む「クロス組み」と呼ばれる方法。
この方法で組む前に、ちょっとだけ考えれば分かるはずですが、上からの力(内側から荷物の重さ)が掛かった時どうなりますか?
一見、箱のようになっていますが、底が変形し始めると、徐々に隙間が大きくなり、外に広がる力を抑え切れないことが分かるはずです。
中身が軽く力がほとんど掛からないのなら、これでも良いですが、ガムテープを貼らずに、組んだだけのこの方法はNGです。
ある程度の重さの有る引越し荷物を入れると、間違いなく底抜けします。
紙テープ(クラフトテープ)と布テープ(ガムテープ)の違い
ガムテープを貼る前に、主に梱包用に使うテープには3種類ある事を知って下さい。
ダンボールを組み立てても、適切なテープで貼らなければ、期待している強度は出ません。まさかダンボールをセロテープで貼ろうという人はいないでしょう(笑)。
一般的に、ダンボールを貼るときに使うのは、紙テープ(クラフトテープ)と布テープ(ガムテープ)と、「ビニールテープ(OPPテープ)」の3種類があります。
安いからという理由だけで、紙テープ(クラフトテープ)を使っているという人もいるかもしれませんが、紙テープ(クラフトテープ)と布テープ(ガムテープ)の違いを知ってから、適材適所で使って下さい。
ここでは、紙テープ(クラフトテープ)と布テープ(ガムテープ)の違いをメインに解説しておきます。
紙テープ(クラフトテープ)の特徴
梱包用のテープの中では最も安い、1巻き50m(48~50mm幅)が200~300円程度。場合によっては、100円ショップでも50m巻きが買えますが、粘着力が弱すぎるので、あまりおすすめできません。
布テープ(ガムテープ)に比べると、強度が弱い。約5㎏ぐらいまで。
手でも容易に切ることが出来る。
重ね貼りができない。
インクをはじくので、マジックで文字を書くことが出来ない。
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布テープ(ガムテープ)の特徴
価格は、1巻き25m(48~50mm幅)が200~300円。巻きの長さが違うので実際の価格は、紙テープ(クラフトテープ)の2倍以上。
ダイソーなど100円ショップでは、10~15m巻きの物が売られています。
二層構造になっていて、さらに間に繊維が織り込まれているので、紙テープ(クラフトテープ)より、かなり強度が強い。
手で切るのはちょっと大変。
重ね貼りが可能。
マジックでテープの上に文字を書くことも出来る。
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ポリプロピレンテープ(OPPテープ)の特徴
価格は、1巻き50m(48~50mm幅)150円~300円。厚みが3種類ぐらいあるので、用途により使い分けるようにして下さい。通常は0.05mm厚ですが、厚い方が強度は強くなるので、0.07~0.09mmは重量物向けです。
通常は、透明色またはやや黄色味でセロテープと同じような色味。ちなみに、見た目はセロテープと似ていますが、セロテープの原料は木材パルプ(天然原料)なので、ポリプロピレンテープ(化学原料)とは根本的に全く違うものです。
梱包重量約10~15㎏ぐらいまで。
熱には弱いが、水に強い。
手で切るのはほぼ不可能。テープカッターやハサミなどで切る必要有。
重ね貼りが可能。
粘着力は3つの内で最強。ポリプロピレン製なので伸びやすく、密着力も高い。
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ダンボールの強度を高める組み立て方と補強に効果的なガムテープの貼り方を6種類紹介
ここから、ダンボールの強度を高める組み立て方法と、補強に効果的なガムテープの貼り方について説明していきます。
ガムテープの貼り方には様々な方法があるので、中身の重さや用途に合わせて使い分けられるようにしてみて下さい。
ここで紹介するのは、『底面部の補強』の為にするガムテープの貼り方です。ダンボールの底の方から見た図として考えて下さい。
なお、ダンボール上面に直接重さが掛かるわけではありませんが、引越し業者のトラックに荷積みする時に、ダンボールの上に他のダンボールを積み重ねるということは当たり前なので、上面側もキチンと補強しておくことをおすすめします。
強度を高める「正しい」ダンボールの組み立て方
ダンボールの組み立て方なんて、そんなに幾通りも出来るわけでは無いので間違う訳ないと誰しもが思いますが、
ここで「正しい」ダンボールの組立て方法について、お伝えしておきます。
①畳まれた状態のダンボールを箱型を作れるように、広げる。
(ここまでは大丈夫ですよね?)
②底面になる面のふたの【短い辺】を内側に折る。
③底面になる面のふたの【長い辺】を折って、短い辺の上に重ねる。
④ガムテープなどで貼って、形状が変わらないように箱型を完成させます。この時出来るだけ、辺と辺をキチンと合わせるようにして下さい。極端にずれているのはNGです。
ポイントは、【短い辺】を折るのが先という事です。荷物を入れたダンボールを置いた時を想像すれば分かると思います。
逆にした場合は、下図のようになります。広い底面で受けた荷重を小さい面積の【短い辺】2枚で、まるで脚のように受けてしまうので、変形しやすいことが分かります。
ダンボールの底面全体を使って、地面(床面)に重さを分散させるのが本来の目的です。
次の項目から、様々なガムテープの貼り方について1つずつ解説していきます。
最もシンプルな直線貼り
最もシンプルな、直線1本貼りです。
最小限の補強にしかならないので、内容品が軽量の場合に用います。
十文字型に貼る
基本の直線1本貼りに、中央部の補強として1本テープを足して、「十文字」のように貼る貼り方です。
但し、底面に掛かる荷重を受け止めているのは、中央部以外では側面に張り付いているガムテープの幅分(50mm×2か所)しかないので、ここが切れると、底全体が下方向に膨らんでしまうことが理解できると思います。
H型に貼る
英語のHのような形になるように、それぞれの開口部を塞ぐように貼ります。よほどでなければこの貼り方をしておけば十分です。
この貼り方にすると、開口部が全て塞がれ、疑似的に一枚で出来た箱型構造体(モノコック構造)のようになるので、強いです。
十文字型+H型に貼る
ガムテープの使用量が必要最小限で最大の効果を出せる貼り方とも言えるのが、この『十文字型+H型』を組み合わせた貼り方です。
「キ」字型に貼る
カタカナの「キ」の字のように、底の中心付近にテープを二本貼り、底を重視した補強をするやり方です。
「米」字型に貼る
テープの重なりが集中し、これでもかというほど、底の中心部を補強するやり方です。テープの本数分、テープにも力が分散しダンボールの変形を抑える効果があります。
但し、この方法の場合「底抜け」を防ぐ効果は高いですが、十文字型や㋖の字型同様、側面の開口部の変形を抑えているのは、側面2か所のガムテープの幅分(50mm×2か所)しかない=すなわちここがウィークポイントになってしまうので、
ここまでしなければならないほど補強が必要ならば、是非H型と併用して下さい。
また、ここまでするぐらいなら、そもそものダンボールの厚みや内部構造(丈夫なダンボールを利用すること)にも注意を払った方が効果は高いでしょう。
間違ったダンボール補強の仕方(ガムテープの貼り方)
さて、いくつかのテープでの補強の仕方を紹介したところで、この貼り方はやってはいけない(=意味がない)という方法も紹介しておきます。
間違っても、真似をしないようにして下さい。
NG例その1:テープが側面まで回っていない
側面までテープが回っていないので、側面のふたが抑えられていません。底面のふたは側面のふたにただ乗っかっているだけなので、側面と接着されていないため強度が出ていません。
NG例その2:テープが短すぎる
底面の開口部を横に塞いでいるテープの補助のつもりなんでしょうが、テープが短すぎて「無いよりマシ」という程度で、ほとんど補強の役目を果たしていません。
NG例その3:全く関係ない場所に貼っている
この例では、開口部とも全く関係なく、また開口部を閉じているテープとも関連していません(サポートすらしていない)。
よって、まったく意味ない貼り方と言えるでしょう。この貼り方を使うのは、ダンボールに内容品を書いておく時ぐらいでしょう。
NG例その4:惜しい!もう少し伸ばして角に掛かるように...
なぜ、あとちょっとの長さをケチったのか分かりませんが、惜しいです。
角まで届いていないので、角周辺のすきまが力を受けて変形しやすくなっています。
キチンと角に掛かるように(すき間ができないように)、テープを貼りましょう。
ダンボールへの箱詰めが完了したら最後にチェック
ダンボールへの箱詰めが完了したら、最後にふたを閉める(テープで閉じる)前に、あなた自身で持ってみて、
・一人で持てない重さでないか?
・ダンボールが変形しないか?
・底抜けしないか?
確認しておきましょう。
また、
梅雨時期の引越しの注意点は、こちらの記事『6月梅雨時期の引っ越しは?料金や注意点など利用する上でのコツを紹介』にまとめてあります。
最後に
ダンボールの正しい組み立て方、ガムテープの正しい貼り方(効果的な補強の仕方)を理解してもらえたでしょうか?
これで、心配なく荷造りが進められますね。
今回、テープの貼り方を説明するのに、「3D-CAD」はAutodesk(オートデスク)社の『Tinkercad(ティンカー・キャド)』を使用しました。
Autodesk(オートデスク)社は、業務用のCADソフト【AutoCAD】などで非常に有名で、また、1980年代には設立されているCADソフトでは超老舗のアメリカの会社です。
使い方は非常に手軽で、Autodesk(オートデスク)のユーザー登録(メルアドと生年月日、パスワードのみ)さえ済ませてしまえば、
ソフトのダウンロード不要で、WEBブラウザさえあれば利用できます。
また、従来のCADのように、難しい操作は必要無く直感的に使えるので、慣れれば小学生低学年でも使うことが出来るほど操作は単純です。
基本的には、ボックス(四角形)、球、円柱、円錐、屋根、ポリゴンなど予め用意された数種類の基本図形を組み合わせて、希望する形状を作っていく方式です。
もちろん【利用料無料】、作成したモデルやデータも「マイアカウント」に保存可能(ダッシュボード上で管理)なので、次回に続きから作業をしたり、ベースデータを修正して別モデルを作ったり、作品群を増やすことも出来ます。
さらには、作成したモデルを自宅の3Dプリンターで出力することも可能です。
興味のある方は一度使ってみて下さい。
オンラインCADで3Dデジタルデザインを作成:Tinkercad
ではまた次回。
と題してお送りします。
こちらの記事もあわせてどうぞ。
では、また次回。